かぶれの世界(新)

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

衆院選エピローグ

2012-12-19 23:53:05 | 国際・政治

選挙翌日に投稿した「衆院選の勝者と敗者」の仮説、特に若者が敗者だったという推測、はまだ検証できていない。ネットや新聞を見た限り、誰もそんなこと言ってないから私の勝手な考えかもしれない。もう少し時間をかけて調べてみるが、もしかしたら言いっ放しで終りかも。その時はごめんなさい。以下にもっと確かな私の観察を紹介する。

1)小選挙区制度の副産物1: オバマと自民党の圧勝は同じ構造的なもの
どちらも総得票数ではやっと過半数を取った程度だが、獲得した選挙人数と議席数を見ると圧勝だった。どちらも一票でも多ければ総取りする仕組、小選挙区は当選か落選で大統領選は州ごとに勝者総取り、つまり勝者のみ報酬を得る仕組のために起こった結果であった。死票が多くなる仕組では避けられない結末だ。

2)小選挙区制度の副産物2: 懲罰的選挙の結果を出す為に最適の仕組である
前回は自民党そして今回は民主党が大敗・下野することになった。1)の構造的な選挙制度の特徴が前回は追い風を吹かせ、今回は逆風を吹かせた。しかし、次回逆風が吹かないよう自民党はよくよく考えて政権運営をすべきと言う圧力を感じているはずだ。もしかするとこれが国民が認識した選挙制度の最大のメリットかもしれない。ダメなら直ぐに罰を与えられる。

3)去り際の美学: 民主党には現役大臣が大量に落選するという異例の結果になった。昨日は最後の閣議が開かれその後前大臣のコメントがテレビニュースで流れた。「敗軍の将兵を語らず」と言うが随分多弁な大臣もいた。それが落選の言い訳どころか堂々と責任転嫁をする姿は見苦しさを越えて醜いとさえ思った。まるで晒し者で、こういう姿をテレビで流す見識を疑う。武士の情けは死語か。このような情けない発言を諌める岡田氏のコメントには逆に風格を感じた。

4)多党乱立と報道のあり方: 「公平な報道」は争点を曖昧にした
今回の衆院選が盛り上がらなかった理由の一つは小党乱立し、その一つ一つに同じ時間を割いた報道のため何が争点か、真の対立は何か分らなくした、特にテレビしか見ない人達には。この混乱を整理して伝える力量の無いキャスター・スタッフも原因の一つだと思う。その点、池上彰氏を起用したテレビ東京は選挙報道のあり方をよく理解していたと感じる(一部しか見てないが)。

5)原発ゼロも消費税反対もぶっ飛んだ?: 選挙前にも指摘したが、原発ゼロや消費税反対を声高に主張していた人達は軒並み落選した。選挙前にはテレビの露出度は極めて高かったから、必ずしも準備不足とか時間が無かったとも思えない。単に世論が支持しなかった。私は4)と同様な理由でマスコミ報道とポピュリズムに走った政治は考え直すべきと感じる。

6)まだ生き残っているバズワード: 「その(増税の)前にやることがある」とかいう主張はもっともらしく聞こえるが、辛いことは何もしないで先送りする常套文句になったと感じる。そんな理屈より、我国にとって最も重要なことをやりきる政治を求めたい。壊滅的敗北の象徴となった野田首相はやはり歴史に残る仕事をしたと評価する。だが、この流行言葉は生き残っている気がする。

最後に加藤紘一氏が落選し、中央政界やマスコミからも注目されることなく静かに去っていく様子がベタ記事で報じられた。才能に溢れた老政治家が活躍の舞台与えられないまま去っていく姿にある種の哀しさを感じた。■

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする