ネット監視（環視）の恐怖

歌手の倖田來未が、一夜限りのパーソナリティを務めた

１月２９日深夜、放送の

ニッポン放送『倖田來未のオールナイトニッポン』内での

『羊水腐ってくる』発言に対し、ネット上で批判が殺到。

これに対して２月１日夜、倖田自身とニッポン放送が

それぞれのＨＰで謝罪した。

倖田が件の番組冒頭で発した暴言？は次の通り。

「子供～の話をしてましてね。

なんかこう、ま、うちのマネージャーが結婚しまして。

でー、まー、ちょっとー、いつ子供作んの？

みたいな話とかしててね。

やっぱ、こう、そろそろ、３、いや、ま、

３５～ぐらいまわると、

あの～、お母さんの羊水が腐ってくるんですね（笑）。

なーのーでー、や、本当に（笑）。

いや、だいたいが汚れてくるんですよね。

だから、できれば３５までに子供を作ってほしいなぁっちゅう話をね、

ちょっとしてたんですけれども…」

話の内容は

根拠もなく高齢妊婦を侮辱した許しがたいものだが、

すでに謝罪しているので、これ以上とやかく言うつもりはない。

ただ、普通に聞き流せば、

『あの品のない倖田がまたまたアホなこと言ってら、

にわかパーソナリティが番組を盛り上げようと必死やね』

で、済まされそうにも思うが…

現に昔の『オールナイト…』では、

そんなたぐいのトンデモ発言はざらにあった。

今回、正式謝罪するまでに至ったのは、

なんといってもネットでの反響の大きさによるのだろう。

批判はネットで火がつき、音源が載せられ、

聴きたければあのアホな発言を何度も何度も

繰り返し聴けるのだ。（事実、MrKも上記聴き取りのため

３０回くらい聴いた〔ヲヴァカ〕）

初回に聴いたときにはなんとも思わなくても

２度３度と繰り返して聴くと、

だんだん思いが募ってきて、腹が立ち、

許し難い気持ちになるってこともあるだろう。

『自分もあと１０年で同じだろっ！』

とか、

『とっととあの額のバカ広い司会者と結婚しないと、

自分の羊水も腐ってしまうぞっ！』（これこそトンデモ発言か）

とか…

ところで、

『オールナイト…』のスペシャル・パーソナリティは

大昔からある企画で、結構楽しみにしていた。

古くは、三笠宮寛仁親王、現衆議院議長河野洋平（笑）、

手塚治虫なども出演。

寛仁親王の時は、皇族のウラ話など聴けて、

たいそう面白かった記憶がある。

できる限りパーソナリティの地を出しながら、

しかも生放送で、となると、

多少の失言が出るリスクは当然あるだろう。

しかし、これを避けるために、前もって収録していたり、

原稿通りに番組を進めるとしたら、

その魅力は半減するに違いない。

思うに、公共の電波とは言いながら、深夜帯での放送なのだから、

聴取者は限られているわけで、番組中で多少の失言があっても

その人たちは、それを承知の上で、

寛容に聴いてもよいのではないだろうか？

倖田の今回の発言内容を容認するわけではないが、

あんな言葉を平気で発する人間なのだと聴取者が受けとめれば

放っておいても彼女の人気は落ちるだろう。

ただ、ことさらに失言をネットに流し、

リアルタイムに聴いてない人たちにまで

批判の共鳴を拡大する必要があるのだろうか？

しかも、今回の謝罪はネット上で行われたのみであり、

結果、誰に対しての謝罪なのか納得のいかないところもある。

２４時間一言一句吟味されるネット監視に

完璧に堪えうるような番組作りを期待するものは

聴取者の中に誰一人としていないだろうと思うのだが…