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復興相辞任を無駄にするな

2011-07-07 18:54:30 | 国際・政治

松本前復興相の発言が大問題になっているとネットでニュースを見たとき、最初私は何が失言なのか分からなかった。至極全うなことを言っているように思えた。ああ、この大臣は言い難いことを曖昧にせずキチンと相手に伝えていると感じた。

報じられたポイントは「知恵を出さないやつ(自治体)は助けないぐらいの気持ちを持って」「こっちも突き放すところは突き放す」「あれが欲しいこれが欲しいはダメ、知恵を出せ」と厳しい口調で注文を付けたというもので、それを見て私は当然だと思ったが悪い方向に向いそうだと危惧した。

というのは、その後暫らくしてテレビが流す宮城・岩手県知事との会談の一部映像を繰り返し報じるのを見て、これでは世論を本筋から外しかねないと危うさを感じたからだ。松本氏の物言いが酷くぶっきらぼうで、県知事を見下すような喋り方が被災者に対する侮辱のように報じていたからだ。氏の発言の目的は自治体の責任者に対してあってでもそうは取られないだろうと。

その後の展開は悪い予感が当り、松本氏は野党や世論の反発を受けたばかりか、予党内でも大勢が支えてくれないことが明らかになり、就任後8日で復興相を辞任する羽目になった。確かに、テレビが報じた松本氏の発言は聞いて気持ちの好いものではなかった。知性が感じられない。

だが、氏が指摘した問題点は地方自治体の自助努力を求めたもので、支援を受ける側にも大きな責任があり心構えを説いたものと私は理解した。被災者は支援を受ける権利があるにしても、支援は即ち我々国民の血税であり大事に使ってもらわれなきゃ困る、松本氏は国民に代わってその点を明確にしてくれたのだ。

大臣辞任の後先で指摘された問題点について真摯に議論された様子はない。自治体の長は松本氏のメッセージをキチンと受け止めて被災者と国民の両方に発信すべきだ。実際、今後の意思決定に利用出来ると私は思う。そうでなければ折角の前大臣の腹切りは犬死になってしまう。

残念なことに自公両党は菅首相の責任追及のネタとしか扱わず、与党内でも首相を非難する声ばかり聞こえてくる。問題提起を真剣に考える議員もいるかもしれないが、マスコミは政局がらみの動きばかり伝える。どうせこの程度と予想したとはいえ、本当に恥かしく寂しいばかりだ。■

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