かぶれの世界(新)

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NHKチャンネル擁護

2006-03-02 22:43:25 | ニュース

NHKのチャネル数は縮小すべきと1日小泉首相は述べ、通信・放送の在り方に関する竹中総務相の私的懇談会でもチャネル数は多すぎるとの意見が出ていると報じられている。しかし、議論は放送・通信のテクニカルな側面、換言するとコンテンツを視聴者に伝える手段(vehicle)としての役割にのみ絞られており、その視点のみでチャネル数を議論するのは不適切であると私は考える。

確かに日本から海外への情報発信は早急かつ大幅に強化すべきである。BBCCNNのようなニュース専門チャネルも拡充すべきだ。しかし、その結果業容が拡大するから適正規模にする為チャネル数を削減しろというのは短絡的で筋が通らない。

我々視聴者にとって重要なのはNHKが提供する放送の内容に価値がなく削減すべきものかどうかである。NHKが提供する番組の価値は民放では代替できない質の高いものが多く、その為に現在のチャネル数は多くても維持すべきと私は考える。

視聴率は余り期待できず商業ベースには乗らないが、例えばNHKBS放送が提供する海外ドキュメンタリーや秀作ドラマの紹介から書評や音楽などの教養番組まで質の高い番組を継続して放送する為には、現在の多チャネル構成が必要と考える。

番組内容の議論を突き詰めていくと表現の自由に関わるので微妙だが、民放が同じ時間帯にバラエティやクイズ番組ばかり流す傾向があり5波あっても実質視聴者の選択が限られている。NHKの多様な放送内容が視聴者の選択を広げる。その意味では果たして権益の確保しか興味がない民放の経営者がこの議論に加わる意味があるのだろうか。

とはいっても、現在BS放送等が提供しているコンテンツをインターネット経由で容易に視聴出来るといった代替手段が実現すればチャネル数はこだわる必要ない時代が来ることまで否定はしない。技術的な放送の乗り物論だけでなく、コンテンツの質を高め視聴者の選択肢を広げる視点から改革案を追及して行って欲しい。■

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