朝日夕刊連載「弁護士の魂」が完結 2007年02月14日 | Weblog なかなか良い連載だったと思います。 今日の最終回(第15回)では、法テラスで地方に赴任している弁護士を取り上げています。 本当は同様に、地方に赴任する「裁判官魂」などというのもあると思うのですが、語られることが少なくて残念な気もします。(チェックメイト)
お悔やみ 森田宗一元判事 2007年02月13日 | Weblog 朝日新聞からです。森田さんは,戦前から少年事件に取り組んでおられたと聞きます。裁判官懇話会の世話人をされたこともあり,薫陶を受けた裁判官は多いのではないでしょうか。私の任官時には既に退官されていたこともあり,私が追悼文を書くのは荷が重いですので,先輩の方々,是非お願いします。(瑞祥) 現行の少年法起草に参画、森田宗一さんが死去 森田 宗一さん(もりた・そういち=元裁判官、元「日本カトリック正義と平和協議会」会長)7日、心不全で死去、91歳。葬儀は親族のみで行い、後日改めて「お別れの会」を開く。喪主は長男明さん。自宅は東京都八王子市上柚木1282の2。 東京少年審判所審判官として現行少年法の起草に参画し、退官後も弁護士として少年問題、平和問題にかかわった。
毎日新聞社説から 2007年02月12日 | Weblog 7日の社説「在外被爆者訴訟 違法通達を放置した罪深さ」から抜粋。全く同感です。(チェックメイト) 「立法手続きを経ず、官僚が作成した違法な通達が30年も行政を動かしてきた事実も、検証されなければならない。行政の独走を防ぐため立法府がチェック機能を果たすべきは当然で、歴代厚相らの監督責任も問われねばならない。 司法が立法、行政の不手際を点検し、是正に導くのは三権分立の機能とはいえ、最近は裁判所に指摘されるまで立法、行政が立ち上がろうとしないケースが目立つ。衆参両院の議員定数問題や中国残留孤児対策なども好例だ。裁判が提起されない限り、施策が見直されない現状は、嘆かわしい限りだ。政治主導の観点からも、とりわけ立法府が問題を先取りし、素早く対応してほしいものだ。」
映画「裁判員~選ばれ、そして見えてきたもの~」が完成 2007年02月11日 | Weblog 東京新聞10日夕刊に掲載されたニュースです。 最高裁では3月20日(火)に試写会を開催するそうです。 詳しくは、裁判所ホームページ http://www.courts.go.jp/ の「裁判員制度」を御覧下さい。 (東京新聞から抜粋) 2009年に始まる裁判員制度のPRのため、最高裁が制作していた映画「裁判員」が完成した。昨年制作した「評議」に続く第2弾。前作は、裁判員らが判決を決める場面を描いたが、2作目は裁判員が選ばれるところから始まっており、放火事件について判決を出すに至るまでの新しい裁判の流れを描いている。 主演は村上弘明さん。仕事に追われ、裁判員を引き受けることに消極的だったサラリーマンが、悩みながらも参加していく役を演じる。 (裁判所ホームページから抜粋) 最高裁判所では,裁判員制度広報用映画の第2弾として,映画「裁判員~選ばれ、そして見えてきたもの~」を制作しました。この映画は,裁判員選任手続について,現時点におけるイメージをできる限り明らかにする内容となっています。 この映画をより広く知っていただくため,試写会を開催します。多くの方のご参加をお待ちしています。
就職難 2007年02月10日 | Weblog これも毎日新聞からですが、たびたびお伝えしている司法修習性の増員問題の影響が大きくなりそうです。(瑞祥) <弁護士志望>5人に1人就職出来ず? 日弁連が採用増要請 司法試験に合格して07年中に弁護士事務所への就職を目指す2200人前後の司法修習生のうち、最悪の場合400~500人が就職先を確保出来ない恐れがあることが、日本弁護士連合会の調査などで分かった。司法制度改革の一環で合格者が急増する一方、求人数が伸びていないためだ。日弁連は先月「このままでは有為な人材を失い、弁護士全体の活力低下が大いに懸念される」として、全会員に採用増大を呼び掛ける緊急要請文を送った。企業や官公庁への働きかけ強化にも乗り出す。 司法試験合格者は99年に初めて1000人を突破。実務を学んで法曹資格を得る司法修習終了者の数も年々増加しているが、需給バランスはほぼ保たれてきた。約1500人が修習を終えた昨年も、求人数が弁護士志望者数を上回っていたという。従来の司法試験と新司法試験の合格者の両方が修習を終える07年は、終了者数が06年比で約1000人増の2400~2500人に上り、その約9割が弁護士事務所への就職を希望すると見られている。 だが、昨年行われた日弁連の初の調査で、07年の全国の弁護士事務所の求人数が、志望者数を下回る可能性があることが判明した。東京、大阪を除く地方弁護士会の就職説明会では、修習生400人以上の参加に対し、求人数は300人に届かなかった。企業や中央省庁、自治体も新人弁護士の採用には消極的で、現状のままでは400~500人が就職出来ない懸念が出てきた。このため日弁連は、先月18日付で平山正剛会長名の緊急要請文を全会員に送付。「事態は急を告げている」と採用を呼び掛けた。 日弁連の飯田隆副会長は「後進の育成は弁護士全体の責務だという意識改革が重要」と強調。修習終了者は11年には年間3000人に達する見通しで「今後は企業や官公庁にも弁護士を採用するメリットを理解してもらえるよう働きかけていきたい」と話している。
裁判員に選ばれる確率は千葉県が最高 2007年02月10日 | Weblog 毎日新聞7日のコラム「憂楽帳」から。 千葉県でも裁判員制度の広報に力が入っているようです。(チェックメイト) (以下、抜粋) 千葉地検が、対象とされている事件の数(05年)をもとに計算したところ、20歳以上の千葉県民は約355人に1人の割合で裁判員の候補者に選ばれる。これは全国一の高確率だそうだ。 重大な刑事裁判に私たちが参加する裁判員制度は、2年後に始まる。千葉地検でもいま、PRに躍起だ。昨年4~12月には、公民館や学校、企業に出向く「出前説明会」を174回開き、12月からは増田暢也検事正の号令で、事務官ではなく必ず検察官が説明に出張するよう強化した。
過酷な逆境 2007年02月09日 | Weblog 今国会に児童虐待防止法改正案が提出されるそうである。以下は,新聞記事の抜粋。 ある少年院の収容者に対する児童期体験アンケートの結果を知って,暗たんたる思いにとらわれた。 「繰り返し殴る蹴るなど身体に暴力を受けた」25%,「繰り返し暴力的言葉で心理的に痛めつけられた」9.1%(一般高校生はいずれも1%)。 虐待被害の多さは深刻だ。バットで殴打されるなど悲惨な例も目立つという。育児放棄なども加えれば,虐待を受けた収容者は7割以上との調査もある。 非行をすべて虐待のせいにはできない。が,最愛の保護者による虐待で,その子は,誰も信じられなくなり,暴力を振るうことにも抵抗が薄まることは容易に推察できる。成長に与えた悪影響は計り知れない。あまりにも過酷な逆境ではないか。(読売新聞平成19年2月8日朝刊「今日のノート」から) (蕪勢)
矢野伊吉元裁判官の話 2007年02月08日 | Weblog 同じ朝日新聞夕刊の連載「弁護士の魂」で、去る1月31日の回には、矢野伊吉元裁判官の話が取り上げられていました。 裁判官当時に財田川事件の死刑囚が冤罪であると確信し、退官して弁護士となって再審請求に取り組み、無罪への道を開いたという方です。 苦難の道であった事は想像に難くなく、このような行動を真似できる人はいないのではないかと思います。 しかし、そこまではできないとしても、刑事事件に携わる裁判官、検察官、弁護士は皆、無実の発見と救済を一つの生き甲斐とすべきなのだろうと考えさせられました。(チェックメイト)
弁護団が「3年で解決」宣言の理由 2007年02月07日 | Weblog 昨日に続き、今日も朝日夕刊連載「弁護士の魂」第11回から。 1998年7月に熊本地裁に提訴したハンセン病訴訟の弁護団代表の八尋光秀弁護士は、「石にかじりついても3年で解決する」と宣言したそうです。 その理由は、「原告たちはみな老いている。それに裁判官は3年で転勤することが多い。療養所の元患者から生の声を聞いた裁判官に、判決を書いてもらわねば、と考えたから」だそうです。 そして、宣言どおり、2001年5月11日に勝訴判決。小泉首相の控訴断念により、本当に3年以内に解決してしまいました。 お見事というほかありません。(チェックメイト)
「私の心にも雨が降っている」 2007年02月06日 | Weblog 朝日夕刊一面連載中のニッポン人脈記「弁護士の魂」は、弁護士の活躍を中心に取り上げていますが、元裁判官の弁護士も時々登場します。 今日の第10回の見出しは、 苦海…「私の心にも雨」 これは、水俣病訴訟を担当した熊本地裁の相良甲子彦裁判長の話です。 (以下、本文から抜粋) (原告患者の家に案内されて悲惨な現実に接し) その夜、雨を見ながらつぶやいた。「私の心にも雨が降っている」 相良は87年、国と県の責任を初めて認める判決を書く。「こんなことが許されていいのだろうか、という思いでした」。いま千葉で弁護士をしている。
産経新聞「多士済々 弁護士任官」 2007年02月05日 | Weblog 今日の産経新聞の記事の大見出しです。 このように弁護士任官を取り上げていただくことは、嬉しい限りです。 本文の冒頭には、メンバー裁判官の竹内浩史判事の都々逸ブログも取り上げられています。 (リード) 弁護士から裁判官になる「弁護士任官」への取り組みが進んでいる。常勤裁判官のほか、パートタイム形式の非常勤裁判官として民事・家事調停官を務める弁護士も年々増加し、中には常勤への転身を図る弁護士も。現行の任官ルールとなってから5年目の節目となる平成19年度も、4月から2人の弁護士が任官し、任官者は15年度以降だけで29人となる。最高裁では多様性のある裁判官を目指し、日本弁護士連合会(日弁連)とも連携しながら、弁護士任官をさらに推進したい考えだ。
韓国の裁判官が定年前に退官する理由 2007年02月04日 | Weblog 裁判所時報2月1日号、韓国の金酉性判事の「裁判所研修記」は、とても興味深い内容です。以下、ごく一部を引用紹介します(チェックメイト)。 「日本の場合、大部分の裁判官が定年まで勤務するが、韓国では定年まで勤める裁判官の数がとても少ない」 「司法研修所の同期が自分より先に高等裁判所部長判事になれば同期の地方裁判所部長判事は辞表を提出する場合が多く、また、裁判官出身の弁護士の収入が同じ経歴の裁判官の給料に比べ3、4倍以上だということが子供の教育費や住宅資金等経済的問題に悩む裁判官にとって避けがたい強い誘惑となるのだ。」
歌「千の風になって」のことなど 2007年02月03日 | Weblog 先日テレビで「千の風になって」を聞いた。よい歌だったので,早速CDを買ってきた。「私のお墓の前で泣かないでください。そこに私はいません。眠ってなんかいません。千の風になって,大きな空を吹きわたっています。」というような歌詞である。愛する家族を失った人達が,この歌で悲しみの中から立ち上がることができたという感想を述べていた。この歌を聴いて,元裁判官の杉本順市さんのことを思い出した。退官後弁護士になって間もなく,弁護士会の行事で中国視察に行かれて体調を崩され,全く予期しない形で突然逝去された。1991年4月に退官され,その年の8月のことである。「友は風となり」という,杉本さんが多くの人から慕われていたことがよくわかる追悼文集が刊行された。その中に,三森エイ子さんという人が,「さよならなんていいません」という一文を寄せられ,その中に「人間を やめたる友は 風となり 地球をそよと あやして居らむ」という短歌が書かれていて感動した。「千の風になって」を聞いたとき,この短歌を思い出したのである。逝去された人達が,お墓の中で眠っておらず,風となって,大空を吹きわたり,残っている我々のことを心配してくれていると思うと,自分も頑張らなければと思うし,少し悲しみも和らぐように思う。先頃竹中省吾裁判官が逝去された。これまで,私が親しくしていただき,先輩裁判官であり,見識ある優れた裁判官として尊敬していた人が4人も,自ら死を選ばれた。やりきれない思いである。その事情は人のよって異なるが,いずれも仕事が余りにも過酷であるという裁判官が置かれている現実が背景にある。このような悲しいことはもうこれ以上起きてほしくない。死への衝動は,ときにあり得るが,どんなことがあっても,家族のために,生き続けなければと,しみじみ思うのである。(備前武蔵)
裁判員制度の世論調査 2007年02月03日 | Weblog 政府が,裁判員制度に対する国民の参加意識について世論調査の結果を発表した。それによると,「参加したい,参加してもよい 」が20.8%,「あまり参加したくないが,義務であるなら参加せざるをえない」が44.5%,「義務であっても,参加したくない」が33.6%だという(朝日新聞2月1日朝刊)。 参加の方向で考えている国民が6割を越えている。悪い結果ではない。マスコミは,消極的気持を重視して「消極的8割」を強調しているが,裁判員制度施行に対する悲観的材料とは思えない。「参加せざるをえない」との意識は,国民の本音であり,他方で「健全さ」を示しているといえないか。国民の義務である税金の世論調査をすれば,「払いたくないが払わざるをえない」がもっと増えるに違いない。「選挙権」だって,誰もが「投票に行きたい,行ってもよい」という訳ではなかろう。「国民の義務」とは,そうしたものかもしれない。 ハワイ州のサブリナ判事の講演を思い出す。「ハワイでも,陪審員に選ばれることを嫌がる市民は少なくない。しかし,いざ陪審員に選ばれると,みんな責任をもって熱心に取り組む。そして,評決を終えた後は,異口同音に「素晴らしい経験をさせて貰った」と感激の面持ちで帰途につく。」(蕪勢)
初めてのランキング 2007年02月02日 | Weblog 1月28日,このJネットのブログは,1日の閲覧数が,788に達し,gooブログのランキングに初めて載せられた。この日は,71万5524のブログ中,660位である。うれしさと共に,こんなに沢山の人に見ていただいて,司法や司法改革への期待を感じざるを得ない。今後もその期待に応えられるよう書き込みを続けたい。Jネット参加者の皆さんも宜しく。また,見ていただいている皆さんもコメントをどしどしお願いします。(瑞祥)