かぶれの世界(新)

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祝・WBC連覇

2009-03-25 22:15:33 | スポーツ

久し振りに胸が締め付けられ見ていて胃が消化不良みたいになった。WBC決勝戦の9回裏、ダルビッシュ投手が四球を連発したあげく左前タイムリーを打たれ、韓国に同点にされた十数分間のことだ。テレビの前に突っ立てぶつぶつ呟きながら、画面を凝視していた。

こんなドキドキ感は絶えて無かった。少年野球の試合に初めて出た時、そうだった気がする。大人になってからでも、海外の重要な取引先に出張しプレゼンする前も胸がバクバクして大変だった。しかし、歳を重ねいつの間にか何があってもドキドキすることもなくなった。

ダルビッシュは何とかピンチを切り抜け延長戦に入り、10回表イチローの劇的な中前打が出て、やっと勝ってくれそうな気がした。侍ジャパンはWBC連続優勝という快挙を成し遂げた。まさに日本中の人がテレビの前に釘付けになったらしい。だが熱狂したのは日本と韓国だけだったようだ。

米国の主要紙に登録しているので、カテゴリー毎のヘッドラインを紹介するメールが毎日届く。しかし、どのメールのスポーツ欄も大学バスケットボールや、野球といえばMLBスター選手のオープン戦情報等ばかり。それではと、米国の主要メディアのサイトをざっと覗いて見たがWBCの記事はどこにも無い。スポーツ欄でも1クリックで届く範囲になく、実質無視されたような扱いだった。

一般紙だけでなく、スポーツ専用のサイトも目立たない扱いだった。イチローの所属するマリナーズのあるシアトルのローカル誌では、ただ一行「日本が韓国に勝った」と伝えるものだった。主催者のMLBサイトをよくよく調べると、米国選手の興味あるコメント等を見つけた。だが、扱いは比較的地味で、米国の野球ファンにWBCの熱気が伝わったとは思えない。

米国の友人から「何故そんなに熱くなるんだ?」といわれそうだ。「世界に野球を広めたいと思うなら、米国(MLB)はもっと真面目にやれ、そうでないと日本は降りる」と、取引したらどうかと思う。もちろん、日本国民がこれだけ熱狂するスポーツを止めること等ありえないが。

その意味で、日本と韓国が真の意味で野球界のトップに立ったとは言えないかも知れない。米国が本気になった時、どういう試合展開になるか是非見てみたい。だからといって、日本のWBC2連覇の価値が下がったとは思わない。特に決勝戦(タイトルマッチ)の試合内容は素晴しかった。

日本の勝因は、①良い準備、②基本に忠実、③動機付け、④戦術、⑤選手層(特に投手力)、などが挙げられている。加えて、私には予想外だったが、原監督の毅然とした指揮者振りと采配が大きかった。彼の監督としての優秀さを示す、後日談みたいな話がもう出て来ている。多分、本も書かれるだろう。

報道によれば、チームとして団結し機能する為に打った手立て、例えば愛称を監督名から「侍」にし、ネガティブな発言を封印等々、適切な判断だったようだ。シャンパン・ファイト前の景気付けキックオフスピーチは、彼が人の心を知る優れたリーダーであることを示す内容だったと私は思う。

選手と監督の両方で苦労した経験が生かされ、「球場内での采配、球場外での配慮」の両方ともに適切なバランスで指揮されたように感じる。勝てば官軍というところもある、スポーツの世界では特にそうだ。だが、報道を見聞きした範囲では本物だと思う。つまり、指揮者として継続して結果を残す能力を持っていると思う。これを機会に監督の世代替わりが進むような気がする。

通算で日韓戦が5試合あった。短期戦とはいっても一発勝負と比べれば、試合数が増えるに従い上記5つの勝因が効いて来る。やればやるほど日本の勝率が上がってくるだろう。多分、日本が勝率6割台をキープする、つまり今回の結果3勝2敗と同じ程度に落ち着くのではないだろうか。

まだ日韓間にはその程度の実力差があると思う。原監督は決勝戦の9回同点に追いつかれた時も、韓国は控え選手を使い切っていることを冷静に見抜き、日本有利と見切っていたとインタビューに答えている。韓国選手のここ一番の精神力の強さは目を見張るものがあるが、長期戦を戦い抜く力があるかは、又、別である。今回WBCで活躍したといって、MLBで1年間活躍できるかどうかも同様である。

最後に、今回の決勝戦は長く記憶に残るスリリングで質の高い、素晴しいゲームであったことに違いは無い。次は世界トップレベルでハラハラさせられるサッカーを見てみたい。プロ野球には70年の歴史があるが、20年程度でこれほど韓国野球が強くなったのだからサッカーもと期待したい。■

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