かぶれの世界(新)

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人生の贈り物

2016-03-25 16:51:41 | 日記
昨日待ちに待った3人目の孫が生まれた。勿論、最も待ち焦がれていたのは娘夫婦とご両親だと思う。何しろ結婚13年目にやっと授かった宝だ。この数年は娘夫婦の前で子供の話をしないよう、家内からきつく言われていた。それでも軽口の私は思わず口が滑り傷つきやすい娘を泣かせたことが何度かある。

昨日夜明け前3時頃に破水したと支援を求めるメールが娘から家内のスマホに入り、家内は私が布団に入っている間に朝食を作り都内の病院に向かった。その後2、3度状況を説明する電話やメールが入り、午後4時過ぎ無事生まれたと電話が入った。赤ちゃんは約2700グラムで、予定日より19日早い誕生だった。出来るなら早生まれを避けて、4月に出産したかったらしい。この時期は出産が少ないのだという。

直ぐに銀行に向かいお祝い金を用意して仙川にある病院に向かった。駅から狭い路地道を10分余り歩くと住宅街の中に突然大きなビルが見え目的の病院に着いた。待合室には家内が所在なく座っており、そのうち夫君が病室から戻って来た。暫くして看護婦さんがやって来て赤ちゃんの所に案内してくれた。

産室の外側から窓越しに見た保育器内の赤ちゃんは濃いピンク色で体重より大きく見えた。うつ伏せになり握った左手を口につけ、時折足をぴくぴくさせていかにも元気そうだった。身体の大きさに比して手足が長い、特に膝下が長かった。赤ちゃんは五体満足の様に見え安心した。

早朝2時過ぎに破水して午後4時過ぎに出産というのは長いと家内は言う。欧米では無痛分娩が普通だが、この病院は和痛分娩をやるという。出産が長引いた娘の出産も和通分娩のお世話になったらしい。娘自身は痛みに弱いと初めから言っていた。欧米では痛みの後遺症、日本では麻酔の後遺症が焦点のようだ。

出産後2時間で病室に移ると言われ、我々は病室に行きそこで待った。個室だった。娘はトイレに行ったところで貧血で失神したらしく遅れて来た。娘は疲労困憊で顔や手は血の気が無く真っ白だった。しかし、顔はスベスベしてどこにもクマやシミはなかった。吹き出物が全て消えたという。用意してあったお握りと病院食を食べて、徐々に顔に赤みが差してきた。

出産が大変で長引いたのは赤ちゃんの頭が大きく手足が長いからかも知れないと家族の間で一致した。看護婦さんによると7分間くらい息をしない状態があったので3日間保育器に入れて呼吸を整えるという。保育器に入れたので赤ちゃんを抱けないと娘は不満げで、どこかに異常があるかもと心配の入り混じった顔をした。

お腹にいる間からずっと心拍を監視していたと聞いたので、血が頭に供給されたはずで心配ないと素人解説をして安心させた。娘はいわゆる「リケ女」で、こうした尤もらしい理屈で説明すると納得して少し落ち着いた。実際には退院時に赤ちゃんのMRI検査をやり異常がないか確認することになっている。心配してもしょうがない。食事が終わると医者や看護婦の対応とか不満を並べてた。文句を言う元気が出て来たみたいだ。

このあと何もなければ6日後に退院し、世田谷区の産後ケア事業の一環で7日間の母子ショートステイに応募し、施設で専門家の支援を受けたいと娘夫婦は言った。娘は手続き等について細々と夫君に指示し始めた。その後、家内が娘の家に泊まりこみで手助けに行く予定になっている。娘は私に頼りきりになる積りだと家内は言い、私ももう若くないんだけどと本音を漏らした。私に介入する余地はない。

この間娘はずっとスマホを身に付けタイムリーに連絡し、それを受けて家内が家族や友人に知らせ助言を受けていたのは驚異的だった。LINEを遡ると破水から出産間で何が起こったかよく分かる。直後に看護婦さんや夫君が撮った赤ちゃんの写真もある。初めてスマホの凄さを実感した。しかし、家内はかなりの時間をスマホに向かって操作しているのを見て、私はついつい中毒じゃないかと嫌味を言った。

ともあれ娘に子供が生まれ、私が死ぬまでにこうありたいと望んでいた殆どが達成された。親孝行は出来なかったがもう手遅れだ。仕事も思い通りにいかなかったが、個人的には色々経験させて貰い満足している。長男と娘は独立して家族を持ち、後は建替え中の自宅を家族に残してやり、末の息子がそこで独立してくれたら私の人生やるべきことは終わりだと思っている。後は好きなように残りの人生を使いたい。その人生の終わりに差し掛かって3人目の孫を授かったのは素晴らしい贈り物だった。■

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