先住民族関連ニュース

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野草の細部を鮮明に 東川の奥田さん写真集出版

2021-04-24 | アイヌ民族関連
北海道新聞 04/24 05:00
 【東川】上川管内東川町在住の写真家奥田實(みのる)さん(73)が23日、自宅敷地の野草119種を撮影した写真集「野草譜」を平凡社から出版した。花や茎、葉、根など部位ごとの細部を鮮明に撮影した写真を一つの画像に合成し、ボタニカルアート(植物細密画)のような作品集に仕上がっている。
 撮影したのは薄紫色の花を咲かせるカタクリや地上と地下にそれぞれ実をつけるヤブマメなど。2016年春にアイヌ民族が地下茎を食用にしていたオオウバユリを庭先で見つけ、掘り起こしたその地下茎の造形に圧倒されたのが今回の写真集の撮影を始めたきっかけという。
 自作の器具で植物を固定し、細かな部位まで鮮明に再現する撮影を実現したほか、年間を通じて撮影して成長過程を楽しめる作品になっている。
 部位ごとの細密写真を再構成する自らの手法を「ボタニカル・フォト・コラージュ」と呼ぶ奥田さんは「植物には地上からは見えない根にいたるまで個性と役割がある。身近な野草に興味を持つきっかけになれば」と話している。
 「野草譜」はA4判、272ページ、7480円。全国の書店で販売している。(宮永春希)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/536835

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丁寧な編集 評価され30年 釧路「緑鯨社」 柴田社長「質の高い本、これからも」

2021-04-24 | アイヌ民族関連
北海道新聞 04/24 05:00
 主に自費出版本を取り扱う釧路市武佐の出版社「緑鯨(りょくげい)社」が、今年で創業30年を迎える。丁寧に編集された詩集は高い評価を受け、道内外からの依頼が相次ぐ。1人で編集や校正などに携わる柴田哲郎社長(70)は「質の高い本をこれからも多く出したい」と話す。
 創業は1991年。釧路を代表するジャズ喫茶として全国的に知られた「ジス・イズ」を営む故小林東さんと詩人の藤田民子さん夫妻が、知人のために手掛けてきた自費出版業務を本格化させようと始めた。
 若い頃から店に通っていた柴田さんは会社勤めを経て、夫妻の助っ人として加わり、96年の法人化を機に社長に就いた。書籍編集の経験はなく、市内の印刷会社に通いながら独学で編集技術を身につけた。
 詩集、歌集、自分史、社史など分野はさまざまで「なんでも手掛けた」と柴田さん。異体字は使わず、誤字脱字に細心の注意を払う。編集作業をする自宅2階には校閲のための各種辞書が並ぶ。本の大きさ、装丁、デザインは著者と何度も話し合いを重ねて決める。
 直接会ったことはなく、電話だけのやりとりの著者も多い。それでも、丁寧な編集姿勢が口コミで知られ、信頼して出版を任せてもらえているという。柴田さんは「家族でも知らない内容が書かれることもある。著者と深いところでつながれる」とやりがいを語る。
 これまで出版した本は200作品を超える。北海道新聞文学賞(詩部門)を受賞した萩原貢さんの詩集「小さな椅子の鬣(たてがみ)」など文学賞作品もある。直木賞作家・桜木紫乃さんも釧路在住時に本名で詩集を出した。
 2009年には村崎恭子さん著「樺太アイヌ語入門会話」を出版。村崎さんは専門である樺太アイヌ語の話者を1960年から訪ね歩いて言語を収録。94年に最後の話者が亡くなった。柴田さんは「言語が消えるのを防ぐため、絶対に出版したかった」と語る。
 現在は出版依頼の半分が釧路市内、残りは道外を含む市外で年間5~6作品を出版する。1作品につき平均60万円前後で200~300部作成。完成までに数カ月かかるという。
 出版不況や本離れが叫ばれる中、柴田さんは「本を出したい、活字に残したいという人間の欲求は決してなくならない。これからも著者に喜んでもらえる本を出したい」と話した。(今井裕紀)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/536767

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千歳鶴純米吟醸にオリジナルラベル コロナで苦境、酒蔵支援第2弾 新札幌酒販組合青年会が販売

2021-04-24 | アイヌ民族関連
北海道新聞 04/23 21:12

 札幌市内の酒販店でつくる新札幌小売酒販組合青年会は、新型コロナ禍で売り上げが減少した道内の酒蔵を支援する企画の第2弾として、日本清酒(札幌)の千歳鶴純米吟醸のオリジナルラベル「TONOTO(トノト)」を販売している。
 トノトがアイヌ語で「神にささげる酒」とされることから、コロナ収束を願って名付けた。アイヌアートプロジェクト代表の結城幸司さん(札幌)によるタンチョウをあしらった版画のラベルを付け、3月末に発売した。
 道産酒造米「吟風」が原料でフルーティーな香りが特徴。組合加盟の市内15店で取り扱う。売り上げの一部は札幌市のコロナ対策の基金に寄付する。価格は720ミリリットルが1540円、1800ミリリットルが2860円。
 第1弾は、昨秋の二世古酒造(後志管内倶知安町)の純米酒で、完売した。
 問い合わせは青年会事務局(電)011・823・2103へ。(佐竹直子)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/536759

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アイヌ語トランプを制作した 及川久美子(おいかわ・くみこ)さん

2021-04-24 | アイヌ民族関連
北海道新聞 04/23 10:09
<ピリカ・pirka・美しい・beautiful>。アイヌ語の単語をカタカナとローマ字で表し、その意味を日本語と英語で記した「アイヌ語トランプ」の制作者。現在、第2弾が胆振管内白老町のアイヌ文化復興拠点「民族共生象徴空間(ウポポイ)」や札幌市内の大型書店などで販売されている。「トランプで遊びながら楽しくアイヌ語を学び、北海道の文化を知ってもらいたい」
 アイヌ語トランプは2016年に初めて作り、白老町の旧アイヌ民族博物館などで販売され好評だった。新型コロナウイルスの流行で閉塞(へいそく)感が漂う昨夏、「ステイホーム中、みんなが楽しめるものを」と第2弾の制作を始め、昨年12月に完成した。
 日高管内様似町のアイヌ文化伝承者に監修してもらい、トカプチュプ(太陽)など明るいイメージの言葉を集めた。数字やアイヌ語などが書かれた表面のデザインを一部変え、裏面には伝統的なアイヌの服飾によく使われる紺地に魔よけを意味するアイヌ文様をデザインした。
 日高管内新ひだか町で生まれ、小学生の時にアイヌ民族の血を引くという理由で暴力や言葉によるいじめを受けた。つらい経験から「弱い立場の人の助けになりたい」という気持ちが芽生えた。胆振東部地震の際は被災者の支援に当たったほか、絵本を作ったり子ども食堂の活動に携わったりした。アイヌ語トランプ制作は「自分のできることで人を喜ばせたい」から。
 「今後もアイヌ民族として誇りを持ち、次世代のために取り組みたい」。苫小牧市在住。62歳。(竹田菜七)
◆「ピリカ」の「リ」と「トカプチュプ」の「プ」は小さい字
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/536438

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【レビュー】3000年、母娘で伝えられてきたミティラー画などインドの民族アートが一堂に「ミティラー美術館コレクション展」(たばこと塩の博物館)

2021-04-24 | 先住民族関連
美術展ナビ 2021.04.23
たばこと塩の博物館が「ミティラー美術館コレクション展 インド コスモロジーアート 自然と共生の世界」を開いている。
インドのミティラー地方において母から娘へと3000年にわたって伝承されてきた壁画であるミティラー画をはじめ、インド先住民族ワルリー族が描くワルリー画やゴンド族の描くゴンド画、5000年以上の歴史を持つテラコッタ(素焼の陶器)の大きく4つのカテゴリーの作品約90点が展示されている。
展覧会名 「ミティラー美術館コレクション展 インド コスモロジーアート 自然と共生の世界」
会場 たばこと塩の博物館(東京都墨田区横川1-16-3)
会期 2021年2月6日〜5月16日
入館料 大人・大学生100円など
詳細は、同博物館の公式サイトへ。
神々や結婚、豊穣など、原初的な祈りのあり方を今に伝えるインドの民族アートについて、見どころやその歴史を、たばこと塩の博物館学芸部長の鎮目良文主任学芸員に聞いた。
ミティラー美術館は新潟にある私立美術館
まず「ミティラー画」自体が分からなかったので、教えてもらった。
今回出展される3つの絵画ジャンルである「ミティラー」「ワルリー」「ゴンド」。「ミティラー」は地方の名称で、「ワルリー」と「ゴンド」は、それぞれインドに約500ある先住民族集団のひとつ。ヒマラヤ山脈に近いミティラー地方と、ワルリー族が住むムンバイに近いターネー県は、地図でみるとざっと約1800㎞も離れている。
同じインド内とはいえ、趣の異なる絵が楽しめるわけだ。
「ミティラー美術館」についても、少し説明が必要だろう。ミティラー美術館は、新潟県十日町市の廃校となった小学校校舎を利用した私立美術館だ。1982年に設立された同美術館は、インドの先住民の経済的支援の目的も踏まえ、インドの作家を当地に招いて日本で新しい「ミティラー画」「ワルリー画」「ゴンド画」を制作してもらうなどの活動を続けてきた。新しい作品を含めて、量と質は世界に類がないものとインド政府からも高く評価されているという。
女たちの祈りの儀礼を描く「ミティラー画」の世界
インド北部のミティラー地方では、3000年にわたり、ヒンドゥーの神々などを、家の土壁や床に描くことを、母親から娘に伝承してきたという。太陽や月の運航にあわせ、家族の幸せや豊穣を祈る素朴な宗教的生活から生み出された壁画と床画だった。
ただ、芸術品として永続して残すための絵ではなかった。1967年に、当時の全インド手工芸局長の女性ププル・ジャヤカルさんが、ミティラー地方の貧しい女性の経済的な自立をはかるため、紙に描くように薦め、海外に渡ると「ミティラー画」と呼ばれるようになり、その芸術性が認められるようになった。
今回展示されているものは、ミティラー美術館が設立されて以来収集されてきた作品群で、その多くは同美術館で新たに生み出されたものである。素朴なものから、高いデザインの作品まで多彩な展示となっている。
上弦の月を喰べる獅子は、夢枕獏さんの同名のSF小説誕生の契機ともなった作品だ。この小説は、第10回日本SF大賞を受賞した。
ミティラー画は、もともと壁や床に描かれてきた。そのため、日本で制作された作品は、その歴史と伝統を踏まえて、紙ではなく、あえてコンクリートをキャンバスにした作品も多い。
高さ2.8メートルのこの大作も、そのように描かれた。ガンガー・デーヴィーさんは、インドを代表する女性アーティストで、ミティラー画の第一人者として高く評価されている。完成を前に亡くなったため未完であるが、彼女の最高傑作と言われている。未完成の「空」の部分が、見る人の想像をかき立てる。
「クリシュナとラーダー」は、ミティラー画の代表的な描き手シーター・デーヴィーさんによるもの。ヒンドゥー教の神クリシュナとラーダーが描かれている。ミティラー画は、米をすりつぶした汁や果実などを使った鮮やかな色合いが特徴だ。
まるでマンダラのような作品も興味深い。
インドでは、女性たちが地面を掃き清めて、そこに一種のマンダラ風の絵を描く伝統が今もあるという。
チャクラとは、ヒンドゥー教の神ヴィシュヌ神が、指先に持つ土星の輪のような武器のこと。この作品は、ゴーダーワリー・ダッタさんが日本に滞在したことが契機となって生まれたという。
赤と白の世界 ワルリー画
色とりどりなミティラー画と対照的なのが、「ワルリー画」だ。
ワルリー族は、インド西部の先住民族。婚礼の儀式の際に、米をすり潰して水と混ぜた真っ白な絵の具と竹を削った筆で、儀式が行われる部屋の壁面に赤土を塗り、絵を描く伝統がある。ミティラー画は、母と娘が描く伝統(現在は男性作家もいる)だが、ワルリー画は男女関係ないという。
1970年代初頭からは、ミティラー画と同様に、先住民族の経済支援の目的に、紙に神話や民話、生活などを描くようになった。
記者が、特に圧倒され、かつ想像が広がった作品が、これだ。
シャンタラーム・ゴルカナさんが、新潟の「ミティラー美術館」に招かれた際に、「米」をモチーフに描いた作品だ。山に見えるのは、小さな白い米粒の集合体だ。ぜひ、本物の作品に近寄って細部を見てほしい。
民族アートの枠を超えた「ゴンド画」
ゴンド族は、デカン高原の中部から北部にかけての地域に住み、人口約1300万人。インドの諸民族集団の中でも最大の先住民部族だ。
民族アートの枠を超え、飛行機やバスなど現代的なモチーフにも取り組み、ゴンド画の創設者として知られるジャンガル・シン・シュヤムさん(1960〜2001)の作品群が展示されている。
日常をしばし忘れ、遠いインドへの空想の旅が楽しめる展覧会だ。
原画も買える
ミュージアムショップでは、原画も販売している。展覧会にも出展している「ミティラー画」のカルプーリー・デーヴィーさんの「クリシュナとラーダー」はショップで販売している作品で、66万円! ほかにも無名作者によるミティラー画が数量限定、660円とお手頃な値段で販売されている。
展覧会の日程や開館時間などの詳細は、同博物館の公式サイトへ。
(読売新聞デジタルコンテンツ部 岡本公樹)
https://artexhibition.jp/topics/news/20210423-AEJ402592/

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『アバター』続編にダイアホース再登場か ─ 馬にモーションキャプチャー、撮影写真が公開

2021-04-24 | 先住民族関連
ザ・リバー 2021.4.23 7:30

巨匠ジェームズ・キャメロン監督率いる『アバター』続編シリーズに、前作『アバター』(2009)に登場したダイアホースが再び先住民族ナヴィの力になってくれるかもしれない。プロデューサーを務めるジョン・ランドーがInstagramに投稿した撮影現場の写真が示唆している。
ダイアホースとは、馬のような容姿をしたパンドラ由来の動物。ゾウと同程度のサイズで、6本の脚を持つ。また、時速95キロで走ることができる俊足の持ち主だ。ナヴィの主要な移動手段としても欠かせない仲間であった。
このたびランドーが投稿した撮影時の写真には、本物の馬にまたがるモーションキャプチャー俳優の姿が捉えられている。どのような場面の撮影なのかは不明だが、ナヴィ族がダイアホースにまたがり、地上を移動している姿が目に浮かぶ。
続編シリーズでは、故郷を追い出されてしまったジェイク・サリーやナヴィ族がパンドラの違う地域を訪れることになるという。新たな居住地までの道中が描かれるのであれば、移動に欠かせないダイアホースも登場することになりそうだ。ほか『アバター』にはパンドラ由来の動物が多種多様に存在しているが、前作では描かれなかった新たな動物たちの登場にも期待したい。
出演者には、サム・ワーシントンやゾーイ・サルダナ、シガニー・ウィーバー、スティーブン・ラングらが続投。『タイタニック』(1997)でキャメロン監督とタッグをウィンスレットのほか、『ワイルド・スピード』シリーズのヴィン・ディーゼルらが新キャストとして加わる。
映画『アバター』続編シリーズは、第2作が2022年12月16日に、第3作が2024年12月20日に、第4作が2026年12月18日に、第5作が2028年12月22日に米国公開予定。
https://theriver.jp/avatar-sequels-direhorse-comback/

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極北についての驚くべき7つの事実

2021-04-24 | 先住民族関連
ロシアビヨンド 2021年4月23日
 ロシアの寒い地域がすべて北に位置しているというわけではない。しかし、地理的な特徴から、多くの北の地域では天候条件が厳しい。そして極北もその一つである。
1. 極北はロシアの領土の3分の2を占めている
 極北という概念がソ連に生まれたのは1930年代で、それは生活条件が厳しい遠く離れた地域を意味した。そのほとんどは永久凍土帯の上にあり、土は植物の栽培に適さず、冬は非常に厳しい。しかし、極北と見なされる重要な条件は、到達が困難であること、そして他のとの地域と1年中行き来できないということである。地元の人々はときにここには道はない、あるのは方向だけだと冗談めかして言う。
 地理的にこうした地域とされるのは、ザポリャーリエ(北極圏内の地域)と極東である。しかし、法的にはもっと多くの領土が極北に含まれる。そしてそれらの地域は北部だけでなく、ウラル、南シベリアの一部、そしてトゥヴァ、アルタイなどにもある。さらに、極北と同等に扱われている地域もあり、そのすべての地域を合わせると、極北はロシア全体の70%を占めている。
2. 極北は非常に人が少ない
 これほど広大な地域でありながら、極北に住んでいる人の数は1,200万人以下、つまりロシア全体の人口のわずか7%である。興味深いことに、極北には、ポモル人、ヤクート人、トゥヴァ人など多くの少数民族、先住民族が住んでいる。こうした先住民たちは、数百年前から受け継がれてきた伝統的な生活習慣を持っていることが多い。しかしながら、極北の町の人口は、ゆっくりと、しかし確実に減少している。ソ連時代には、「長いルーブル」と呼ばれる特別手当を目的にこうした地域に移住してくる人が多かった。これらの地域の給料は、ロシア中央部よりも5〜6倍多かったからである。多くの町や村は天然資源の埋蔵地のそばに作られていたが、ソ連崩壊後、これらの産業は廃れた。
 人々はより暖かい場所へと移り住み、持っていた家を売りに出した。ヴォルクタでは、修繕された2室のアパートは20万ルーブル(およそ28万5,000円)ほど。これはモスクワ郊外の住宅1平方メートルの価格と同じである。ヴォルクタ近郊の村ではアパートは安ければ3万ルーブル(およそ42,800円)で買える。しかも家具付きである。
 もちろん、例外もある。ヤマル半島のサレハルドでは人口が毎年、増加しつつある。そしてここを離れたがる地元住民はいないという。
3. 国が保証する「北方向け輸送」
 極北地域を特定することは、必要な物資の輸送に関する問題を解決するために不可欠であった。毎年、冬が来る前に、国家はいわゆる「北方向け輸送」を計画した。これらの地域に、燃料、医薬品、食料品などの物資を、航空便、または船便で送ったのである。
 もちろん、極北の町や村にも商店はある。しかし商品の輸送が高価すぎて、それが消費者用の値段にも反映されるのである。
4. 極北は物価が高い
 この地域では、土壌の特性上、農業を営むのは難しく、また気候条件により、他の地域から農作物を運んでくるのも困難であることから、アパートは安いがそれ以外はすべて高価だということになる。チーズは中央ロシアの2倍、卵は3倍、フルーツや野菜は4〜5倍の値段である。ただ極北では、比較的安い値段で、広大な大地でときおり見られる野鳥や魚が売られていることもある。
5. 色あざやかな住宅は鬱予防
 極北の多くの街には、集合住宅を鮮やかな色で塗るという伝統がある。太陽があまり顔を出さず、木や植物、花が少ないこうした土地では、黄色やピンクに塗られた建物が気分を明るくしてくれる。こんなカラフルな景色が目の前に広がっていると、憂鬱も吹き飛ぶというものである。サレハルドの素晴らしいグラフィティはこんな感じ。
6. 極北では休暇が長く、定年の時期が早い
 ソ連時代の1932年、極北で働いている人々に対する特恵条件が定められ、それからも何度か見直されてきた。現在、極北で働いている人々にはロシアの標準的な休暇(年間28日)に加えて、さらに24日間の休暇が与えられている(極北と同等とみなされる地域では16日)。2年に1度、休暇の代金を会社が支払うことになっており、休暇先への交通費も無償である。極北で15年以上、勤続した人は、一般のロシア人よりも5年早く年金生活に入ることができる(ロシアでは通常、女性は55歳、男性は60歳)。極北と同等に扱われる地域では、20年の勤続で同じ権利を手にすることができる。
7. 極北の住民は厳しい気候に慣れている
 南地方で人生の大半を過ごした人にとって、寒くて風が強く、太陽の少ない冬に慣れるのはとても難しいだろう。しかし、極北の先住民にとってはこれらが特別なストレスになることはない。数年前、ヤクート・サハ共和国の研究者らは、極北の先住民たちの体は極夜や厳しい気候条件にかなり素早く適応することの結論を導き出している。
https://jp.rbth.com/lifestyle/85098-hokkyoku-ni-tsuite-odorokubeki-jijitsu

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