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ウクライナの教訓

2022-12-23 17:18:31 | 国際・政治
ウクライナのゼレンスキーレンスキー大統領が21日にバイデン大統領と会談し、その後米連邦会議で演説したと報じられた。直前までウクライナ東部の激戦地を訪問し兵士を激励後、ポーランドに列車で移動し米軍機で米国を訪問、取って返してポーランドに戻り首相と会談したという。移動時間しか寝る間がなかったはずだ。ウクライナ大統領は現在世界で最も多忙な激務だろう。

世界の民主主義国にとってウクライナ戦争は極めて重要な教訓が得られる機会であり、特に日本は国のあり方を見直す又とない機会であると思う。最も大事だと痛感するのは「日本は日本人が守らなければ誰も助けてくれない」ということだ。インフラを破壊され滅茶苦茶な生活を強いられても、ウクライナ人はひるむことなく戦っている。大雪だと言って騒いでいる場合じゃないのだ。

今回の欧米のウクライナ支援を見てはっきり言って欧州は頼りない、米国がいなかったらウクライナ戦争はとっくに終わっていたと思う。2014年のクリミヤ半島を失った時はウクライナは実質戦わずして敗れた。今回はウクライナがロシア侵攻に備え準備しており、国民が立ち上がって初期の戦いを持ちこたえ欧米が支援に乗り出す時間を作ったと言える。

だとしても米国が支援しなければ、欧州の各国は中途半端な支援をしウクライナに停戦を押し付け、一方で依然としてロシアのエネルギーに頼っていたと私は疑う。ロシア軍の侵攻が始まった頃に私が見たテレビのニュース番組では、戦争反対を旗印に停戦を呼び掛ける多くの日本の知識人を見かけた。この人達はウクライナの人達が血を流して守ろうとしてるものを理解してないと思った。

守るべきは「第二次世界大戦後に何千万人の犠牲のもとに確立した民主主義、国境や市民が選挙で指導者を選ぶ権利」を何が何でも守らなければならないのだ。(日本経済新聞2/23 FTコメンテーターの転載記事より)FTの筆者は欧州にとって存亡をかけた戦いだという。だが、私は世界の民主主義国にとっても存亡をかけた戦いであり、日本人にとっても他人事ではない。

にも拘らず米国の民主党と共和党には同盟国でないウクライナの支援は温度差があるという。「アメリカ第一」の共和党の考えはある種の怖さを感じる。そのような背景の下でゼレンスキー大統領は連邦議会演説で「皆さんのお金は慈善事業ではない。世界の安全保障と民主主義への投資だ」と訴えたのは適切だったと思う。そして我が国にも当てはまる。

現実の問題としてロシアのウクライナ侵攻は世界中のロジスティック網をズタズタした。資源エネルギーや食料の入手も容易ではなくなり世界中で物価が急上昇した。これも又、ロシアが起こした戦争が世界中に与えた被害であり、なかでも日本は最も大きな被害を受けた国の一つだ。

それがウクライナの教訓だと私は考える。ウクライナ戦争で我が国が武力による直接的な被害を受けなくとも、今後も経済やサイバー攻撃等いろいろな形で被害を受けると予想される。引き続き極めて深刻な影響を受ける覚悟で安全保障を強化し備えるべきだと信じる。■

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