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訂正・ギリシャ国民への言訳

2011-11-16 12:16:59 | 国際・政治

一向に収まらない欧州危機の元凶の一つとして、私はギリシャ国民を酷評してきた。このブログでも「異説・誰が欧州を救うのか」(10/18)や「どたばたギリシャ新喜劇」(11/5)等で同情できないと言い切った。だが、最近ギリシャ発信用不安の要因の詳細が少しずつ分かってきて、一方的に非難するようなものではないと思うようになってきた。

その中でもNHKBS1が先日報じた「ギリシャ 財政破綻への処方箋 ~監査に立ち上がる市民たち~」というドキュメンタリーを見て、私は自分の考えを見直すことにした。まだNHKのサイトで番組を見ることが出来るので、興味のある方はご覧になって頂きたい。
http://www.nhk.or.jp/wdoc/backnumber/detail/movie111107.html 

私が衝撃を受けたのは、独仏の金融機関が金を貸して(つまり、ギリシャ国債を買って)ギリシャに戦闘機や武器を買わせたという件だった。ギリシャの巨額の借金は国民を潤す為ではなく、独仏の軍事産業を儲けさせる為にも使われた。

ギリシャ国民の3割が公務員・休暇が馬鹿に長い・税金を払わない地下経済等々、借金をして楽に暮らす既得権益を守ろうという、まさに同情に値しないギリシャ国民の姿を描く報道ばかり見たり読んだりしてきた。どうもそれだけではなかったようだ。

もっと欧州全体にわたる一般的な見方として、米コロンビア大サックス教授は「銀行が各国の不動産バブルに乗じて融資を増やした。独政府は自国銀行を上手く規制すべきだった。今回の問題は・・・最大の債権国側の問題でもある。」(日本経済新聞11/16)と断じている。

そういう意味では、G20共同宣言でギリシャ債務の50%を棒引きにする決定は至極当然の決定であったといえる。だが、それでも借金し武器を買ったのはギリシャ国民が選んだ政府なのであり、その結果責任を国民が分担するのはやむをえないと思う。

ただ、一方的にまるで無能で無責任な二流国民呼ばわりしたのは言い過ぎだったと訂正したい。とはいっても、ギリシャ国民は歯を食いしばって緊縮財政を受け入れ、欧州危機を出来るだけ早く脱出する努力をして欲しいという気持ちに変わりはない。■

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