北海道新聞 04/07 17:57 更新
【厚岸】町海事記念館は、厚岸湖畔で出土したアイヌ民族の外洋向け丸木舟「イタオマチプ(板綴船)」の5分の1模型と、神話に基づくノチゥ(星)の物語のプラネタリウム番組を制作した。江戸時代の海上交易の中心地だった厚岸や、夜空のアイヌ文化への理解を深めるのが狙い。模型は公開中で、新番組は28日にお披露目される。
イタオマチプは、舟底部分の丸木舟の舟べりに穴を開け、波よけの側板を両側にひもで結んだ小舟。湖畔の泥の中から舟底部4隻分が出土し、保存状態が最良の1隻は、アイヌ文化復興拠点「民族共生象徴空間(ウポポイ)」(胆振管内白老町)の国立アイヌ民族博物館に貸し出している。
模型は同博物館の協力を得て、江戸時代の探検家近藤重蔵が描いた絵図などを基に北方領土や道内各地を行き来した舟を再現した。長さ1・2メートル、木や縄、プラスチックなどで帆やかい、小さな結び目まで精巧に作られている。菅原卓己学芸員は「横にある本物の丸木舟と見比べ、構造を俯瞰(ふかん)できる」と説明する。
航海や季節の変化を伝えた星座についても多くの神話が伝わる。新番組「カムィからの教え~漁を伝える曳き網の星」は、文献「人間達(アイヌタリ)のみた星座と伝承」(末岡外美夫著)を基に制作。プラネタリウムに四季の星座を映しながら、カシオペヤ座の五つ星を「ヤーシヤノカ・ノチゥ(曳(ひ)き網・星)」と呼んで網を使ったサケの捕り方を伝えたなどと解説する。25分間。
制作費は合わせて約1千万円で、国のアイヌ政策推進交付金を受けた。同館の三浦博哉館長は「星と海、漁のアイヌ文化に触れてほしい」と話している。(山村晋)
★イタオマチプのプは小さい字、ヤーシヤノカのシは小さい字
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/530591
【厚岸】町海事記念館は、厚岸湖畔で出土したアイヌ民族の外洋向け丸木舟「イタオマチプ(板綴船)」の5分の1模型と、神話に基づくノチゥ(星)の物語のプラネタリウム番組を制作した。江戸時代の海上交易の中心地だった厚岸や、夜空のアイヌ文化への理解を深めるのが狙い。模型は公開中で、新番組は28日にお披露目される。
イタオマチプは、舟底部分の丸木舟の舟べりに穴を開け、波よけの側板を両側にひもで結んだ小舟。湖畔の泥の中から舟底部4隻分が出土し、保存状態が最良の1隻は、アイヌ文化復興拠点「民族共生象徴空間(ウポポイ)」(胆振管内白老町)の国立アイヌ民族博物館に貸し出している。
模型は同博物館の協力を得て、江戸時代の探検家近藤重蔵が描いた絵図などを基に北方領土や道内各地を行き来した舟を再現した。長さ1・2メートル、木や縄、プラスチックなどで帆やかい、小さな結び目まで精巧に作られている。菅原卓己学芸員は「横にある本物の丸木舟と見比べ、構造を俯瞰(ふかん)できる」と説明する。
航海や季節の変化を伝えた星座についても多くの神話が伝わる。新番組「カムィからの教え~漁を伝える曳き網の星」は、文献「人間達(アイヌタリ)のみた星座と伝承」(末岡外美夫著)を基に制作。プラネタリウムに四季の星座を映しながら、カシオペヤ座の五つ星を「ヤーシヤノカ・ノチゥ(曳(ひ)き網・星)」と呼んで網を使ったサケの捕り方を伝えたなどと解説する。25分間。
制作費は合わせて約1千万円で、国のアイヌ政策推進交付金を受けた。同館の三浦博哉館長は「星と海、漁のアイヌ文化に触れてほしい」と話している。(山村晋)
★イタオマチプのプは小さい字、ヤーシヤノカのシは小さい字
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/530591