JO7TCX アマチュア無線局

せんだいSD550  山岳移動運用 

分割巻きコイル

2014年11月03日 | コイル作り


 先人たちのコイル巻きの工夫には、底知れないものがあります。その様々な巻き方にはそれぞれ理由があるわけです。しかし、その理由が不明な、というより、自分が単に理解できないものも少なくありません。分割巻きもその一つ。二次コイルとして巻いているわけではなく、つながった1本の線をいくつかに分割して巻いていく。国内、海外問わず、この巻き方はよく見かけます。

 前作に続き、長さ15cmに切り分けたアクリルパイプを使って、分割巻きコイルを作ってみました。今回はコイルのみ。線材はビニール線。リッツ線の方がQは高くなるかもしれませんが、それはおおよそ検討がつきます。あえてビニール線を使うのは、ビニール被覆によって線と線に隙間が確保され、スペース巻きと同じ効果を得ようという考えです。スペース巻き+分割巻きによって、はたしてハイQコイルはできるのか?

 <材料>
 ビニール線   直径2.5mm 長さ20m
 アクリルパイプ 直径15cm 長さ15cm

 難しいことは何もなし。アクリルパイプにホットボンドで線材を固定し巻くのみ。まずは普通に20mすべてを巻いてみました。巻終わりもホットボンドで固定。41回巻き。インダクタンスを測ってみると226μH。スペース巻き効果が出たのか、20m巻いた割には低めです。



 この状態でゲルマラジオに接続して聞いてみました。かなりの音量でNHK第一が入感。NHK第二もまずまず。リッツ線を使った前作の真円ループゲルマラジオとの比較でほぼ同等か少し上回る音量。これまでの経験から、なるべく多く線材を巻き、かつ、インダクタンスを適度に抑える、これがハイQコイルを作るポイントかと。ビニール線によってまずまずの性能は出ているようです。



 続いて、巻終わりの位置を15mm離して固定し、線材を少しずつスライドさせていきます。コイル全体の1/3ほどスライドさせたところで、分割巻き完了。初めてなので2分割としました。一方は25回巻き、もう片方は16回巻き。インダクタンスを測ったところ205μH。少し下がりました。ということは、スペース巻きの一変形ということ?間隔は当てずっぽうで15mmとしましたが、これをどこまで広げてよいのか? 3分割、4分割とした場合の違いは?など、巻きながらいくつものことが脳裏をよぎりました。


コイル間隔は15mm



 巻き終わって、あらためてゲルマラジオに接続してみると、音量増加と共に音に厚みが増したような印象です。単にインダクタンスが下がって、マッチングがさらに良くなったということかもしれませんが、結果的にはビニール線+分割巻き、期待以上で気に入りました。リッツ線で等間隔にスペースをあけて巻くのは至難ですが、分割巻きなら割と容易にできそうです。



 線材を巻く、ただそれだけなのに、試してみたいことが次々出てきます。








コメント (2)
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