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AIとは何だ 第9回

2018年10月25日 | ブログ
今の人工知能でできること(下)

 現在、世界の自動車メーカーは電気自動車や水素燃料車の開発さらにAIによる自動運転車の開発競争で凌ぎを削っているようだ。

 自動運転と聞くと、鉄道の自動運転化が嚆矢のようで、航空機にしても船舶にしても航行中の多くは自動運転化されているようだ。

 鉄道車両はレール上しか走れないからモニター管理が容易で、これまでの技術で実現可能であったと思われる。現在でも東京の「ゆりかもめ」はじめ地方でも市中を走るモノレールなど自動化されているところは多い。東京の山手線にも自動運転化の計画があるようで、地下鉄も続くのではないか。生産年齢世代の減少が著しいわが国では、路線バスの運転手や貨物トラックの運転手は人手不足が深刻な状況のようだ。貨物輸送なども、倉庫を自動化して高効率化しても配達するトラックの手配が間に合わない。

 AIがそれほど発達していない時点で、そこそこ進展していた乗り物の自動運転化。囲碁や将棋で人間を凌駕したディープラーニングを活用すれば、一般乗用車の実用化も真近い。まずタクシーや貨物トラックの運転手の代替が進めば、人手不足だけでなく、運転手の過労からくる高速道路の追突やタクシー強盗など事故や人が傷つく犯罪の減少にも貢献する。

 自動運転車には4つのレベルがある。レベル1は、加速・操舵・制動のいずれかの操作をシステムが行うもの。レベル2は加速・操舵・制動のうち複数の操作を一度にシステムが行うもの。レベル3は加速・操舵・制動をすべてシステムが行い、システムが要請したときにのみドライバーが対応するもの。レベル4は加速・操舵・制動をすべてシステムが行い、ドライバーが全く関与しないもの。

 自動ブレーキや速度を一定に保つなどはレベル1、高速道路で、車間距離や速度を保つのはレベル2である。レベル3についてもすでに一部実用化されており、レベル4は試験走行の段階ではあるが、技術的には公道を走ることができるレベルに達しているそうだ。

 自動運転技術は、ドローンにも生かされ、その活躍できる領域が、物流や農業だけでなく、治安維持などへも進展するであろう。


本稿は、三津村直貴著「AIビジネス入門」成美堂出版、2017年9月刊を参考にしています。
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