今日は螺旋です。
この写真は2本の水晶が互いに寄り添い、二重螺旋を描いているように見えます。上の写真は横から写したもので、次の写真は上から写したものです。実物を見ると分かりやすいのですが、お分かりでしょうか?3次元の二重螺旋は2次元の写真では分かりにくいかも知れません。
この写真は水晶のクラックが螺旋の形をしております。そのクラック面にはレインボウが見えます。レインボウの話題はまた後日として、今日は螺旋です。昨日のX字形のクラックもめずらしいものでしたが、このようなはっきりと分かる螺旋形のクラックも珍しいと思います。このような水晶は静物として眺めるよりも、手に取って螺旋を辿るように回転させながら見ると面白いです。どのように面白いかというと、透明な柱面に映った螺旋の形状が一瞬で変化する為、脳で連続的な画像のように処理して判断するように見てしまうのです。
螺旋形の水晶は珍しいと書きましたが、顕微鏡サイズの単位で見ると、実は水晶の結晶は螺旋状に成長しております。さらにその成長は左右両方の螺旋形があるようです。ただし我々の肉眼サイズになると、それがはっきりと分かるような水晶はまれです。
螺旋の話題は豊富にあり、書き出すと長くなるので、今日はこの辺で終わります。明日に続きます。
?ポルトガル産の十字石
?Xのクラックが入った水晶
今日の話題はXです。英語のアルファベットのX(エックス)です。
最初の写真はポルトガル産の十字石です。十字石と言っても直交型の双晶ではなく、これは斜交型の双晶です。斜交型双晶はXの形をしております。Xの形をしていてもそれは十字石です。
次の写真はXのようなクラックが入った水晶です。水晶のクラックの形のヴァリエーションも面白いので、その内、単独の話題になる題材ですが、今日はXです。この水晶のようにX字状のクラックが入った水晶は珍しいと思います。
先日、◯△?の話題を出したのですが、その時も何か足りないなーと思っていて、気になっていました。哲学的な話ではありません。それは今日の主役となるXです。
ゲーマーの方なら、もうお分かりですね!そうです。ゲーム機プレイステーションのコントローラーのボタンの事です。コントローラーのボタンは四つあり、プレイステーションのボタンは◯△?とXです。Xボタンは主に解除や取り消し的な意味合いで使う事が多いです。
昨日は休店日で、私用を済ませた後のくつろいだ時間に、プレイステーション3のゲームをしました。
実は我々夫婦は「ICO」にはまっています。
「ICO」はプレーステーション2のアクションアドベンチャーゲームですが、昨秋PS3用にHDリマスター版が出ました。3D仕様にもなっていますが、我々は2Dでやっております。
実は私はPS2の時は途中で断念していたゲームです。ゲーム中に出てくる影にやられてしまって前に進めませんでした。今回は妻がゲーム戦闘能力があり、影との戦いで活躍してくれます。ゲーム内容はイコという少年とヨルダという少女が城から脱出する内容で、イコとヨルダが協力しながら進んでいくという展開です。我々の場合は影との戦いの場面は妻の出番で、その場面以外では協力しながら進んでいくという展開です。
「ICO」は実に良くできたゲーム・ソフトだと思います。3Dグラフィックも美しいし、ゲームストーリーや仕掛けもすばらしいと思います。特に水の表現はリアルで、そのCG映像にゲームを忘れて見惚れてしまいます。
今日の話題となるXはコントローラーのXボタンです。
昨日「ICO」でどうしても解決出来なかったシーンでXボタンが解決のカギになりました。それは「給水塔」の場面での事です。どうしても前に進めなかったところで、何気なくXボタンを押しながらスティックを使ってみたところ、一気に問題が解決しました。高所恐怖症のひとでは絶対に出来ない場面です。Xボタンは解除的な動作になりますので、その場面でのXボタンは手を放すという行為で、それは転落を意味するからです。
そのXボタンは否定的な行為ではなく、前進的な行為になりました。
Xは単なる×(バツ)ではなく、時には前向きな意味にもなるのだ!とゲームから教わりました。
昨日の話題イン・ヤンからつながります。
イン・ヤンという概念は陰陽、-+、黒白、等々、現実の様々な現象を見ると分かりやすい概念です。森羅万象はイン・ヤンで成り立っているように思います。
ところが、現代の素粒子論の世界では電荷が1/3や2/3というクォークから成り立っています。かつて日本人初のノーベル賞を受賞した湯川秀樹博士は「そんな中途半端なものが存在する訳が無い。」と否定的だったそうです。確か不確定性原理のハイゼンベルクも同様の考えだったと思います。私も直感的にそう思っていました。
しかし、現代科学は複数のクオークの存在を発見し、クォーク理論は確かな理論として確立しつつあります。
現実を直視しなければなりません。
よく考えてみると、世の中にはイン・ヤンの二元論だけでは説明できない事が数多く存在します。
卑近な例としては兼六園の日本武尊(ヤマトタケルノミコト)の像の台石です。台石のうちの大きな石を大蛇・ナメクジ・ガマに見立てています。それらが互いににらみ合い「三すくみ」の状態にあるので崩れないと言われています。
この「三すくみ」、じゃんけんのグー(石)・チョキ(はさみ)・パー(紙)と同じ構造です。つまりAはBに勝ち、BはCに勝ち、CはAに勝つという関係です。
三すくみ状態の水晶
この二つの水晶は「三すくみ」水晶と呼べるものです。一本の水晶の頭の部分がもう一本の水晶の上に乗っかかっているのですが、その水晶はもう一つの水晶に乗っかかられていて、三本の水晶どれもが上であり、同時に下であるという関係です。そしてその関係は三角形の形を取って安定しています。
このような水晶の形態は稀だと思います。お店には写真の2個しかありません。
この水晶の形態を見ていて「ペンローズの三角形」を想起しました。「ペンローズの三角形」は1950年代に数学者ロジャー・ペンローズが「不可能性の最も純粋な形」として考案しました。その図形はどこが上で下なのか見ていると分からなくなる例の不可能図形です。
そうです!あのM・C・エッシャーが好んで扱った図形です。有名な「滝」もこの図形を二つ組み合わせたようなジグザグ水路になっておりました。
水晶には多くの形態があり、そのような水晶を毎日みていると、いろいろな事に気付きます。その気付きから思いがけない思考の遊びができます。
?Cavnic,Maramures,ルーマニア産の水晶
昨日、常連さんのOさんが取り置きしておいた水晶を取りにいらっしゃいました。Oさんの愛石歴も長く、これまで購入されたものもレベルの高いレアものが多いです。記憶に残っているものでは、モロッコ産の青いキューブ状の蛍石(多くの小さな水晶が夜空の星のように張り付いている)や南アフリカ・メッシーナ産のアホー石入りの水晶等どれも写真を撮っておきたいものばかりです。昨日はちょうどMさんがカメラを持っていらっしゃいましたので、その場で写真を撮ってもらいました。上の写真はそのMさんの写真です。Mさんの写真は定評があり、昨日はマクロレンズなしでも美しく撮ってあります。
この写真はいつも使っているカメラで簡単に撮った同じ水晶です。このルーマニア産のアーティチョーク型と呼ばれる水晶は貴重なものです。私には宇宙船の帰還カプセルのような形に見えます。両方とも何故か先端が透明になっております。煙水晶の方は方解石と黄鉄鉱が共生しております。同じ形をしている煙水晶と白水晶、陰と陽とのツーショットです。
今日の話題はイン・ヤンです。
?産地不明のイン・ヤン水晶
アメリカ アーカンソー州産の水晶
私は今、パワーストーンのクリスタルの形状について勉強中なのですが、形状に対する意味付けが面白いと思っています。上の二つの水晶は「イン・ヤン」と言います。先端が(-)マイナスドライバーの形をイン(陰)とし、錐面が一転に集まった結晶を(+)プラスの形ヤン(陽)として、そのような結晶がくっついているものを「イン・ヤン」と言います。
また、ほぼ同じ高さの結晶が寄り添った形のものをソウルメイトと言います。
上の二つはソウルメイト・ツイン・イン・ヤン水晶と言えそうです。両方ともお店にあった水晶です。私がそれとは知らず、形態的に面白いと思って集めてきたものです。
二番目の水晶はさらにウィンドウが付いています。複数のパワーストーン的な意味が読み取れます。
?中国産の方解石
これは黒と白の二色が共存している球状方解石です。まるで太極のようです。
道教的思想のもとでは黒と白が森羅万象をあらわし、宇宙は陰と陽のバランスでなりたっていると考えます。陰陽道の基本概念です。この方解石はその球状結晶の中に黒と白をほぼ半分ずつ持っているイン・ヤンといえそうです。
この話題は明日に続きます。
今日は記念の日になりました。昨年10月17日にブログを始めて以来、アクセス数がようやく1万件を越えました。アクセスされた皆様、ありがとうございました。お店のブログとして原則営業日には毎日更新してきました。記事件数は137件、これからも毎日更新を続けていきます。今後とも宜しくお願い申し上げます。
さて、今日の話題は「風景のように見える石」とします。
最初の写真は水石で言う島形石です。いわゆる風景石もしくは山水景情石のひとつです。白と黒の二色の石を、白い部分を海に、黒い部分を島の情景に見立てます。海の部分と島の二つの山の部分のバランスが絶妙で愛すべき小品だと思います。
この写真は古谷石の山形石です。その山は富士山の様な独立峰ではなく、立山連峰のような連峰形の石です。この石を富山県のひとが見ると恐らく立山連峰を想起するのではないでしょうか?実際、富山県に行くとそのような風景が日常的にあります。有名な雨晴海岸から見る立山連峰の風景は実に美しく、海越しに3000m級の連峰を見れる風景は世界に3か所しかないと言われます。この石も海に見立てた水盤に供えて、朝日の出てくる方向で見てみたいものです。
この写真はブルーホールのように見えるクリソコーラです。ブルーホールは世界各地にあり、特にベリーズのグレート・ブルーホールは有名です。絶妙な青く丸い穴、ブルーホールも自然の造形ですが、このクリソコーラの色と形も自然のもので、自然は偉大だと思います。ブルーホールはかつての洞窟や鍾乳洞が陥没し海中に水没したものです。
青い洞窟といえば、石の華のお店の真下の地下一階に「青の洞窟物語」という洋風居酒屋がオープンしました。金沢初の全室アクアリウム付きの個室という事で、人気の飲食店です。私も行ってみたいと思っております。