かぶれの世界(新)

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田舎暮らし雑感12夏(1)

2012-08-01 17:31:16 | 日記・エッセイ・コラム

今回から介護録シリーズを合体して報告する。介護施設に母を預けて全てお任せしており、私が介護云々するのも変だ。

松山の空港に着いた時は夏空が広がっていたが、バスが犬寄峠に向かい山間部に入ると雨が降っていた。峠を抜け大洲に着くと重い雲が垂れ込め今にも雨が降りそうだった。スーパーで当座の食料を仕入れて実家に向かうと雨が降り始めた。蒸し暑さの中での雨は却って気持ちよかった。

実家は予想通り背の高い雑草に覆われていた。覚悟はしていたが先々やらねばならないことを考えると気が滅入った。家の中は高温多湿の3ヶ月を締め切りにしていたので空気が澱んでいた。10年前改築した時に追加した建材とよく利用する居間のあたりに白いカビが点在していた。不思議なことに昔からある部分は全くカビが生えてない。

夕飯に弁当を食べて近くの川沿いの道を散歩した。東京より日の入りが30分程度遅い、7時過ぎの薄暮の中を歩いた。川上の内子町の方から山の中腹に細い雲が流れて来るのが見えた。雨季のシアトル近郊の山をハイキングした時の風景を思い出した。しかし、このガスが盆地に溜まり湿度が高くなって、空き家の実家のカビの元にもなったと思うとロマンチックな思い出は吹き飛んだ。

2日目は現実に戻ってとりあえず実家の周りを生活可能な状態にすることに専念した。あらゆる窓を開いて家の中に風を通し、台所を使える状態に綺麗に拭き、フトン・じゅうたん・座布団などを洗濯物と一緒に干し、玄関周りの雑草を片付けた。

35度前後の気温の中でやると大汗でヘトヘトになった。高齢者の身にはつらいと言う言い訳が板についてきた。「熱中症」の言葉がちらちら頭を掠めた。正気でいる間に止めなければと11時過ぎに作業は一旦中断、夕方涼しくなって再開することにした。まだまだやる事は多い、Long way to go! あせらずにゆっくりやろう。

その前に急ぎ郵便局と農協に行って、母の預金通帳に取引の記帳をしてもらい残高を確認した。東京から電話で依頼した山狩りが終っているのを確認して支払いの振込み等済ませると結構時間がかかった。遅い昼食を終ると気力が失せて夕方までオリンピック中継を見た。

3日目の昨日、介護施設に母を見舞った。その前に母の新しい健康保険証を管理室の担当に渡して、母の様子を聞いた。半年位前に変わった人で何を聞いてもどうも要領を得ない。隣の看護室を覗いて馴染みの看護婦に挨拶がてら母の様子を聞くと甲状腺を除き悪くなってないという。

寧ろ気になるのは、脚力が弱くなっていることだと言う。というのはベッドからの転倒を防ぐため床にマットを敷いて寝ているので、一人で車椅子に乗れず動く機会が減ったからという。2階に上がって母の病室を見ると、床のマットがあるだけでテーブルや椅子からサイドデスクの写真などまで全て片付けられていた。母の転倒防止だというが殺風景で綺麗だが留置場みたいだった。

丁度風呂から出たばかりの母は以前に比べ酷く痩せていた。しかし、私には以前は全体にむくんでいたのであって、今の方が健康的だと感じた。帰りに再度看護婦に聞くと、体重は入居以来ずっと34kg前後だというから私の直感は多分正しい。

だが、私が8月には家内や孫・曾孫が日を分けて見舞いに来ると話しても、母は小さくて鈍い反応しかなく認知が進んだ印象があった。出来れば孫や曾孫を見て喜んでくれる顔を見たい。家内に聞くと、義母は寝たきりでついに視力を失ったが今も頭はしっかりしていると言う。人夫々だ。■

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