【今日の 必要は発明の母】
橋梁の点検は橋梁を隅から隅まで、橋の下まで降りて「悪いところはナイカー」と見たり叩いたりするわけだが
橋の表面も要注意である。表面で何を見るかと言うと、ひび割れである。
ひび割れは一見どこにでもありそうだが、橋の場合は問題である。
鉄の橋であれコンクリートの橋であれ、床板はコンクリートで出来ている。そのコンクリートの内部に表面のひび割れを伝って水分が入り込むからである。
コンクリートは水分が入ると中の鉄筋が錆びて腐食して膨張するのだ。膨張すると太った鉄筋がコンクリート自体を壊してしまうのである。
以上の理由で、ひび割れは橋の寿命にとって重大な結果を及ぼしかねないのだ。繊細な注意をしなければならないのだ。
そこでこの写真
一見ただのプラスティックの白い棒である。
ひび割れを記録するために写真を撮影する。ひび割れを判別しやすくするために、ひびわれに沿ってチョークで白線を描いてゆくのだ。
この時しゃがんで描いていく。これが非常につらい労働となる。橋によっては無数にひび割れが入っているものもあって、アヒル歩きで描いているうちに車が来てしまうこともある。
危険できつい。これを「2K労働」と言う。おっと、腰も痛くなる。「K」を一つ追加だ。「3K労働」ね。
これをどうにかしたい。との思いからワシが発明したのが上の棒。
交通安全の担当課にわけを話していただいてきた旗竿である。もち不用品だ。
棒の先を4つに割って、割れた先がそれ以上割れないようにドリルで穴をあけて・・・・(実際は穴が先ね)
はい、出来上り。
チョークを挟んで輪ゴムで止める。
両端にこの加工を施した。中には予備のチョークが詰まっている。
これでワシは「ひび割れ撮影作業」から「3K労働」を取り除くことが出来たのであった。喜び限りなしだな。
これを見た同僚からは「学校の時分何かで見たことがある、何だったか思い出せないが先生が使っていたような」
と言ってワシの発明を褒めてはくれないのだ。 ああそうかい、フン。
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