自由民主党
2001年4月、「自民党をぶっ壊す」と登場した小泉政権発足から8年5カ月、ほんとうに自民党は崩壊した。だから小泉元首相が自民党を壊したのかといえばそれは違う。それは1989年の宇野内閣に遡る。そして極め付けが続く海部内閣。企業でもそうだけれど、世間体が悪くなった創業家が実権を握ったままで社員から社長を立てても、うまくゆかないことと同様である。
それでは自民党の復活はあるのか。惨敗を喫した先の衆院選後に、文藝春秋の「麻生内閣元三閣僚が語る、自民党はぶっ壊れない」を読んでも、自民党総裁選後の河野太郎氏の日経ビジネスの「敗軍の将、兵を語る」を読んでも、新たな希望は湧いて来なかった。有効と思える復活の方策はなかった。
与謝野氏、鳩山邦夫氏そして石破氏の対談でいえば、それぞれに小沢幹事長や鳩山由紀夫首相に深い縁があって、今回の敗戦を心底自らのものと捉えきっていないところがある。外交、安全保障の面での小沢幹事長の危うさを石破氏は突いているけれど、対談の雰囲気として本質的には旧政権と変わらないだろうという楽観論に留まっており大いに食い足らなかった。
河野氏は、小泉政権の中途半端を野次り、小さい政府の徹底を旗印に今後党の再生を図るとの主張であり、党内の長老への批判も厳しい。しかし、長老さえもうまく使える器でなければ、総理総裁には遠いのではないか。そして谷垣総裁後の3年先を狙い、10年後に政権を奪還するという。容易ではない現状把握は良しとしても、この政権の有りようでこの国が10年待ってくれるのだろうか。しかも今さら小さい政府に糖尿病的選挙民がついて来るとも考えにくい。明らかにプロダクトアウトの発想だ。
同床異夢とはよく言ったもので、政権を維持している間は仲間であっても、うまみの消えた政党から離反者が続出しないかも心配である。私は自民党という一政党を心配しているのではない。日本と言うかけがえのない私たちの祖国を他民族に蹂躙されない、国体維持のしっかりした考え方を基本とする政治集団が消滅することを危惧するだけだ。
選挙の前から再三再四政権交代の危険性を指摘してきたけれど、選挙民の多くは中身をよく吟味せずに、兎に角一度変えてみようという意識が先行した。二大政党で政権交代を可能にするとは、政権を盗るまでは主張しながら、それを手にするや二度と返さないように細工をする御仁は、隣国でどんな約束をされているのか。
いずれにしても隣国無くば経済が立ち行かないと考える財界に、野党となった自民党でさえ腰が引けて、そんなことだから宮内庁のルールさえ抑え込もうとする勢力が跋扈する。
いざとなればこの国の指導者層やお金持ちは、庶民を置き去りに海外に移住する心根で当面の諸策をこなし、富に手を染めている風景に見える。
2001年4月、「自民党をぶっ壊す」と登場した小泉政権発足から8年5カ月、ほんとうに自民党は崩壊した。だから小泉元首相が自民党を壊したのかといえばそれは違う。それは1989年の宇野内閣に遡る。そして極め付けが続く海部内閣。企業でもそうだけれど、世間体が悪くなった創業家が実権を握ったままで社員から社長を立てても、うまくゆかないことと同様である。
それでは自民党の復活はあるのか。惨敗を喫した先の衆院選後に、文藝春秋の「麻生内閣元三閣僚が語る、自民党はぶっ壊れない」を読んでも、自民党総裁選後の河野太郎氏の日経ビジネスの「敗軍の将、兵を語る」を読んでも、新たな希望は湧いて来なかった。有効と思える復活の方策はなかった。
与謝野氏、鳩山邦夫氏そして石破氏の対談でいえば、それぞれに小沢幹事長や鳩山由紀夫首相に深い縁があって、今回の敗戦を心底自らのものと捉えきっていないところがある。外交、安全保障の面での小沢幹事長の危うさを石破氏は突いているけれど、対談の雰囲気として本質的には旧政権と変わらないだろうという楽観論に留まっており大いに食い足らなかった。
河野氏は、小泉政権の中途半端を野次り、小さい政府の徹底を旗印に今後党の再生を図るとの主張であり、党内の長老への批判も厳しい。しかし、長老さえもうまく使える器でなければ、総理総裁には遠いのではないか。そして谷垣総裁後の3年先を狙い、10年後に政権を奪還するという。容易ではない現状把握は良しとしても、この政権の有りようでこの国が10年待ってくれるのだろうか。しかも今さら小さい政府に糖尿病的選挙民がついて来るとも考えにくい。明らかにプロダクトアウトの発想だ。
同床異夢とはよく言ったもので、政権を維持している間は仲間であっても、うまみの消えた政党から離反者が続出しないかも心配である。私は自民党という一政党を心配しているのではない。日本と言うかけがえのない私たちの祖国を他民族に蹂躙されない、国体維持のしっかりした考え方を基本とする政治集団が消滅することを危惧するだけだ。
選挙の前から再三再四政権交代の危険性を指摘してきたけれど、選挙民の多くは中身をよく吟味せずに、兎に角一度変えてみようという意識が先行した。二大政党で政権交代を可能にするとは、政権を盗るまでは主張しながら、それを手にするや二度と返さないように細工をする御仁は、隣国でどんな約束をされているのか。
いずれにしても隣国無くば経済が立ち行かないと考える財界に、野党となった自民党でさえ腰が引けて、そんなことだから宮内庁のルールさえ抑え込もうとする勢力が跋扈する。
いざとなればこの国の指導者層やお金持ちは、庶民を置き去りに海外に移住する心根で当面の諸策をこなし、富に手を染めている風景に見える。