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2017年の展望 第8回

2017年01月22日 | ブログ
少子化対策

 すでに一部に始まっているが、若者の地方回帰・進出を援助する施策をさらに大胆に推し進めること。地方で、農業、漁業や林業など一次産業に夫婦で取り組めば、自然に子供は増える。小笠原諸島では都会からの若者の移住者があり、子供も多いという話がヒントではある。可能性は一次産業に限らない。地方はその佇まいこそが観光資源で、それを基に観光農園、観光漁業、宿泊業、お土産店に観光企画やガイドに従事してもよかろう。農産物や材木、水産加工業も誘致できる。資本と人手があれば一定の需要を生み、雇用を確保し続ける可能性がある。

 そのためには、第二の農地改革を実施する必要がある。国民の持つ過大な所有権に制限を設けるのである。放置されている農地や山林は国家が廉価に没収できるようにする。先祖伝来の山林や農地、漁業権を相続し、本人は都会でサラリーマンでは地方は荒れる。すなわち機に応じ地域のプレーヤーの交代が必要なのである。それを推進する施策を国が行うのだ。

 所有権の制限のひとつは、北海道の原野であれ、外国人が勝手に買い漁れないよう、土地の売却制限を設けることもある。次に本題の放置された山林や農地は、国家が没収できる制度を設けること。元々の所有者に配慮して、相応の対価は必要であるが、その基準は国が決める。国が所有することで、農業や林業を個人経営から企業経営に切り替えるのである。

 誰の土地かも分からぬまま活用されず、大震災後の復興施策のように、行政がいざ使おうと地主を探せば、登記者本人は亡くなっており、その相続権者が大勢いて、全員の諒解がないと行政が手出しできないなど、現憲法と同様、占領下に決められた過大な国民への権利付与ではなかったか。今や時代にそぐわない施策としか思えない。ここらあたりの法律を新しくすることで、時代の流れを変える必要があるのだ。

 行政が土地の所有権を得られれば、新たに設立した企業による計画的な農業経営が可能になる。個人農家では難しい効率的な農業経営が可能だ。ここに都会でパート・アルバイトでしか生活できない若者を呼び込むのだ。少子化の原因のひとつは明らかな若者の低収入にある。都会暮らしは若者には刺激的で面白いかも知れないが、家賃は高く、必需品のスマホなど、通信会社が当たり前のように過大の料金を若者からむしり取る。時給1000円程度の仕事では、結婚できるほどの収入は得られない。

 すでに漁業などでも地方の市町村が補助金を出して、漁師を育てる取り組みをしていることは、テレビでも紹介されている。地方に人材を回帰させることで、都会で威張っているブラックな企業は途端に人手不足で立ち行かなくなる。そして企業の雇用条件を従業員満足に副わせることも可能になるのだ。

 北方四島返還推進などと言っても、本来返還して貰うのは当たり前ではあるけれど、北海道でさえ人が住まなくなった所が多いのに、北の果ての離島に誰が住むのか。大きく国が地方に投資して若者が働ける環境を整備する必要があるのだ。そのためには国民の持つ特に土地の所有権に制限を設け、繰り返すけれど、地方のプレーヤーの交代を促すのだ。

 既得権を打破するのは大変なことである。既得権にしがみつく亡者とその人々から選ばれる政治屋。小泉進次郎氏が進めようとしている農協改革でさえ抵抗が大きいけれど、2017年が改革に大きく動き出す端緒の年にして欲しいと願う。

 少子化対策は直接的な現金支給などではなく、地方創生とも絡めて国のあり方から変える必要があるのだ。


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