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【日本民藝館・古屋真弓1】若者が長蛇の列「アイヌの美しき手仕事」展の仕掛け人が語る民藝の力

2021-04-05 | アイヌ民族関連
ビジネスインサイダー Apr. 05, 2021, 06:30 AM三宅玲子 [ノンフィクションライター]
東京・駒場の東京大学駒場キャンパス近くの静かな住宅街に、存在感のある和風の建物がある。ある週末、この建物をぐるりと取り囲む人の列ができた。2020年11月のことだ。辛抱強く並んでいるのは若者ばかりだ。彼らが待つのは、現代アートでもなければ、ファッションでもライブでもない。
ここは日本民藝館だ。民藝運動を率いた思想家・柳宗悦(1889〜1961)が1936年に設立した。民衆的工藝を略して民藝。日本をはじめ朝鮮半島や中国、欧米などに伝わる美しい工芸品を収集・保管するこの場所で開かれていた展覧会は、「アイヌの美しき手仕事」。
2020年9月15日に開幕すると、じわじわと人気を呼び、約2カ月の会期で1万9000人が来場した。そのうち半分ぐらいが若者だった。過去の展覧会にはあまり見られないことだ。
展示品は、どれもアイヌの人々の暮らしの中で生み出され、愛用されてきた実用の品々だ。男たちが自分で使うために木を掘り、美しい文様を施した煙草入れ。木の繊維で織られた布地にひとさしひとさし刺繍した美しい衣服。刀で削り出し優美な曲線を描く木の器。

展示品の一つ、イラクサ地切伏刺繍衣裳(テタラペ)。樺太アイヌ。日本民藝館蔵
提供:日本民藝館
「一般的に展覧会は開幕してすぐに来場者数が伸び、中だるみの後、閉幕直前に駆け込みの来場者が増えることが多いです。ところが、今回の展覧会は最後までずっとクレッシェンドで増え続けました」
「一般的に展覧会は開幕してすぐに来場者数が伸び、中だるみの後、閉幕直前に駆け込みの来場者が増えることが多いです。ところが、今回の展覧会は最後までずっとクレッシェンドで増え続けました」
学芸員の古屋真弓(46)はこう振り返った。
無作為に来館者に声をかけて、来館のきっかけや民藝への関心がどのくらいあったかを尋ねたところ、初めて来たと話す人が多かったという。その中でも「アイヌの展覧会がきっかけで来た」という声が多く聞かれた。
多くの10代にとって、「民藝」は身近に感じられるものではないだろう。ところが、この展覧会では確実に若い世代に届いた手応えがあったと古屋は言う。
柳宗悦が注目、アイヌの手仕事の美しさ
今からちょうど80年前の1941年、柳宗悦はアイヌの手仕事を紹介する日本で初めての展覧会「アイヌ工藝文化展」を企画した。太平洋戦争が始まる年だ。
現在の北海道が「北海道」という地名になったのは、明治初期。それまでは蝦夷地と呼ばれたこの地には、本州が飛鳥・奈良・平安時代だった時期に「擦文(さつもん)文化」と呼ばれる独自の文化があった。アイヌ文化は日本でいう鎌倉時代に成立したとされ、擦文文化の伝統的な暮らしを受け継いでいるという。狩猟や漁猟を主とするアイヌ民族は近世(江戸時代)には江戸幕府直轄の松前藩などとの交易を行っていた。明治期、明治政府の推し進めた同化政策により、アイヌ民族は自分たちの生活習慣や言葉、文化を奪われる。
そのアイヌの手仕事の美しさや、自然と調和した暮らし方、自然と信仰との関係に民藝の視座から着眼したのが柳宗悦だった。
柳宗悦は次のように記した。
<アイヌの工藝は手先だけの業ではない。頭だけの巧策絵はない。彼らの信仰に色付けられた仕事である。信仰の意味を有(も)たなくして仕事はしない。之(これ)がどんなに美に影響するであろう。いわば信が産む美だと云っていい。之が美しさを純粋なものにさせる。>(『工藝』106号 ・1941年)※読み仮名は編注
今回の企画展では、1941年当時の展覧会で展示を担当した芹沢銈介のスタイルを一部再現。ガラス越しではなく、何にも覆われずに展示された作品を見ることができるようにした。
さらに古屋はそのエリア限定で撮影可にしてはどうかと考えた。
同館の館長を務めるプロダクトデザイナーの深澤直人(65)に相談したところ、同意を得た。展覧会場の一部を撮影可にしたのは、日本民藝館では今回が初めてだ。
会期前にインスタグラムの日本民藝館公式アカウントで告知すると、反響が大きく、人気が出ることを予感した。
開幕後は来場者の撮った写真がSNSで次々にアップされ、シェアやリツイートが繰り返された。来場者数は日を追うごとに増えた。展覧会の終盤には週末ともなると入館を待つ人たちで列ができた。
歴史や政治超える民藝の力
柳宗悦は著書『民藝とは何か』(1941年刊)で民藝についてこう述べている。
<民藝品は民間から生まれ、主に民間で使われるもの。したがって作者は無名の職人であり(中略)、用いられる場所も多くは家族の住む居間やまた台所。>
<姿も質素であり頑丈であり、形も模型もしたがって単純になります。作る折の心の状態も極めて無心なのです。>
<材料は天然物であり、それも多くはその土地の物質なのです。目的も皆実用品で直接日々の生活に必要なものばかりなのです。>
作家が個性を研ぎ澄ませる作品に対し、民藝はその土地で長年受け継がれてきた生活のための道具だ。無名の職人たちが受け継ぎ伝えてきた道具は、その土地でとれた材料で、ときには使い勝手を求めて改良を重ね、これが必然だという形にたどり着いている。木や土、紙など、自然の素材からはぬくもりが伝わってくる。
風土に根ざした生活の美に柳宗悦が開眼したのは、朝鮮陶磁器との出合いがきっかけだった。1910年の日本政府による韓国併合の数年後、知人からお土産にともたらされた朝鮮の面取壺に魅了された。以後、足しげく朝鮮半島へ通い、現地で反日独立運動(1919年 3・1運動)が勃発した際には支配される側に立ち、自国の植民地政策を批判したことが知られている。
「明治維新以降、西洋の価値観を積極的に取り入れ、アジアの周辺国の植民地化を進めていた当時、柳宗悦は勇敢だったと思います」
柳について古屋はこう指摘した。
沖縄やアイヌ、統治下にあった台湾をはじめ、その土地の風土を生かし伝統に根ざした工芸の美の収集に力を入れ、民藝の思想を深めた。共鳴する仲間を得てつくったのが日本民藝館だ。
民藝運動の先駆者が見出したアイヌの手仕事の美に、80年後の若者たちが目を見張り、心を動かされた。
「美しいということは強いなと思います。アイヌの歴史や政治の問題からのアプローチでは頭に入りにくくても、美しい手仕事は見る人の心を深く動かし、忘れられない記憶として残るのではないでしょうか」
民藝の根本は「世界平和」
古屋真弓 経歴
民藝の意味は、ものそのものの美しさにとどまらず、それを生み出し、それを使って暮らす人たちを認めるということにつながっていく。それが民藝の本髄ではないかと古屋は言う。
「民族それぞれに素晴らしいものを持っていて、それぞれの民族が素晴らしい。そして自分たちも誇りを持つということ。他者を認めるということが民藝の根本にはあると思います」
これは大きく言えば世界平和なんです、と古屋は続けた。
「アイヌ工芸のすごくいい展覧会を見たなという記憶や、美しい衣装への感動が心に残っていれば、アイヌ関連のニュースを見たときに、アイヌが直面する問題は他人事ではなくなるでしょう。展覧会で心を動かされたという体験がいつかそんなふうにつながっていけばいいなと思います」
展覧会の準備期間には、作品調査のために北海道から研究員のグループが訪れた。古屋が収蔵室から日本民藝館のコレクションをひとつひとつ取り出して見せると、そのたびに研究員たちから歓声が上がった。アイヌの手仕事を敬愛する研究員たちの姿に胸があたたかくなる思いがしたという。
古屋が日本民藝館を初めて訪れたのは18歳、高校3年生のときだ。「わたし、ここが好き!」と直感した。それ以来、古屋にとっていつも民藝は生活における大切な価値観になった。それから日本民藝館の学芸員になるまでには、暮らしの中の民藝を実体験する海外での生活があった。
(敬称略、明日に続く)
(文・三宅玲子、写真・伊藤圭、デザイン・星野美緒)
https://www.businessinsider.jp/post-232141

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解説冊子「春採湖」 35年ぶり改訂版発売 釧路市立博物館

2021-04-05 | アイヌ民族関連
北海道新聞 04/04 12:53
 釧路市立博物館は、1986年に発行された解説冊子「春採湖」の改訂版を新たに発売した。地質や歴史、動植物など幅広いテーマで湖を紹介している。
 春採湖は釧路市の中心部から東に約2キロの場所にある海跡湖。周囲4・7キロ、面積は36・1ヘクタールで、最も深い部分で水深約5メートル。
 冊子はA5判36ページのカラー刷り。湖とアイヌ民族との関わり、観察できる野鳥や動植物、湖畔沿いを走った石炭列車、周辺の散策マップなどについて、最新情報を加えてまとめた。
 同館学芸員や大学の専門家などが執筆した。対象は中学生以上で、専門用語をなるべく使わず、わかりやすい表現を心がけたという。編著者で、同館学芸員の貞國利夫さんは「春採湖の入門書として最適。湖のさまざまな魅力を知ることがきる」と話す。400円。同館の窓口で販売している。(今井裕紀)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/529469

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差別発言 止まらぬ理由 志子田徹

2021-04-05 | アイヌ民族関連
北海道新聞 04/04 10:50
 女性蔑視に容姿の侮辱、さらにはアイヌ民族への差別―。最近、差別発言が立て続けに問題になっている。
 論点は数多くあるが、ここで考えたいのは発言をした後の対応についてだ。
 例えば、東京五輪・パラリンピック組織委員会会長だった森喜朗氏の女性差別発言。森氏は「不適切な発言」で迷惑を掛けたと陳謝し、辞任した。
 ところが、発言内容については「解釈の仕方」であり「女性を蔑視する気持ちは毛頭ない」と主張した。発言が女性差別だったとの認識は示さず、不適切という表現でごまかしたように感じられた。
 もう一つ、日本テレビ系列の情報番組「スッキリ」におけるアイヌ民族への差別発言。日本テレビは「アイヌの方たちを傷つける不適切な表現だった」と謝罪し、研修を行って再発防止策をまとめるとした。
 傷つけたことが不適切だったと説明したが、やはり差別発言とは言わなかった。発言内容がどう間違っていたから傷つけたのか、分からない。
 両者とも差別発言と認めないまま、終わらせてしまったように見える。これではあいまいに過ぎないか。また差別発言をする人が出るのではないか。
 差別は無知からくる。マイノリティーの歴史を学び、理解を深めることが決定的に重要だ。
 しかし森氏らの差別発言や事後の対応を見ていると、学習だけでは何か足りない気がする。
 「レイシズムとは何か」(ちくま新書)の著者、梁英聖(リャンヨンソン)さん(38)に聞いた。一橋大大学院で差別を研究しており、差別の実態調査や被害相談を担うNGO「反レイシズム情報センター」の代表を務めている。レイシズムとは人種差別の意味だ。
 「差別発言が繰り返されるのは、差別する側、つまり差別の加害者を縛る社会規範がないからです」。梁さんは断言した。
 どういうことか。
 日本で差別に反対するときの理由は、差別される当事者に依存しているのが現実だ。差別された被害者が「傷ついた」「反対している」ことが、差別反対を訴える際の根拠になる。
 これだけでは不十分だ。社会正義の観点から許容されないことを明確にするため、差別の定義が必要である。それを社会が共有して、差別か否かの判別基準にしなければならない。
 「モノサシがあればルール違反をしたかどうか見分けることができ、差別の加害者は言い逃れができなくなります」と梁さんは強調した。日本に欠けているのは差別禁止のルールだ。
 欧米各国は人種差別や性差別を禁止する法律をつくっており、日本の遅れは際立つ。例えば人種差別撤廃条約は国連で1965年に採択されたが、日本の加盟は30年後。条約が求める差別禁止法はいまだにない。
 各国とも反対論は根強かったが、社会運動を経て法制化に踏み切った。代表的なのは50~60年代に米国で展開された黒人差別撤廃を訴える公民権運動で、人種差別を禁じる法律の制定を実現させた。
 運動を率いたマーチン・ルーサー・キング牧師は53年前のきょう、志半ばで暗殺された。米国の差別は今なお根深く、黒人への暴力事件が相次ぎ、最近はコロナ禍でアジア系市民への暴力も急増している。一方でキング牧師の志を受け継ぎ、人種平等を求めて差別と闘う人も多い。
 いきなり法律ではなくてもいい。許容できないことはあいまいにせず、差別であるとしっかり指摘していく。差別禁止のルール化に向け、身近なところから粘り強く取り組むしかない。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/529447

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『スッキリ』での「アイヌ差別発言」、日テレが隠し続ける「当日の台本」の中身

2021-04-05 | アイヌ民族関連
週刊現代 2021.04.04
政府からも厳重な抗議が…
3月12日に放送された日テレの情報番組『スッキリ』で、アイヌ民族を傷つける表現が放映されたことが、局内外で大騒動となっている。
アイヌの女性を取り上げたドキュメンタリー作品の紹介を受け、芸人の脳みそ夫が「この作品とかけまして動物を見つけた時ととく。その心は、あ、犬」と発言したのだ。
放送直後から局にはクレームが殺到し、政府からも厳重な抗議が来るほどに事態は発展した。脳みそ夫も「勉強不足を痛感」とSNSに直筆文書を公開して謝罪した。
一連の流れを受けて、日テレに不信感を抱く番組関係者は多い。
「実は、問題となった台詞はすべて、番組の担当ディレクターの女性が考えました。最近までADだった番組制作会社の若手です。
台本の中身を見た脳みそ夫は懸念を示していたので、彼女は収録前に社員のAプロデューサーに連絡をして判断を仰ぎました。しかし、A氏は何の対応も取らなかった。結果的に脳みそ夫だけが叩かれてしまった。いまも局は『差別発言』に台本があったことを隠し続けています」(同)
A氏に差別発言の「舞台裏」について聞くも「お話しできません」の一点張り。脳みそ夫の所属事務所「タイタン」は「こうした対応は日本テレビさんが引き受けてくれると、申し出を頂いております」と答えた。
当の日テレ広報部は取材にこう回答した。
「演出については、制作担当者と出演者の間で話し合いながら最終的な内容を決めていきます。最終的な放送責任はすべて日本テレビにあります」
その「話し合い」の内容を詳らかにしなければ、事態は収束しないだろう。
『週刊現代』2021年4月3日号より
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/81819

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今なお無視され続ける カナダ先住民ジェノサイド問題

2021-04-05 | 先住民族関連
CRI 2021-04-04 16:31
 カナダの歴史学者テイラー・ノークス氏は先日、カナダ紙『ナショナル・ポスト』に寄稿し、先住民問題におけるカナダ国内の誤った見方を批判し、先住民に対するジェノサイドが存在することを指摘しました。「コンラッド・ブラックへの回答:先住民に関する歴史上無視できない不快な事実」と題されたこの文章で、ノークス氏は「研究によれば、ヨーロッパの植民者がカナダを占領する以前に、先住民たちはすでに独自の歴史ある文明を有していた。だが、多くのカナダ人は自身の文化と社会制度の方が優れているとこだわり、先住民たちを『下等な人間』と見なし、考えを押しつけていた」と明かしました。
 2019年、カナダ先住民族の女性・女児の殺害と行方不明に関する調査委員会(MMIWG)はトルドー首相に『カナダ先住民族女性の殺害・行方不明に関する調査報告』を提出しました。1200ページにわたるこの調査報告は、1980~2015年だけで先住民族女性と少女が数千人単位で行方不明になるか殺害されていることを指摘し、「彼女たちは『カナダのジェノサイドの犠牲』であり、このことはカナダの『頑固な植民主義』を反映している」と示しました。また、約2000人の証言の録音が、カナダの先住民に対するジェノサイド問題が長期的に存在していることを証明しました。
 2019年6月、国連人権理事会はカナダ政府に先住民に対するジェノサイド問題を調査するよう促しました。
 残念なことに、カナダ政府が国内のジェノサイド問題を反省する姿は、現在に至ってもなお国際社会に示されていません。(怡康、謙)
http://japanese.cri.cn/20210404/a9c14058-1875-9f35-f9e4-ff80bae99bcf.html

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P&G「オールドスパイス」、初の理髪店をオハイオ州に開店

2021-04-05 | 先住民族関連
DIGIDAY 4/4(日) 18:11
P&Gの歴史ある男性用デオドラントブランド「オールドスパイス」がリーチ拡大のため、小売拠点を兼ねた理髪店をオハイオ州コロンバスに開店する。
同ブランドはD2CのECチャネルを運営しているが、実店舗を持つのは今回が初めて。店舗はオハイオ州立大学からほど近いショッピング街に位置しており、木製ボートの形をした受付カウンターや髪型の3Dモデルなど、インスタ映えしそうな要素も豊富だ。
理髪店と小売スペースのほかには、顧客がデジタルコンテンツをその場で制作して、ソーシャルメディアでシェアできるスタジオも設置。著名な理容師やその顧客であるセレブリティを招き、ソーシャルメディア用のコンテンツ撮影や、交流会を催すことも可能だ。オールドスパイスのヘアケア製品のブランドディレクター、レイフ・エドガー氏によると、12カ月間で5万人を店舗に迎えることを目標に掲げているという。
「企業色を前面に出した、息苦しい場にはしたくない。我々の製品をただ売るだけでなく、リテールの視点に立ち、ライフスタイルブランドがよく実施するような一度限りのコラボレーションや限定販売などに、店舗を活用していく計画だ」。
ここに出店した、さまざまな理由
コンテンツ制作と商品プロモーションが主な目的であるため、オールドスパイスは店舗でどれだけ多くのコンテンツを、いかに早く作れるかに重点を置いている。こうすることで、小売パートナー(たとえばウォルマート)が独自のデジタルチャネルでのプロモーションに使うための、タイムリーかつ新しいブランデッドコンテンツへのニーズも満たすことができる。
だが旗艦店の設置という物理的な側面には、ソーシャルメディア以外にもさまざまな活用方法を見出せる。同社が店舗の場所をここに選んだのは、若い男子大学生が集まる場所に近く、多種多様な人々が地域に暮らしていることが主な理由だ。オハイオ州立大学によると、同大学の学生の24%はBIPOC(黒人、先住民族、有色人種)だという。より進歩的な考え方の若年層に訴求するため、オールドスパイスは昨年1月に、有名な2010年のテレビCMを刷新した。
「この旗艦店が成功すれば、ほかのマーケットや都市にも理髪店を拡大する可能性が見えてくる。人口規模が同じくらいの都市や、主要な学園都市を検討している」とエドガー氏は語る。
エドガー氏は、リース料や店舗設計にかかった費用を明らかにしていないが、店舗の近隣にある商業施設は1平方フィートあたり38ドル(約4170円:本稿執筆時点)だと宣伝されていたため、旗艦店のリース料は年間13万3000ドル(1459万円)ほどだと推計できる。
将来的には理髪店のコンセプトを再構築し、小売パートナーとショップ・イン・ショップ(店舗内に別の店舗が出店する)で提携するようなことも考えられるとエドガー氏は展望を語る。すでにアルタ(Ulta)はこの店舗で、女性向けのスタイリングサービスを提供している。
「この旗艦店と何を結び付けたいか」
「小売業のトランザクションの部分は効率化が進み、人々がオンラインで購入し、柔軟なフルフィルメント(商品注文から配送完了まで)を利用することが快適になった。このことによって、空間の活用方法をもっと掘り下げて考えることができるようになる」と、ザ・ライオネスク・グループ(The Lionesque Group)のCEO兼チーフストラテジストのメリッサ・ゴンザレス氏は語る。
「長期間にわたって展開するならば、オールドスパイスはこの旗艦店と何を結び付けたいかという点で、戦略的でなければならない」と、小売コンサルティング会社ポップ・アップ・モブ(Pop Up Mob)の共同創立者、アナ・ペルカルテ氏は語る。「開店当初は物珍しさもあって楽しんでもらえるが、数カ月も経てば飽きられてしまう。同じ体験を、年間を通して提供することはできない」。
店が一般向けに公開される3月1日までは、ソフトオープンとして営業。年間5万人の来店を目指すということは、1日当たり136人という計算になるため、COVID-19対策にも注意を払う必要がある。8つの理容椅子は6フィート(約1.8メートル)間隔で設置し、空気清浄システムも導入した。現時点では大々的な来店促進策を展開していないが、「日常に戻れば」交流イベントやメディアエンゲージメントを行うマーケティングハブとなるだろう。また、オハイオ州コロンバス地域の男性の8割にリーチすることが目標であるとも、エドガー氏は述べた。
[原文:Old Spice opens first flagship barbershop, in Ohio]
EMMA SANDLER(翻訳:田崎亮子/編集:長田真)
Courtesy of Old Spice
https://news.yahoo.co.jp/articles/98ba3b1ae3012a4d0b3ffa3172bd5073a40dbd57

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日本の気候変動対策に欠けているもの   ―我々は若者の声に学べるか

2021-04-05 | 先住民族関連
ヤフーニュース 4/5(月) 7:05 江守正多 | 国立環境研究所 地球システム領域 副領域長
昨年10月、菅首相が2050年までに温室効果ガス排出実質ゼロの脱炭素社会を目指すことを宣言して以来、日本でも脱炭素化に向けた気候変動対策の議論が急速に進んでいる。
政府は複数の審議会の議論を通じてエネルギー基本計画や2030年排出削減目標(NDC)の見直しを急ぐ。多くの企業や自治体も次々に2050年の脱炭素化を宣言し、行動計画などを作成・公表し始めている。
外交日程も目白押しだ。今月16日には日米首脳会談、同22~23日には米大統領主催の気候サミット、6月にG7、10月にG20、そして11月に国連のCOP26があり、その都度に日本の本気度が世界から問われることになる。
未だに保守的な勢力との綱引きが多少はあるものの、日本でも多くの主体が脱炭素化に本気になってきたようにみえる。しかし、筆者にはそこに肝心なものが欠けているように思えてならない。
若者が指摘した「静かな暴力」
先日、それを鋭く指摘されたと感じた場面があった。
気候変動対策を検討する審議会の一つである、中央環境審議会と産業構造審議会の合同会合の第3回が2月26日にオンラインで開催され、筆者も委員として出席した。この回の主な議題は「将来世代からのヒアリング」であった(この議題は画期的である)。
気候変動問題等に関する活動を行う高校生や大学生のyouth(若者)世代3団体、Climate Youth Japan、Fridays for Future Japan(FFFJ)、Japan Youth Platform for Sustainabilityから意見を聞いた。
どの団体の発表も意義深いと感じるものだったが、ここでは特にFFFJの発表を取り上げたい。
らが明確に主張したのは「気候正義」(Climate Justice)であった。彼らの一人は「気候変動に加担していない人々が最も影響を受ける不条理」への憤りを感じたことから声を上げ始めたという。
すなわち、気候変動で激化する災害により生活の基盤を失い難民化する発展途上国の人々は、我々に比べてほとんどCO2を排出していない。CO2を排出しながら暮らす先進国の我々の生活は、彼らの犠牲の上に成り立っているというのである。FFFJはこれを「静かな暴力」と呼んだ。
同様な格差の構造は、一国内での所得水準や性別の違いによっても生じる。例えば貧しい人や女性ほど災害時に被害を受けやすいからだ。
そして、FFFJの彼ら自身が直面するのが世代の違いによる格差である。気候変動でより深刻な被害を受けるのは将来世代であるにもかかわらず、対策の意思決定は上の世代によって行われている。
我々の多くは、これらの格差構造から恩恵を受け、自分が他者に対して振るう「静かな暴力」から目を背け続けている。
FFFJの若者たちは、このことをえぐるように指摘した。
気候正義の専門家の見解
この考え方は始めて聞く人にも理解しやすいものだと思うが、これを「気候正義」と呼ぶことについては少し注釈が必要かもしれない。
日本語で「正義」というと「正義の味方」を思い浮かべ、反対語は「悪」であり、絶対的で排他的な正しさが主張されていると感じる人が多いのではないか。
しかし、英語のjusticeは、just、つまり丁度よいことが語源で、裁判で量刑が丁度よく決められるように、釣り合いの取れた正しさを指す。日本語では「公正」と訳す方が理解しやすいかもしれない。ちなみにjusticeを「正義」と訳す場合、反対語は「悪」ではなく「不正義」(injustice)である。
正義は本来、倫理学や哲学の概念であり、筆者にはこれ以上の解説はできないので、法哲学の専門家で編著書に『気候正義 地球温暖化に立ち向かう規範理論』のある、京都大学の宇佐美誠教授に、今回のFFFJの発表についてコメントを頂いた。
環境省と経産省の審議会の合同部会におけるFFFJの発表を閲覧し、大いに説得力を感じた。
特に注目されるのは、気候変動のインパクトが2つの意味で不平等に表れることを強調している点である。
若年層は壮年層・老年層よりも、また将来世代は現在世代よりも深刻なインパクトを受けるだろうことについては、最近には社会的認知が広がりつつあるように見受けられる。
他方、同一世代内でも、家父長制的社会での女性や、社会を問わず低所得層・先住民族など、社会的経済的に不利な人々が、気候変動のインパクトを集中的に受けつつあり、今後はいっそう受けるだろうという傾向は、日本ではいまなお知られていない。
これら2つの意味での不平等を正面から受け止め、事態の改善をめざす際の理念が、〈気候正義〉に他ならない。
これを訴えるFFFJの主張に、大人世代は真摯に耳を傾けるべきだろう。
(京都大学 大学院地球環境学堂 宇佐美 誠)
FFFJの主張の意義が専門家からも裏付けされたといえるだろう。
海外と日本の認識の隔たり
このClimate Justiceという言葉は、パリ協定の条文の前文にも登場する。
アイルランド元大統領のメアリー・ロビンソンはClimate Justiceの唱道者としてよく知られている。
そして何よりも今のタイミングで重要なのは、同様の概念である"Environmental Justuce"(環境正義)を、米国のバイデン政権が大きく掲げていることだろう。
バイデンとハリスは大統領選期間中から、企業による乱開発や汚染に長く苦しんできた貧困地域、有色人種、先住民族などへの不正義を是正するという環境正義の公約を掲げてきた。公約には気候正義もセットで登場する。バイデン政権は司法省内に「環境・気候正義部門」を設置して汚染企業への住民の訴訟を支援するとともに、連邦政府全体で環境・気候正義に優先的に取り組む方針である。
このように、気候正義は欧米ではかなりメジャーな概念であるが、日本では若者や環境NGOの主張の中でしか耳にすることがない。
日本で脱炭素に取り組む動機は、企業においても政府の産業政策においても金融やサプライチェーンなどの外圧の影響が大きいようにみえるし、自主的な動機を挙げたとしても自身への異常気象被害への危機感が主なものだろう(それももちろん大事だが)。世界の脱炭素化が必要な理由を問われたときに気候正義を挙げられる人は、日本の政治や企業のリーダーにほとんどいないのではないか。
気候正義をどれだけ重視するかは各人の価値観や信条によるとしても、少なくともそのような議論についての理解がなければ、欧米のリーダーからは脱炭素化の理念の底の浅さを見透かされてしまうおそれがあると思う。
日本の外務省がこのことを理解していないはずはないので、おそらく菅首相は16日の日米首脳会談で、環境正義や気候正義を口にするだろう。そうであるならば、菅首相や小泉気候変動担当相が、ぜひご自身の言葉で、気候正義についてのお考えを国内外に発信してくださることを切に願う。
若者の声に謙虚に学べるかが問われている
審議会での将来世代からのヒアリングに話を戻そう。当日は最初に事務局(環境省)から温室効果ガス排出の現状等についての説明があり、続いて上述の若者3団体の発表があった後、委員が意見を一巡述べた。
少なくない委員が若者に発表への感謝を伝え、若者に質問する委員もいたが、「静かな暴力」といった彼らの主張の核心を正面から受け止めた応答は委員からほとんど聞かれなかった。若者の意見に全く言及しない委員もいた。
最後に、3団体の若者が委員からの質問に応答したが、途中で事務局の通信トラブルがあったり割当時間を超過して発言した委員が多かったために会議の残り時間は短く、彼らは急かされて話した。(時間が足りないのは彼らのせいではなく、ここにも小さな不正義の構造がみられた)
審議会でのFFFJの委員への発表(FFFJ YouTubeチャンネルより)
後日、FFFJは彼らのウェブサイトに審議会への提言を発表した。要点は以下のとおりである。
現状の審議会は各委員が一方的にポジショントークをする場になっている。双方向的に議論するプロセスが必要。
審議会の委員に倫理的な分野の専門家が必要。また、当事者である若者の継続的な参画が必要。
環境省と経産省の省益のすり合わせでなく、省庁を超えたビジョンや問題意識の共有が必要。
複数の審議会間の関連性が国民にとってわかりにくい。政策決定プロセスの可視化が必要。
筆者はどの点にも首がもげるほど同意する。特に1は「王様は裸じゃないか」と指摘された気分だ。審議会はこういうものだから仕方がないと思っていた自分が恥ずかしく感じられる。
さらにFFFJは、当日の各委員の発言に対するコメントを発表している。委員の中には、若者の発表を上から目線で論評した人もいだだろう。しかし、これを見ると逆で、各委員がその発言を彼ら若者をはじめ関心のある国民の目から厳しく評価される立場にあることを思い知らされる。
彼らの声に対して、プライドを取り繕うために無視したりマウントを取り返しに行くのではなく、自分たちが学ぶ機会ととらえて謙虚に耳を傾ける関係者が多く現れることを願う。
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最後に少し先回りして論じておくが、FFFJのような倫理的な主張に対して、ネット上では冷笑的な反応が多いだろう。
「誰かの犠牲の上に成り立つ生活が嫌なら、原始人みたいに生活して下さい」というような反応がきっとたくさんある。
確かに、気候変動に限らず、我々の社会は様々な格差構造の上に成り立っており、それをすべて解消しようとするのは理想主義的に過ぎるのかもしれない。
しかし、だからといって現実を受け入れて諦めましょうというのは、古い常識にとらわれた考え方だと思う。我々は少なくとも、格差が一つ一つ是正されていく社会の変化を望むことができる。
特に気候変動の場合は、それを止めることが格差の是正につながると同時に人類全体にとっての安全保障でもあり、かつ出口の方向性(=社会の脱炭素化)が見えている。出口を目指すことが既に世界のトレンドにもなっている。
人類は奴隷制も植民地主義も卒業したのだから、化石燃料文明も卒業するに違いないと筆者は信じている。
若者は臆することなく倫理的な主張をしてほしい。
きっと時代が後からついてくるのだから。
(本稿で紹介した2021年2月26日(金)開催「中央環境審議会地球環境部会中長期の気候変動対策検討小委員会・産業構造審議会産業技術環境分科会地球環境小委員会地球温暖化対策検討ワーキンググループ合同会合(第3回)」のYouTubeライブ配信の録画は全体をこちらからご欄頂けますが、議事録公開時点で削除される見込みです。それ以降はこちらから議事録をご覧ください。)
https://news.yahoo.co.jp/byline/emoriseita/20210405-00230790/

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【名作揃い】歴代の「マンガ大賞」でアニメ化した作品は? 「ゴールデンカムイ」「BEASTARS」ほか6作品を紹介

2021-04-05 | アイヌ民族関連
アニメアニメ 2021/04/04 18:00
2021年3月に発表された「マンガ大賞」。ノミネートは2008年より始まり、今年で14回目を迎えました。本稿では、そんな多くの話題作がノミネートされてきた「マンガ大賞」の大賞受賞作のなかで、“アニメ化された作品”をピックアップしてご紹介します。
■2009年受賞「ちはやふる」
2008年から「BE・LOVE」(講談社)にて連載中の、末次由紀先生よる“百人一首競技かるた”を題材とした作品。一見、かるたと聞くと地味に感じますが、物語は文化系らしからぬスポ根のような熱い戦いが繰り広げられます。競技以外にも、キャラクターの成長や友情、恋愛が丁寧に描かれており、読者の胸を高鳴らせます。
元々、掲載誌のターゲットは20〜30代女性が中心でしたが、読者層は小中高生、さらに男性読者も含むほど拡大。また、競技かるた大会の観客数や、かるた教室に通い始める人が増えるなど、かるたブームにも貢献しました。
アニメは2011年に始まり、2021年現在まで第3期まで放送されました。監督は浅香守生さん、制作はマッドハウス。声優を担当したのは、瀬戸麻沙美さん、宮野真守さん、細谷佳正さんら。
2016年には、広瀬すずさん、野村周平さん、新田真剣佑さんらが出演した実写映画も公開されました。
■2011年受賞「3月のライオン」
2007年より「ヤングアニマル」(白泉社)より連載を開始した“将棋”マンガ。作者は多数メディア化も果たした『ハチミツとクローバー』の羽海野チカ先生です。
棋士・先崎学さんが監修を行っている本格的な将棋マンガですが、知識がまったくなくても惹き込まれていくドラマ性があります。17歳の若手プロ棋士である主人公・桐山零をはじめ、零に優しく寄り添う3姉妹、個性豊かな棋士たちの心理描写が緻密に表現されています。
アニメは2016年から2018年にわたり、第2クールまで放送されました。零役を演じたのは、河西健吾さん。そのほか、茅野愛衣さん、花澤香菜さん、久野美咲さん、岡本信彦さんらが出演しています。
監督は新房昭之さん、制作はシャフト。主題歌はBUMP OF CHICKEN、YUKI、UNISON SQUARE GARDEN、米津玄師など人気アーティストが担当しているのも注目です。
また、2017年には主演・神木隆之介さんによる実写映画も公開。零が対戦する棋士には、染谷将太さん、高橋一生さん、中村倫也さん、佐々木蔵之介さんら豪華キャストが揃い話題になりました。
■2012年受賞「銀の匙 Silver Spoon」
本作は『鋼の錬金術師』『アルスラーン戦記』などで知られる荒川弘先生による農業高校を舞台としたマンガ。2011年〜2019年に「週刊少年サンデー」(小学館)にて連載、アニメ化とともに実写映画化もされました。
父親への反発から、目的も将来の夢も持たず農業高校へと進学した八軒勇吾。そこで彼が出会うのは、将来のビジョンを掲げ入学した個性的な仲間たち。八軒は慣れない農業にとまどい、悩みながらも彼らとともに「育てること」「食べること」「生きること」を体験していきます。
ギャグ要素を交えた学園青春ものでありながら、農産業の“現実”を知り、“命をいただく”ことをあらためて考えさせられる作品です。
アニメは2013年〜2014年に第2期まで放送。監督は伊藤智彦さん(第1期)、出合小都美さん(第2期)、制作はA-1 Picturesが担当しました。
主人公・八軒は、アニメ版では木村良平さん、2014年公開の映画版ではSexy Zoneの中島健人さんが演じました。
■2016年受賞「ゴールデンカムイ」
本作は野田サトル先生による、明治末期の北海道を舞台にした冒険活劇。
2014年から「週刊ヤングジャンプ」(集英社)にて連載を開始し既刊25巻、累計発行部数は1500万部を突破しました(2021年3月時点)。
物語は、元陸軍兵で“不死身の男”と呼ばれる杉元佐一、アイヌの少女・アシリパらが、金塊を巡りさまざまな勢力と戦っていく様子が描かれます。
金塊の在り処の鍵となるのは、網走監獄から脱獄した囚人たち。さぞ極悪非道な人物……と思いきや、その残虐性に相対するヤバい性癖を持った輩ばかり。快楽殺人者、カニバリズム、獣姦……彼らのストーリーは、読者に鮮烈な印象を焼き付け、二度と忘れることはできません。
変態たちとの生死をかけた緊迫のバトルアクションも盛り上がりますが、綿密に取材されたアイヌ文化も見どころのひとつ。北海道の雄大な自然のなかでの狩猟、解体、調理シーンも含む食事は、おいしそうでありながら“自然界の摂理”を実感します。
2018年よりアニメ放送が開始、2020年には第3シリーズが制作されました。声優は小林親弘さん、白石晴香さん、伊藤健太郎さん、津田健次郎さん、細谷佳正さんらが出演。監督は難波日登志さん、制作をジェノススタジオが務めています。
■2018年受賞「BEASTARS」
2016年〜2020年に「週刊少年チャンピオン」(秋田書店)にて連載された、板垣巴留先生による“動物”擬人化作品です。
物語の舞台は、肉食獣と草食獣が共存する世界。しかし、主人公のハイイロオオカミの少年・レゴシの通う学園内では「食殺事件」が起こります。さらに、彼は肉食獣であるにも関わらず、草食獣のウサギの女の子に恋をしてしまいます。
絵はデフォルメが薄味でリアルに近い容姿の動物たちが喋るため、独特な雰囲気を感じます。ですが、描かれていく彼らの悩みや葛藤、もがく姿など、私たちと変わらない群像劇に共鳴していってしまいます。
さらに「食うか、食われるか」という動物界最大の“掟”を根底に進むストーリーは、生々しい“生”を帯びています。
2019年に監督・松見真一さん、制作・オレンジによりアニメ化。キャストは小林親弘さん、小野友樹さん、千本木彩花さんら。2021年1月〜3月には第2期も放送されました。
■2019年受賞「彼方のアストラ」
本作は2016〜2017年にWEBサイト「少年ジャンプ+」に掲載された、篠原健太先生によるSFストーリー。
近未来、惑星へキャンプに出かけた高校生が、事故により宇宙空間で遭難。宇宙船のエネルギーや食料はいつまで持つのか、事故を故意的に起こした犯人は誰なのか……。学園コメディ『SKET DANCE』で知られる篠原先生が描く、サバイバルやミステリーも含んだ本格SFということで、驚いた読者も多かったようです。
コミックス全5巻と短い物語ですが、伏線が多数散りばめられており、結末に向けて繋がっていく真実に、読後は爽快感にあふれます。もちろんギャグもしっかり詰まっています。
アニメは監督を安藤正臣さん、制作はLercheが手掛け、2019年に放送されました。
声優は細谷佳正さん、水瀬いのりさん、島崎信長さん、黒沢ともよさん、早見沙織さん、内山昂輝さんらが名を連ねています。
◇◇◇
このほかにも、2020年大賞の『ブルーピリオド』(著:山口つばさ)も2021年にアニメ化が決定。総監督を舛成孝二さん、監督を浅野勝也さん、シリーズ構成・脚本を吉田玲子さん、キャラクターデザインを下谷智之さん、そしてアニメーション制作をSeven Arcsが担当します。
今期放送の春アニメでもノミネート作品が多数あります。
2011年 9位『ましろのおと』(著:羅川真里茂)
2015年 8位『僕のヒーローアカデミア(第5期)』(著:堀越耕平)
2018年 5位『不滅のあなたへ』(著:大今良時)
そして、2021年大賞は『葬送のフリーレン』(原作:山田鐘人、作画:アベツカサ)に決定。発表後の反響は大きく、SNSでは読者の喜びの声もあふれました。コミックスは第4巻が発売となったばかりで(2021年3月現在)、今後の物語の展開にも期待が高まります。
以上、「マンガ大賞」受賞の作品をご紹介しました。
ぜひ、気になる作品がありましたら、チェックしてみてください。
https://news.goo.ne.jp/article/animeanime/entertainment/animeanime-60568.html

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先住民族の4歳の自閉症少女、24時間行方不明

2021-04-05 | 先住民族関連
日豪プレス 2021年4月4日
若者の夢で地元民が捜索、木陰に子犬と発見
 NTのシンプソン砂漠に位置する先住民族アボリジニのコミュニティで4歳の少女が行方不明になった。警察の空陸の必死の捜索にもかかわらず少女は発見されなかった。しかし、コミュニティの青年が夢を見たと語り、夢で見た風景をたどって、行方不明になって以来24時間ほどで少女と子犬を無事発見した。
 ABC放送(電子版)が伝えた。
 家族は、必ず見つけ出すという努力と土地勘が役に立ったと語っている。
 4月2日午後2時頃、アリススプリングスから約100km南のチジカラ・コミュニティの近くの集落で、自閉症のモリーちゃんの姿が見えなくなった。
 警察はヘリコプター、ドローン、警察犬を動員して捜索を続けたが見つけられず、モリーちゃんのいとこのキュー・ケニーさんは、「モリーを見つけたのはコミュニティのメンバーと家族だった。4月3日の午後、シンプソン砂漠の片隅の小さな丘で木の日陰に子犬と座っていた」と語っている。
 モリーちゃんは自閉症と難聴の障害があり、住んでいるアリス・ウェル・アウトステーションから約8km離れたところで発見された。
 ケニーさんは、「2日には、コミュニティのトラッカー(かすかな手がかりで追跡する特技を持つ人)が砂丘のそばで自転車を見つけたが、モリーは岩場を歩いたようで足跡を見つけられなかった。しかし、トラッカーは諦めず、きっとどこかにいるはずだ。明日もう一度試してみると言っていたが、村の若者が、夢を見たと言って、4日にはアリス・スプリングスに行くはずだったが予定を変更して夢で見た風景をたどってみると言ってくれた。若者が捜索隊を率いて歩いたが、捜索隊は50人か70人ぐらいの規模になった。一部は途中で引き返したが、自分達はさらに若者と一緒に歩き続けた。イースターは希望の季節だ。自分達はモリーを見つけるまではと諦めなかった。とうとう、木の下に座っているモリーと子犬を見つけた」と語っている。
 ケニーさんは、「捜索隊は摂氏30度を超える砂漠を6時間以上歩き続けた。途中で水も尽きた。それでもなんとか日暮れ前にモリーを見つけようと必死だった」と語っている。
■ソース
Missing girl Molly, 4, found sitting under tree with her puppy after spending night alone in Central Australian desert
https://nichigopress.jp/ausnews/204651/

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