JO7TCX アマチュア無線局

せんだいSD550  山岳移動運用 

音質重視?ゲルマラジオ

2014年11月29日 | ゲルマラジオ



 ゲルマラジオの音質にこだわってどうするの?とも思いますが、両耳ステレオイヤフォンで聞き比べてみると、それなりに違いはあります。サラサラして明瞭であったり、低音が効いてこもっていたり・・・。数点の部品すべてが音に影響します。Qの高いコイルでないと、そもそも何も聞こえません。同じ回路でもダイオードや抵抗、コンデンサーを変えると、音量、音質とも変化します。そんな中で、もっとも大きな影響を与えるのがトランスです。市販のステレオイヤフォンを鳴らすための必須部品。よく使われるのがサンスイのST32で、1.2kΩ:8Ωながら、そこそこ鳴ってくれます。ラジオ少年通販の20kΩ:8Ωトランスはさらに大きな音量。ミズホ通信研究所から購入した100kΩ:8Ωは音質も良く、タップ切り替えで好みの音量音質に変えられます。



 先日、秋葉原にて東栄変成器のトランスを入手しました。780円程。ちょっと大きめ。大雑把にいえば、大きい方が音は安定します。試しにミノ虫クリップで回路を組んでみると、なかなかの音量・音質で鳴ってくれました。今回はこれを使って音質重視型?ゲルマラジオを作ってみることにしました。トランスが大きい分、フェライトコアによりコイル部は小型化をはかることにします。

〈材料〉
フェライトコア 長さ16cm×4本
リッツ線    0.4mm×100本 数m
ダイオード   1N60(aitendo)
コンデンサー  100pF(101)
抵抗      470KΩ
トランス    東栄変成器7-10-12kΩ:4-8Ω
他、ポリバリコン、ステレオイヤフォン端子、3P基板など



 小型化といってもフェライトコア4本を束ねたものを使い、これにリッツ線を巻いていきます。Qの高いコイルの条件は、直径を大きくする、太い線材を使う、スペース巻き、この3点です。コアを使っても使わなくともこの原則は変わりません。これまでの多少の経験と技術?をつぎこみ、スペース巻き+分割巻きを採用することにしました。全部で41回巻き。空芯コイルと違って線材は数分の一で済みます。リーズナブル。でもコアが高いので結局同じ。巻き線が短いため実効抵抗は低くなります。またスペース巻きにより浮遊容量も抑えられ、インダクタンス180μH。ほぼ見込み通り。


コイル 材料一式

1N60


 続いて基板。aitendoの1N60を使って定石どおりの回路を組んでみました。トランス接点は一次側12kΩ、2次側8Ω。他の端子も試してみたところ、この組み合わせがベストでした。あとは、いつも通り板材に配置、配線。


完成


 ステレオイヤフォンをつないで聞いてみると、NHK第一放送がちょうど良い音量で聞こえてきました。高音が刺さらず、かつ、こもるわけでもなく、これまで作ったゲルマラジオの中では聞き疲れしない自然な音のように感じました。やはりトランスの影響は大きいです。アンテナ、アース不要。無電源で、聞きたい時にいつでも聞ける、卓上イヤフォンラジオ。邪魔にならず、気に入りました。

 




 
コメント
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