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質管理のための人材育成第1回

2015年04月01日 | ブログ
経営における質の重要性

 『なぜ近年、質問題による不祥事が多発するのか、それは、経営トップに質を重要視する意識が足りないからである。・・・
 ・・・近年多くの企業において質問題が頻発し、消費者や社会を裏切る結果となり、企業の存続すら危ぶまれる事態が発生している。・・・

 経営トップから現場の第一線までが、質を第一とする考え方を実践できる経営体質を確立しなければならない。そのために今一度、質を第一とする人材育成を考えてみたい。・・・』

 これは、2008年9月8日付けで日本規格協会から刊行された、岩崎日出男*1)氏編著「質を第一とする人材育成」(JSQC選書)のまえがき冒頭からの抜粋である。この本が出て、すでに6年以上が経過したけれど、現在においてこのような書物を出版したとしても、冒頭には同じような言葉が並ぶのではないか。

 免震ゴムのデータ偽装が大きな問題になっているし、少し前までは食品異物問題が連日報道されていた。昨年は車のエアバックにおいて最大手社製のエアバックに大量のリコールが出たことも記憶に新しいからである。

 製品にしてもサービスにしても、人から創出される。すなわち、製品やサービスの質は偏に人に依存する。そして企業の質管理は経営トップの仕事なのである。質管理のためには、その人材育成が必須なのである。

 経営学の巨人、あのP.F.ドラッカーはその著書「マネジメント」において、『企業の目的は、顧客の創造である。したがって、企業は二つの、そして二つだけの基本的な機能を持つ。それがマーケティングとイノベーションである。マーケティングとイノベーションだけが成果をもたらす。』と述べているが、マーケティングの4つの要素すなわち4Pと呼ばれるものの第一番目は勿論Product(製品)であり、その質レベルが顧客満足につながり市場を獲得する最大の要素なのである。製品(サービスを含む)が無ければ企業活動は成り立たないのである。

 ここからしばらく、上述したJSQC選書「質を第一とする人材育成」を基に、人材育成について考えたいと思う。



*1)岩崎日出男(1945- )氏、近畿大学理工学部機械工学科名誉教授、2013年デミング賞本賞受賞
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