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パソコン販売戦線、春の異変?

2006-02-16 12:34:49 | 社会・経済

昨年のパソコン出荷は世界市場で当初低成長の予想に反してノ-トパソコン需要が市場を牽引し16%成長した。ノートパソコンの急成長は市場の力関係を変動させた。AMDが小売市場のCPUシェアを高め、Acerが欧州市場のシェアを伸ばし世界4位のパソコン・メーカーになった。Intelは予想通りの業績を報告し、Dellも若干シェアを上げたが製品値下がりに追いつかず将来が不透明と判断され株価が低迷した。

日本市場はDellHPなどの直販メーカーの低価格攻勢と液晶ディスプレイ等の部品価格低下を受け、大幅な商品価格下落が市場を刺激し久方ぶりに2桁成長した。しかし、総売上高は前年比を下回り依然厳しい状況が続いている。今年になって小売販売台数の伸びが徐々に軟化してきたように見える。2月第1週になって店頭では販売主力が春の新製品に切り替わり、昨年2桁以上の大幅下落した平均単価が前年同週比5.5%下落に落ち着いてきた。

春の新製品に切り替わりちょっとした異変が起こっている。東芝のノートパソコン販売が好調で2月第1週の店頭販売のトップになったらしい。私の記憶ではNEC、富士通、ソニー以外の商品が小売シェアトップになったことはない。一昔なら注目されたが今やパソコン販売は余りニュース価値が無いのかも知れないが、私は一体何が起こっているのか気になる。

昨日、近場の専門店巡りをしてパソコンの販売状況を見た。パソコン小売販売の大半は週末に集中するので、閑散期である2月の平日午後の売り場は予想通り買い物客が少なかった。ランキングトップの売れ筋商品は全て1416万円台のノートブック・パソコンで、どの商品も同じように見えた。現場を離れて3年近くになると主要な機能・仕様以外に商品の差が分からない。

どのメーカーも売れ筋は15インチ液晶ディスプレイ、スーパーマルチDVD100MB前後のハードディスク、インテル社のセレロンCPU512MB主記憶、無線LANが標準仕様。米国と異なりAMD社のCPUを使った商品は少ないのは意外だった。OSはマイクロソフト社以外に選択なし、各社夫々異なった名前のアプリは必要そうだが正直私にはどれが良い悪いと判断できない。

ベストセラーの東芝のAX/740LSは同じクラスの商品の中で店頭価格が最も安かった。言い換えると基本機能のコスト・パフォーマンスが最も良いから消費者の支持を受けたのだろう。西田社長就任以来、世界市場向け優先だった商品開発が日本市場にも同じように力を入れるよう方針転換し、その成果が出てきたと私は推測する。 

販売開始時点で計画を下回る販売が予測される事は大問題なはずで、当初計画した仕入れ在庫を売り切るか仕入れを減らすしか選択は無い。現実的に考えると競合他社は今後値下げして対応することは間違いないと考える。もし東芝がこれほど売れると考えず仕入れ計画数が少なければ、理屈上競争会社は玉切れになるのを待てばよい。しかし、事態はそれ程単純ではない。

東芝は昨年1012月の米国市場の販売が好調だった。パソコン事業で利益を計上するまでに構造改革したと発表しており、相対的に値下げ体力が高まったと予想される。23月は各社のサプライチェーンと価格決定力(費用構造)が試される興味ある時期となった。東芝の躍進が春の椿事で終るかどうか今後のパソコン販売動向が注目される。■

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