ひとり旅への憧憬

気ままに、憧れを自由に。
そしてあるがままに旅の思い出を書いてみたい。
愛する山、そしてちょっとだけサッカーも♪

ヴィーナスへ![9]

2009年09月14日 22時47分10秒 | Weblog
初日の走行距離は約250㎞だった。
疲れていないと言えば嘘にもなろうが、誰もが心地よい疲れだろう。

キャンプ場は22時に消灯となっている。
ほどよくビールも呑んだし、熱いシャワーを浴びて寝ることにした。
バンガローの床は当然板張りで、銀マットを敷いたが布団やベッドにはほど遠い。
それでも河原や山頂の岩の上で寝るよりは遙かにましだ。(笑)

2日目の朝は6時過ぎに目が覚めたが、起き出したのは7時頃だったろうか。
高原の朝は涼しいながらも気持ちがいい。べたつくような暑さで目が覚める平地とは大違いだ。耳を澄ませば小鳥のさえずりが聞こえてきた。
朝食は手作りのサンドイッチ(俺が作ったもの)。珈琲。カップスープ。昨夜の残り物で作った野菜炒め。う~ん我々にしてはリッチなメニューだ!
今日は大荷物は部屋に残して走れる。
9時前にキャンプ場を出発。駅前を通り、「八ヶ岳高原道路」を目指した。
道路にはいると、すぐ右手に主峰「赤岳」と「権現岳」が顔をのぞかせていた。
懐かしい。実に懐かしい。
25歳の夏に登って以来だ。(笑)

高原道路の途中にある赤い大橋で記念写真を撮り、再スタート・・・したのはいいが、タイミングが悪いというか、アンラッキーというか。
40㎞にも満たないスピードでたらたらと走っている車が目の前に。
自分は仲間の先頭を走っていたので、その車のすぐ後方だった。
山梨ナンバーの小型レンタカー。女の子の3人組。ぎゃーぎゃー・ぺちゃくちゃ・わいわい・がやがやと車内のにぎやかさがよくわかる。
にぎやかなのは結構なのだが「ちゃんと前を向いて走れよ。車が左右に振られてるぜ!」
と、怒鳴ってやりたい気持ちだった。
更にはここは追い越し禁止ライン。
「せめて40㎞台のスピードで走ってくれよ!」
と、怒鳴ってやりたい気持ちだった。
しばらくこんな走行が続き、彼女たちのおかげで、いつしか後続車が長い列になっていた。
その後続車の先頭が我々だ。
「お~い、いい加減後ろの状況に気づけよ! せめてウィンカーを左に点けて道を譲ってほしいんだけど!」
と、怒鳴ってやりたい気持ちだった。
正直に言えばいらついた。
完全に自分たちの世界に浸り、周囲の状況などおかまいなし。いや、本当に気がついていないのかも知れない。
どっちみち迷惑な車だ。
いい加減嫌になってきた・・・と、思っているところへ、仲間が巧い「業」を使ってその車の前へと出た。
今がチャンス!自分達をかわきりに続々と後続車が抜き始めた。
やっとスッキリ! 高原のライディングを楽しむことができた。

だがこのレンタカー。
実は、帰りにも遭遇してしまうのだった。
そんなことになるとはこれっぽちも思っていない我々。何度か道に迷いながらも、確実にヴィーナスラインへと向かった。