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粗雑な原発ゼロ方針に乾杯

2012-09-15 16:59:03 | 国際・政治

政府は予定通り14日に原発ゼロの方針を発表した。これに対しこれまた予想通り、内外から単純な賛否を越え様々な反応が起こっている。読売新聞は経済雇用への打撃を軽視した無責任な方針と断じ、朝日は決断を評価し更に確かなものにせよと支持した。

私にとって寡聞にして理解不足だった原子力発電を進める英米仏が示した懸念と、一方独からは予想通りの理解が報じられその対照が興味深かった。原発反対運動のうねりの前にダンマリを決め込んでいた立地自治体が実は熱心な原発維持派であることが明確になった。

その実体は具体的な道筋が曖昧で矛盾を孕む実に粗雑な政策という印象は免れない。「原発の廃棄と維持の両方向の議論を併記し、矛盾や実現性の危うさを抱える内容」(日本経済新聞9/15)というのが正しいようだ。現状維持に原発ゼロの糖衣をまぶした、いわばどちらにも転換可能な政策である。だが、私の評価は少し不真面目だ。

実はそれが良いのである。言い回しは皮肉っぽいが、これぞ私が主張した「今こそ決められない政治に基づく方針」そのものである。国民が冷静に判断できるまで、決めた振りをして実は決定を先送りする為のベストな判断だ。何も決めてないけど決めた振りをして時間を稼ぎ、その間に議論を深めていく政策だ。

政府は電気料金や温暖化の問題を指摘した。だが、方針を明らかにしたことにより今まで余り議論されなかったような問題が提起され、議論の幅が広がりそうな勢いだ。それが徐々に国民にも浸透して行きより合理的な判断が出来るようになると私は期待する。その意味で、意図したかどうか分からないが実に巧妙に設計された粗雑な民主党政府ならではの決定だった。■

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