中小企業診断士 泉台経営コンサルタント事務所 ブログ

経営のこと、政治のこと、社会のこと、趣味のこと、人生のこと

時事散歩Ⅸ 第16回

2021年06月16日 | ブログ
続、続、五輪強硬開催

 コロナ禍の五輪には、感染拡大の懸念もさることながら、競技として不完全で公平性を欠いたものとなる恐れが強い。そんな五輪に意味があろうか。それでも選手は勝てば官軍で、メダリストになれば、学歴と同様一生ついてまわるからチャンスなのか。もっともどのような思惑で五輪を目指そうが、選手に非のある話ではない。

 野球は、台湾や豪州などアジア地域の強豪が出場辞退。陸上ではアフリカの五輪予選会が中止となり、世界の陸上界最強メンバーを国立競技場に迎えることはできそうもない。

 まだまだ感染が多いインドやブラジルの選手も十分なトレーニングが出来ていないのではないかと危惧される。

 豪州のソフトボールチームは五輪前の調整の為来日したようだが、競技ごと、国ごとの選手の受け入れを「おもてなし」しようと楽しみにしていた国内のホストタウンも肩透かしの状態で、100以上の自治体が止む無く受け入れ断念したという。本番だけに来日しても選手の調整不足は必至で、地元日本選手がいくらメダルを取っても真から喜べるものになりはしない。

 「コロナに打ち勝った証として、完全な形でオリンピックを開催する」と言い続けていた前の総理は、退任しても十八番の「嘘」が追いかけてくる。元々の大震災からの復興五輪が合言葉だったのに、後任の首相も同じ文言を繰り返したので、もう誰も復興五輪とは言わなくなった。

 国内の地方の夏祭りは、早々と中止が決まっている中、世界の祭りは問答無用と開催していいものかどうか。企業は中国に、スポーツではIOCに貢ぐ国日本。

 想えば、開催都市東京2020決定の際、歓喜する輪の中で、でも7月から8月にかけての暑い盛りの東京五輪に懸念を述べる人に、ある政府高官が「夏がいいんです。地方の夏祭りを五輪で来日した外国の方々に見て貰える」と言っていたのを聞いて、この政治家はダメだと感じたのを今更に思い出す。言うのなら「確かに暑い中大変なこともあるでしょうが、皆で頑張って良い五輪にしましょう。地方では大きなお祭りもある時期です。五輪で来日された外国の方に日本のお祭りも見て貰える機会です」

 悪気の無い一言であっても、その人の人品骨柄が投影される。その時にはまさか感染症の蔓延で五輪が延期され、延期を決めた政権の都合もあって、半端な延期期間となったことで、ここまで歓迎されない五輪になるなど思いもよらなかった。為政者の個人的な思惑では、物事はうまくゆかない事例である。今また、主催は東京であると、政府と都で責任のなすり付け合いを始めているけれど、1年延期は確か安倍前首相が決め、ここに至るまで前面で開催を叫んでいるのは菅首相。都知事は風読みで明瞭な発言は控えているようだ。

 私から診れば、菅首相も小池都知事は、どっちもどっち似たようなもの。「うまくゆけば手柄は俺に、失敗すれば責任はあなた」では、残念ながらリーダーとは言えはしない。






コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 時事散歩Ⅸ 第15回 | トップ | 時事散歩Ⅸ 第17回 »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

ブログ」カテゴリの最新記事