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時事散歩Ⅸ 第14回

2021年06月10日 | ブログ
五輪強硬開催

 世論調査で過半数の国民が開催延期か中止を希望する中、政府や東京都は実施すると言い続けている。安倍政権から菅政権への政権移譲や都知事選もそうだけれど、現状をリセットしなければならない時に現状維持を選んだ国民に大きな責任があるわけで、今後どうなろうと自己責任と思う。

 確かに都知事は都民が選挙で選んだけれど、自民党総裁は一部の自民党員と議員しか投票権はなく、国民は直接選んでいないというかも知れないが、次の総理に相応しいとの世論調査で数%しか得ていなかった菅氏が、総理になった途端70%もの支持が集まったことで国民にも責任が生じた。総理は国民から信任されたと思ったのだ。

 民主党鳩山政権発足時にも鳩山氏は高い支持率を得たが、その時は衆院選で国民が民主党を選んでいたからまだ分かる。菅氏への支持は、人の好い国民性が丸出しである。そんなことだから、為政者はいろいろ言われても大丈夫と高を括る。

 どんな失政を行って、国民の多数を苦しみの内に殺すことになったとしても、首相が八つ裂きにされる恐れはまずない。韓国の大統領のように任期中の悪事を暴かれて長期間牢獄につながれる心配もない。政権を握れば官僚や側近を怒鳴り倒して好きなように権力を行使し人生を謳歌してOKなのだ。

 文藝春秋7月号によれば、五輪開催にまい進する政府を、太平洋戦争に突き進んだ当時の軍事指導者とダブらせ、思想も哲学も持たないまま決断を下し、国民に犠牲を強いて、無責任な作戦を強行する太平洋戦争以来、日本を蝕む宿痾だと断じている。安倍前首相の五輪1年延期も、「オールジャパンの力を結集すれば、すぐにワクチンができる。1年後にはコロナが収まっている筈です」そこには科学的根拠は一切なかったというもの。

 なにか国家的危機に見舞われた時、つくづく日本は指導者に恵まれないとの嘆き節。(「東京五輪と日本人」池上彰氏/保阪正康氏対談)

 加えて、同誌ではバッハ会長はじめ「IOC貴族に日本は搾取されている」と、ワシントンポスト紙のコラムニストの論評と「バッハ「ぼったくり男爵」の正体」との日本人ジャーナリストの渾身のリポートが続く。

 そして、東京五輪開催を46日後に控えた7日、JOC(日本オリンピック委員会)の幹部が飛び込み自殺――というショッキングなニュースに衝撃が広がった。先月26日に行われた衆院文科委員会では、東京五輪組織委員会が広告代理店に委託している会場運営のディレクターの1日当たりの人件費が35万円と、あまりにも高額だという指摘が野党議員からあったという。さらに今月5日には、会場準備を担当する組織委員会の現役職員がJNNの「報道特集」に出演。会場運営の業務委託を受けた広告代理店に、10~15%の「管理費」を支払うという不透明な金の流れを証言していたという。

 自殺者の動機は今のところ全くの不明なようだが、不祥事があると自殺という犠牲者が出ることは確か。森友学園の悲劇が思い起こされる。以下次号




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