かぶれの世界(新)

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失望のかぶれ大国

2022-07-23 21:09:16 | 国際・政治
最初にちょっと偉そうな出だしで始めたい。昨年1月6日に米国議会議事堂にトランプ支持者が乱入し暴動を起こした事件の公聴会で、トランプの側近や関係者等の衝撃的な証言が米国メディアからのニュース速報でパソコンに届く。常識的にはトランプが失脚する決定的な証言と思うが、米国のトランプ支持者はびくともしない。

「Jan.6」というと米国人は直ぐに何を言っているか分かると思う。若い人達の間では「9.11」は何のことか分からなくても、「Jan.6」というと民主主義の危機を体現した「国会議事堂乱入事件」のことだと直ぐ分かるだろうと私は想像する。そのくらいメディアは最重要テーマとして扱っている。ウクライナじゃないのだ。

日本ではないが私も凄く気になる。ロシア軍のウクライナ侵攻が始まって以来、米国の力は衰えたと言いながらウクライナ支援の半分以上は米国からで、逆に欧州(EU)の頼りなさの方が目立つ。米国がいなければEUはとっくに妥協してウクライナは見捨てられ、民主主義は崩壊寸前の暗黒の世界になっていたろう。

それ程重要な役割を果たしている米国の現実は、完全に民主党と共和党(特にトランプ支持派)の二つに分断された、というか全く違う二つの国が存在しているような事態になっている。それだけではない。毎日4人以上が死亡する銃撃事件が複数件発生し、トランプが指名した保守的な最高裁判事が国を二分する堕胎禁止の判決を出したりで、私の目には西部劇時代に戻ったかのように感じる。

タイムリーにも昨日の日本経済新聞には米国は「危ない新興国」に変質したというコラム記事が掲載された。私は全くその通りだと思う。コラムニストのラナ・フォルーハー女史は調査会社の言葉を引用して「米国の新興国化(EM化)」だと指摘したが、悲しいかな「アメリカかぶれ」の私も否定できない、全くその通りだと思う。

何処に原因があるのか、多くの専門家はグローバリゼーションを指摘する。80年代頃から先進国は民主主義は脇において、利益拡大を求め始めた。原価低減と市場拡大を優先し世界に工場と市場を求めたが、その結果は人々や国々の双方に巨大な経済格差を生み民主主義を修復不可能なまでに傷めつけた。先進国の民主主義よりロシアのエネルギーを選ばせた。

思い返せば私が現役サラリーマン時代にあこがれの米国に赴任して働き、ディジタル化など米国的経営効率を追及した。だが、これが深刻な分断を生み民主主義を劣化させる手助けをしているなんて思いもしなかった。正直いうと米国人同僚と南部の労働者を馬鹿にするような会話をした記憶はあるが。

それにしてもこのブログ「かぶれの世界」でこんな記事を投稿する事態は想像もしなかった。トランプが大統領に就任した時代から悪い予感があった。その時「米国民の劣化」だと指摘しブログ投稿したかもしれないが、その時の浅知恵は本質を理解してなかった。グローバリゼーションまで遡り原因を求めることもなかった。それは私自身がその先兵として加担したことになる。果たして私が生きている間にどうにかなるのだろうか。■
コメント
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