さすらい人の独り言

山登り、日々の独り言。
「新潟からの山旅」別館
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新刊本 単独者(アラインゲンガー) 新・加藤文太郎伝

2010年11月03日 | 読書
山と渓谷社から谷甲州著の「新刊本 単独者(アラインゲンガー) 新・加藤文太郎伝」が出版されました。雑誌の山と渓谷に連載されたものに、大幅な書き下しを加えたものです。後書きまでで、505ページの分厚い本になっています。

加藤文太郎について書いた本というと、新田次郎の「孤高の人」をまず思い浮かびますが、いま読み返してみると、挿入されている恋愛部分が余計なものに感じてしまいます。この「単独者」は、現在読んでいる途中ですが、加藤文太郎が、初心者からステップアップしていった各段階の山行を通して、単独行に至った理由と、最後のを描こうとしているのではと思います。多分に脚色は入っているのでしょうが、ノンフィクションタッチに描かれており、「孤高の人」よりは引き込まれました。SFの分野では、ハードSFという言葉が使われますが、これはハード山岳小説と言えると思います。



また、良いタイミングというべきか、山と渓谷社・創業80周年記念出版「ヤマケイ文庫」ということで、加藤文太郎著「単独行」も出版されました。「孤高の人」あるいは「単独者」によって、加藤文太郎に興味を持った人は、読むべき本でしょう。特に「1月の思い出 剱沢のこと」は、必読です。

「ヤマケイ文庫」としては、この他にも松濤 明 著「新編・風雪のビヴァーク」や山野井泰史 著「垂直の記憶」も入っているので、続けて読んでいこうと思っています。おそらく、じきに絶版になってしまうでしょうから。



この谷甲州著「白き嶺の男」は、少し前に集英社文庫として出版された本で、1996年の新田次郎文学賞受賞作です。主人公は、加藤武郎となっていますが、加藤文太郎をモデルにしていることは明らかです。加藤文太郎にヒマラヤ登山をさせたらという想像の広がりのもとに書かれています。これもお勧めです。
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