さすらい人の独り言

山登り、日々の独り言。
「新潟からの山旅」別館
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さすらいの風景 ペトラ遺跡 その2

2014年03月28日 | 海外旅行
シークの入り口です。シークとは狭い岩山の裂け目で、遺跡中心部への通路になっています。



シーク入り口から中心部のエル・ハズネの区間は、足の弱い人向けに馬車が運行しています。シーク内は幅が狭い所もあるので、あまり余所見をしていると馬車にはねられます。



シークを入ったすぐ先には、アーチ跡があります。



シーク内の道の両側には、水路が設けられています。ナバタイ人の水利システムは当時最高の水準に達しており、領地に水道橋などを整備したローマ帝国が106年に併合した後も、それ以上手を加える必要が無かったようです。



シークを取り囲む崖の高さは、60~100mあります。





シークに合流する谷にはダムが造られています。冬の雨季の時期に起きる洪水を防ぐためのもので、1963年にはフランス人観光客23人が洪水で亡くなっています。



頭上を覆う岩壁を見上げながらの歩きが続きます。シークは全長1.2kmあり、結構歩きでがあります。行きは緩やかな下りになっているため、帰りは登りになって足に負担がかかります。



シーク内には、多くのナバタイ人の遺跡が残されています。

これは、主神ドゥシャラーを祀って岩に彫りこまれた石板。主神ドゥシャラーは、ナバタイ人の主神であり、ヘレニズムの影響によって後にはゼウスと同一視されるようになりました。



自然景観という点からも、このシークの歩きは興味深いものがあります。







ナバタイ人の壁龕。



シーク内は、かつて石畳が整備されていましたが、現在はほとんど失われてしまっています。この石畳も最近になって再整備されたもののようです。



青空が広がって、天気の心配は無くなりました。



ペトラの岩山は、砂岩でできており、含有成分によって色を変えています。赤は鉄、黄は硫黄、茶は銅、青はコバルト成分によっています。崖の中には、このような芸術的色彩を見せている所もありました。



中間部にある石板。主神ドゥシャラーと女神ウッザーが描かれています。



目を現す四角が二つ並び、その中央に鼻を現す棒が描かれて、女神ウッザーを現しています。

女神ウッザーは、古代アラブ社会で広く信仰され、ギリシャ神話のアフロディーテと同一視されていたといいます。



この石板の背後は、生け贄を捧げた祭壇のようです。



シーク内には、動物の顔のように見える岩もありました。





シーク内の通路は細く曲がりくねっており、カーブの先にどのような風景が広がるかの期待感が高まります。



主神ドゥシャラーの半円球状の霊石。



キャラバンの像。

ラクダを引くナバティア人が描かれています。かなり風化して、足だけがはっきりしています。



シークの歩きは、まだ続きます。





いささか歩き疲れた頃、ペトラ遺跡見学における最大の感動の瞬間がやってきます。



薄暗い峡谷の隙間から明るく輝く建物が見えてきました。



エル・ハズネの登場です。



足を停めて、この瞬間を味わうことになります。



シークを抜けると、エル・ハズネの全貌が現れます。

エル・ハズネの出現は、効果を狙ったかのように劇的です。
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