ひとり旅への憧憬

気ままに、憧れを自由に。
そしてあるがままに旅の思い出を書いてみたい。
愛する山、そしてちょっとだけサッカーも♪

長州へ(13)

2009年09月02日 21時04分51秒 | Weblog
「松陰神社前」から市内循環バスに乗り山間部へと向かった。
途中にあるのが吉田松陰の墓である。
季節は夏のまっただ中。墓のある場所は山の中腹。
当然「蚊」には悩まされるだろうと思い、予め買っておいた「虫除けスプレー」が少しは役に立った。

娘にとって驚いたことは、松陰の墓があまりにも小さかったことだった。
これだけ歴史に名を残した人物であるはずなのに何故・・・と感じたのだろう。
彼が亡くなった時期は幕末とはいえ、まだ幕府の力は絶大。薩長といえども権力に立ち向かうだけの雄藩には成長していなかった。
そして彼は国禁を犯した罪人。
それゆえ、目立ってしまうような大きな墓は建ててやれなかったのだろう。
まぁこれは個人的な推測からの説明だったが、妙に納得してくれたようだった。

線香を手向け、バス停に戻った。
立って待っていても予定の時刻のバスが来ないので、小さな木製のベンチに二人で座った。
蚊に刺されたところにかゆみ止めを塗っている姿を見ながら。
(「今日で娘との旅も終わりかぁ・・・。」)
急に寂しくなってきた。
(「父親と二人の旅行なんて、本当は嫌なこともたくさんあったんだろうな。」)
(「もう二度とできないことだろうな。」)
バスを待っているほんの数分の間に、いろんな思いが駆けめぐった。

長州へ(12)

2009年09月02日 20時44分53秒 | Weblog
3日目、今日が最終日。
ホテルから歩いて数分のところに「松陰神社」がある。
まだ朝の9時過ぎで、見学者の姿はほとんどなかった。
娘にとって初めて見る「松下村塾」はどう映ったのか。
あまりの粗末さ・・・という印象は無かったようで、「ねぇ、この畳って当時のままなの?」と聞いてきた。
おそらくは張り替えた物だろう。
「この小さな建物。この小さな部屋で互いに語り合って、時にはライバル心むき出しで論じ合って、その考えがやがて日本を変えて行く原動力になったのは間違いないね。」
そう言うと、どこか歴史の不思議さを感じ取っていたようだった。
そして、本当は触れてはいけない畳だったが、ちょっとだけ中に入り、手に触れていた姿が印象的だった。(笑)

吉田松陰の辞世の句を記した「留魂禄」は、残念ながら見られなかった。
ちょうど資料館が新たに改築されている最中で、オープンは10月。
何としても見せてやりたかった。
これだけは見せてやりたかった・・・。