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鉱物の部屋へのいざない

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三すくみ

2012-03-13 11:24:05 | 日記・エッセイ・コラム

昨日の話題イン・ヤンからつながります。

イン・ヤンという概念は陰陽、-+、黒白、等々、現実の様々な現象を見ると分かりやすい概念です。森羅万象はイン・ヤンで成り立っているように思います。

ところが、現代の素粒子論の世界では電荷が1/3や2/3というクォークから成り立っています。かつて日本人初のノーベル賞を受賞した湯川秀樹博士は「そんな中途半端なものが存在する訳が無い。」と否定的だったそうです。確か不確定性原理のハイゼンベルクも同様の考えだったと思います。私も直感的にそう思っていました。

しかし、現代科学は複数のクオークの存在を発見し、クォーク理論は確かな理論として確立しつつあります。

現実を直視しなければなりません。

よく考えてみると、世の中にはイン・ヤンの二元論だけでは説明できない事が数多く存在します。

卑近な例としては兼六園の日本武尊(ヤマトタケルノミコト)の像の台石です。台石のうちの大きな石を大蛇・ナメクジ・ガマに見立てています。それらが互いににらみ合い「三すくみ」の状態にあるので崩れないと言われています。

この「三すくみ」、じゃんけんのグー(石)・チョキ(はさみ)・パー(紙)と同じ構造です。つまりAはBに勝ち、BはCに勝ち、CはAに勝つという関係です。

Dscf7843

Dscf7854

三すくみ状態の水晶

この二つの水晶は「三すくみ」水晶と呼べるものです。一本の水晶の頭の部分がもう一本の水晶の上に乗っかかっているのですが、その水晶はもう一つの水晶に乗っかかられていて、三本の水晶どれもが上であり、同時に下であるという関係です。そしてその関係は三角形の形を取って安定しています。

このような水晶の形態は稀だと思います。お店には写真の2個しかありません。

この水晶の形態を見ていて「ペンローズの三角形」を想起しました。「ペンローズの三角形」は1950年代に数学者ロジャー・ペンローズが「不可能性の最も純粋な形」として考案しました。その図形はどこが上で下なのか見ていると分からなくなる例の不可能図形です。

そうです!あのM・C・エッシャーが好んで扱った図形です。有名な「滝」もこの図形を二つ組み合わせたようなジグザグ水路になっておりました。

水晶には多くの形態があり、そのような水晶を毎日みていると、いろいろな事に気付きます。その気付きから思いがけない思考の遊びができます。

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