五輪と交通事故と横領と
遂に東京五輪が開催される月に入りました。「田舎の親にも会えず、一人息子の大学の卒業式にも行けず、県をまたいでの移動も自粛している。病院にも行けず、亡くなった人もいる状態で、海外選手が陽性後に即入院なんておかしい」(50代女性)、「パンデミックになる可能性を無視して突っ込んでいる状態は、正気の沙汰ではない。そんな危険な賭けに一般庶民を巻き込まないで欲しい」(50代女性/三重県)、「新型コロナ関連のことを詳しく分かっていない子どもたちでさえ自粛に協力しているのに」(50代女性/大阪府)、「子どもの運動会は、規模を縮小するなど工夫して行うこともできる。オリンピックと比べれば人数もかなり少ない。それなのに世界規模で密になりやすい、リスクの大きいオリンピックをなぜ強行するのだろうか」(20代女性/埼玉県)、「帰省ですら我慢して、親の死に目に会えなかった人々もたくさんいる。今、海外から数万人単位で人が押し寄せれば、これまでの努力が水の泡になる」(30代女性/神奈川県)等々。
ネット上では普通の感覚の、世界の片隅で細々としかし家族を愛して生きる人々の開催反対の声が溢れている。これらの世論が間違っているのでしょうか?
五輪開催に大きな懸念を持っているのは庶民ばかりではない。宮内庁の西村泰彦長官が「天皇陛下は現下の新型コロナウイルス感染症の感染状況を、大変ご心配されておられます。国民の間で不安の声がある中で、ご自身が名誉総裁をお務めになるオリンピック・パラリンピックの開催が感染拡大につながらないか、ご懸念されている、ご心配であると拝察をいたします」述べている。菅、安倍の裸の王様コンビは陛下の御意向さえ、宮内庁長官の個人的見解であると無視した。
コロナ禍の五輪を前にして、児童を巻き込む重大な交通事故が発生した。千葉県八街市。60歳の物流トラック運転手が昼間から酒を飲み、運転を誤って道路わきの電柱に衝突。そのはずみで下校中の小学生の列に突っ込んだという。2人が亡くなり、1人重体、2人重傷という。痛ましい事故だが、加害者の60歳の男性運転手は、日頃勤務態度等に問題のない人であったという。当日は40~50km離れた市川市と東京江戸川区をピストンしていたという。
今回の事故は歩道がない道路でありながら、通学路ともなっていたようだ。八街市内では同様の事故が2016年にも起きていたという。運転手の責任は当然としても、行政にも不作為の罪が重い。
横領事件は、経産省の若手キャリア官僚が起こしたもの。コロナ関連の家賃補助金を、幽霊会社を設立して詐取したという。自分たちが手がけた制度だけに、抜け道を知るのは容易であったろう。安倍、菅と続く政権の自分ファースト政治が、官僚へも伝播していると言えば言い過ぎだろうか。