ひとり旅への憧憬

気ままに、憧れを自由に。
そしてあるがままに旅の思い出を書いてみたい。
愛する山、そしてちょっとだけサッカーも♪

ヴィーナスへ![10]

2009年09月15日 20時52分18秒 | Weblog
曇り空、されどあまりにも広大な緑の大地に目を奪われた。
初めて走るヴィーナスライン。少しずつ高度が上がって行く。
そして周囲の何処を見ても、なだらかな丘陵が美しいラインを描いていた。

「やっとここへ来たか。」
交互通行であるために、日光の「いろは坂」のような走りはできない。それでもカーブになると意識的にバンクを大きくかけた。何故かそうしたくなるような魅力がこの道路にはあった。
ツーリングに来ている人たちが多く、中にはかなり飛ばしている奴もいたが、事故ってはすべての楽しみが、感動が一瞬で失われてしまう。ましてや仲間にも心配と迷惑がかかる。
そもそもスピードの出し過ぎで事故ったりキップを切られただなど、いい歳をして恥ずかしい限りだ。
ここはそこそこのスピードで走った。

ヴィーナスへ![9]

2009年09月14日 22時47分10秒 | Weblog
初日の走行距離は約250㎞だった。
疲れていないと言えば嘘にもなろうが、誰もが心地よい疲れだろう。

キャンプ場は22時に消灯となっている。
ほどよくビールも呑んだし、熱いシャワーを浴びて寝ることにした。
バンガローの床は当然板張りで、銀マットを敷いたが布団やベッドにはほど遠い。
それでも河原や山頂の岩の上で寝るよりは遙かにましだ。(笑)

2日目の朝は6時過ぎに目が覚めたが、起き出したのは7時頃だったろうか。
高原の朝は涼しいながらも気持ちがいい。べたつくような暑さで目が覚める平地とは大違いだ。耳を澄ませば小鳥のさえずりが聞こえてきた。
朝食は手作りのサンドイッチ(俺が作ったもの)。珈琲。カップスープ。昨夜の残り物で作った野菜炒め。う~ん我々にしてはリッチなメニューだ!
今日は大荷物は部屋に残して走れる。
9時前にキャンプ場を出発。駅前を通り、「八ヶ岳高原道路」を目指した。
道路にはいると、すぐ右手に主峰「赤岳」と「権現岳」が顔をのぞかせていた。
懐かしい。実に懐かしい。
25歳の夏に登って以来だ。(笑)

高原道路の途中にある赤い大橋で記念写真を撮り、再スタート・・・したのはいいが、タイミングが悪いというか、アンラッキーというか。
40㎞にも満たないスピードでたらたらと走っている車が目の前に。
自分は仲間の先頭を走っていたので、その車のすぐ後方だった。
山梨ナンバーの小型レンタカー。女の子の3人組。ぎゃーぎゃー・ぺちゃくちゃ・わいわい・がやがやと車内のにぎやかさがよくわかる。
にぎやかなのは結構なのだが「ちゃんと前を向いて走れよ。車が左右に振られてるぜ!」
と、怒鳴ってやりたい気持ちだった。
更にはここは追い越し禁止ライン。
「せめて40㎞台のスピードで走ってくれよ!」
と、怒鳴ってやりたい気持ちだった。
しばらくこんな走行が続き、彼女たちのおかげで、いつしか後続車が長い列になっていた。
その後続車の先頭が我々だ。
「お~い、いい加減後ろの状況に気づけよ! せめてウィンカーを左に点けて道を譲ってほしいんだけど!」
と、怒鳴ってやりたい気持ちだった。
正直に言えばいらついた。
完全に自分たちの世界に浸り、周囲の状況などおかまいなし。いや、本当に気がついていないのかも知れない。
どっちみち迷惑な車だ。
いい加減嫌になってきた・・・と、思っているところへ、仲間が巧い「業」を使ってその車の前へと出た。
今がチャンス!自分達をかわきりに続々と後続車が抜き始めた。
やっとスッキリ! 高原のライディングを楽しむことができた。

だがこのレンタカー。
実は、帰りにも遭遇してしまうのだった。
そんなことになるとはこれっぽちも思っていない我々。何度か道に迷いながらも、確実にヴィーナスラインへと向かった。

ヴィーナスへ![8]

2009年09月13日 21時53分21秒 | Weblog
「JR鉄道最高地点」では、偶然にも列車の通過が見られた。
周りはカメラを抱えた人たちが何人かおり、片手にカメラ、もう片手には焼きとうもろこしか、ソフトクリームを持っていた。
見ているだけで腹が空いてきた。
ほぼ予定の時刻通りにきている。
キャンプ場までは、あと数㎞の距離だ。
初日のラストラン。さて行くか!

清里駅前を通過して妙に違和感の様なものを感じることがあった。
「清里って、こんなに静かだったかな?」
パステルカラーの建物がずらりと建ち並んでいた記憶があるのだが・・・。
ブームが去った後の淋しさなのだろう。

4台のバイクが連なってキャンプ場内の道を走る。
道の両側にはバンガロー。家族連れでほぼ満杯状態だった。
子供達が、物珍しそうな目で我々を見ていた。
「そんなにバイクでのキャンプって珍しいのかな・・・。それとも暴走族っぽく見えているのかな・・・」

管理事務所でチェックインを済ませ、自分たちのサイトにバイクを止めた。
去年の夏の建物と比べたら「ただの小屋」と言われても仕方がない。
いや、去年が豪華すぎたんだ。(笑)
フローリングの部屋は、荷物を置き4人が横になって寝るのにはギリギリの大きさだったが、そのこじんまりさが逆に「不便を楽しむ」という我々の主義に合っている。

荷物を整理し、早速夕食の準備に取りかかった。
タープの組み立て。食料品の準備。火熾し。ビールの買い出し等々、やることはたくさんあった。
いつもながら若いS氏には頭が下がる。こまめに動くのだ。
「まぁのんびりやろうよ」と言っても、笑って「はい」と言いながら、ゴミを分類するための袋をそれぞれ広げたり、炭をこまめに足したり。かと思えば、自分も酔っているはずなのに「あっ、ビール買ってきますね」と言って自販機まで走る。
できた若者だ!


ヴィーナスへ![7]

2009年09月13日 20時46分41秒 | Weblog
野辺山に入り「やまなしの木」を探した。
ネットである程度までの場所はわかっていたが、ピンポイントで探すしかないだけに、しかもR141からずれて、細い一本道を行かねばならない。
「おそらくはこの近くかな・・・」と思ったが、畑仕事をしている地元の方に訪ねてみた。
「あぁ、すぐそこですよ」と指を差して教えてくれた。
本当にすぐそこだった。(笑)

地元の人だけが利用するであろう高原の畑の中の一本道。
その道の両脇は一面のキャベツ畑だ。
一本道のど真ん中に「なんか邪魔だなぁ」と思える目立った木があった。
なんてのどかな風景なんだ。
農耕車が行き交う高原のど真ん中に、ぽつんと立っている「やまなしの木」。
少し離れたところから見ると、その存在感、存在価値がわかるような気がした。
決して邪魔なんかじゃない。
CMに出てきそうな風景に思えるほどだった。

ふとキャベツ畑に目が行った。
「そう言えば今夜のバーベキューに、キャベツもいいよなぁ」
もちろん冗談で言った言葉だが・・・。

バイクを止めヘルメットをはずす。そして一本の老木に体をもたれかける。
聞こえてくるのは、時折通り過ぎるトラクターのエンジン音。そして蝉の声。
真夏の風がこんなにも優しいなんて。
この広大な野辺山の高原と、山々と、キャベツ畑と、農耕車と、やまなしの木に癒されるひとときだった。

ヴィーナスへ![6]

2009年09月12日 11時59分26秒 | Weblog
R141を途中で右折し、しばらく走ると真っ直ぐに伸びた道へと出た。
道の両サイドには針葉樹林。ネットで見た風景が続いていた。
「こんな風景の道をずっと走っていたいなぁ」と思わせる道だ。

案内の看板があった。
導かれるように行くと・・・「あっ、ここだ! この建物だ!!」
すぐにわかった。「そうだよ、この建物だよ!」
もう嬉しくて嬉しくて、はしゃぎたい程だった(笑)。
一緒に行った仲間には申し訳なかったが、どうしても来たかった場所だった。

中はレストランと資料館、ショップになっていた。
ドラマに関する資料や懐かしい写真が展示されていた。
「ゆうべ見た夢の中で、僕は石になっていた・・・けれどおはようの朝は来る♪」
いつしか無意識でこの唄を口ずさんでいた。
残念ながらやや曇り空になってきて、すぐ目の前にそびえ立つ主峰「赤岳」はほとんど見えなかった。
贅沢を言えばきりがないが、2階の窓から見える大自然の風景は、まさに「高原」そのものだった。


ヴィーナスへ![5]

2009年09月12日 11時24分16秒 | Weblog
♪空はまるで 君のように青く澄んでどこまでも♪

歌手名も曲名も知らないが、この歌にピッタリの風景が目の前に広がっている。
野辺山へと続くR141。この道は、二十数年前に八ヶ岳を縦走したときに通っているはずなのだが、もう記憶から遠ざかってしまっていた。(涙)
まぁそんなことは忘れて今を満喫しよう。

清里のキャンプ場へ着く前に、数ヵ所立ち寄る計画があった。
(1)「八ヶ岳高原ヒュッテ」
かなり昔の話だが、TVドラマ「高原へいらっしゃい」で使用されたロケ地だ。
リメイクもされたドラマだったが、自分としては最初の方がインパクトが強い。また、テーマソングを歌っていたのが「小室等」氏だった。「おはようの朝」という曲は今でもお気に入りなのだ。
(2)「やまなしの木」
それほど有名ではないのかも知れないが、ネットで八ヶ岳観光を調べているときに偶然見つけたスポットだった。
この木を中心とした風景に心を奪われてしまった。周りは高原野菜の畑しかないのだが、何故か写真で見ただけで「遠くまできたなぁ・・・」という思いに駈られた。
(3)「JR鉄道最高地点」
誰でも知っている場所だが、記念に立ち寄ってみることにした。

ヴィーナスへ![4]

2009年09月12日 01時17分12秒 | Weblog
AM11時過ぎ。ほぼ予定通りに佐久ICに到着。
料金所を出ると、もう目の前には「おぎのや」が!
みんな空腹状態。さっそく釜飯を・・・と行きたいところだったが、メニュー表を見ると、「おっ、キリンフリーがあるじゃないか!」
まぁ喉も渇いたし。全員の思いが一致したところで乾杯♪
本物とは行かないが、汗をかいた後だけに美味かったなぁ。

さて、主役の登場。
これが食べたかった!
ところでこの「峠の釜飯」。実は懐かしい思い出の一品だ。
この釜飯を見る度に、大学時代の夏合宿を思い出す。
夏合宿なんて、早朝から夜中までつらい思い出ばかりが蘇るが、この釜飯だけは別だ。

当時の夏合宿は、長野県の野沢温泉村で行った。
上野駅から急行列車に揺られ、長野市まで。
車内ではバカ話に花が咲きながらも、これから始まる地獄の日々を前に、正直「帰りたいなぁ」と痛切に思ったものだ。
そう思いながらも腹は減る。
先ず初めに高崎駅の「だるま弁当」。次に、まだ横川駅に列車が停車していたため、ここで「峠の釜飯」。最後は長野駅で下車し、「信州そば」。
残念ながらそばが苦手な自分は信州に来てまでうどんを食べていた。
1年の夏合宿で、初めて食べた峠の釜飯の容器(陶器)は、今でも記念にとってある。

早めの昼食を終え、次は食料品の買い出しだ。
5分も走れば「ジャスコ」がある。
この買い出しはいつもながら笑える光景だ。
どうひいき目に見てもうさんくさい男が数人。買い物かごを抱えて食料品コーナーを右往左往している姿は、他のお客さん達から見れば異様に映っていることは間違いない。
「え~っと、調味料は・・・」「おっと、肝心のげそを忘れちゃいけないよなぁ」なんてつぶやきながら店内を歩く。いや、うろつく。
「ママ、あのおじさん達恐い~!」なんて、子供の声が聞こえてきそうだ(苦笑)。

すべての準備が整った。
あとは野辺山、清里方面へ一直線。
店を出れば真夏の日差しがこの上なく嬉しかった。

ヴィーナスへ![3]

2009年09月12日 00時57分23秒 | Weblog
「横川SA」でトイレ休憩をとった。
用を済ませ外へ出ると、何ともいい香りが鼻をついてきた。
焼きとうもろこし、玉こんにゃく、じゃがバター・・・。
思わず食べたくなったが、ここはがまんがまん。峠の釜飯が俺を待っているじゃないか!
・・・が、せっかくなので、腹には溜まらないソフトクリームを食べた。

一服しながら、ふと空を見上げた。
少しずつだが、確実に青空は広がってきている。
雲は・・・、そう一年で一番真っ白な雲。夏の雲だ。
周囲の木々を見渡せば、緑の葉が生い茂り、遠くの山々は蒼く染まっている。
ありきたりの夏の風景が、不思議と懐かしくさえ感じた。

さぁ佐久までもうすぐ。
ここからはトンネルの連続だ。風景を楽しむことはできないが、待ってろよ釜飯ぃ~!!!

ヴィーナスへ![2]

2009年09月11日 00時42分27秒 | Weblog
今年の夏は、はっきりしない天候の日が続いた。
8月8日(土)。いざ、八ヶ岳方面へ向けて出発。
絶好のツーリング日和とはいかなかったが、雨の心配はない。
半年以上をかけて練ったプランだだけに、「好奇心」で満ちあふれた3人のライダーの心はいやが上にも躍った。

自宅近くのICから北関東道に乗り、東北道を経由してR50へ。途中のコンビニで全員が集合した。
メンバーはいつものO氏とS氏に、新たにSU氏が加わり4人となった。
このSU氏。走りとテクニックが半端じゃない。
それだけにメカにも詳しく頼りになる存在だ。

再び北関東道に乗り、高崎Jct→藤岡Jctを経て上信越道に乗った。
時折空を見上げれば、少しづつではあったが青空が広がって行くのがわかった。
(「暑くなりそうだな・・・」)
でも、夏のツーリングはこうでなきゃね!!

後方からO氏がデジカメ片手にスピードアップしてきた。
写真と動画の撮影だ。
いつもながらありがたい。記録として残るって本当にありがたいことだ。
ツーリングの後に、毎回O氏の撮った写真と動画、そして自分の写真とを元にしてオリジナルのDVDを制作してくれている。
音声あり、字幕あり、BGMありの感動ものだぜぃ!

3人の中年ライダーと、1人の青年ライダーの計4人。一路佐久ICを目指して走った。・・・のはいいが、朝が早かったせいかどうにも腹が減ってきた。
佐久ICを下りれば目の前には「おぎのや」が。
でもって「峠の釜飯」が食べられる。
飛ばそう・・・いやいや、安全運転で行こう!

ヴィーナスへ![1]

2009年09月10日 22時49分07秒 | Weblog
目的をもってツーリングに出かける。
それは大いなる冒険であり、ありふれた日常を抜け出し、非日常という時間でゆっくりとストレスのボルトを緩める。
「気の向くままに走れたらどんなにか心は躍るだろう。 地図?そんなものはいらないよ。ただアクセルを開け、この道の向こうに待っている忘れられない瞬間を求めているだけ。」

な~んてね(笑)

今の時代、ネットで調べれば観光案内、風景写真、動画まであり、行きたいところの最新情報は手に取るようにわかる。
それでも「あの道の向こうには何があるんだろう。あの地平線まで行けば何かが・・・」
「この森を抜ければ、きっと何かが変わるはずだ。」
そう思い、何度もバイクを走らせてきた。
ツーリングの魅力は何かと聞かれたら。
「爽快感」「感動」「名物料理」「温泉」「キャンピング」「野宿」「仲間」「語らい」等々、数え上げたらきりがない。
そして忘れてはならないもう一つの魅力。
それは「好奇心」だ。
単に「好奇心」を満たすだけの自己満足と言われればそうかも知れない。
だが、行った者だけが知る、走った者だけが得る「好奇心を満たす、ゾクゾクとした瞬間」がたまらないのだ!

前置きが長くなったが、今年の正月明けのこと。
職場のツーリング仲間と、「夏、何処へ行く?」なんて半年以上も先のことを語り合った。
目的地はどこがいい。ルートは。準備物はどうする。飯は・・・。こんな装備が欲しい。etc・・・。
そう、この瞬間に好奇心はすでに走り出していたのだ。

結果として、自分の提案した八ヶ岳を中心としたルート。メインは「ヴィーナスライン」となった。
できれば2泊3日。中日は荷物をキャンプ場に置いたまま、ヴィーナスラインを攻めよう。

ここから多方面にわたり実施計画(案)を練った。
なにせ限られた休暇。ましてや一年で最も混雑が予想される時期だし。
そしてバイクは積載物量に制限がある。不便を楽しむ遊び心をもちながらも、キャンプ場選びから始めた。