ひとり旅への憧憬

気ままに、憧れを自由に。
そしてあるがままに旅の思い出を書いてみたい。
愛する山、そしてちょっとだけサッカーも♪

みんなで劔岳:クサリ場から仰いだ青空

2017年10月24日 00時09分15秒 | Weblog
そこそこ危険を伴うクサリ場はもう殆ど無いはずだ。


前劔の門へと向かうこのクサリ場が確かそうであったはず。
残りのクサリ場はさほど危険はない。
KMさんの岩稜地帯の技術も安心して見ていられるほど向上した。
机上であーだこーだと口で説明するよりも、現場が如何に実践的で技術向上には最適であるかという何よりの証明だ。


これから前劔を下る。
その前の休憩としていつも利用しているポイントに着いた。
「ここで休んだら、できれば前劔の門から前劔の下りは一気に降りたいと思っている。もちろん状況に応じて休憩は取るけど、ここから先が今日最後の難所だから。今は十分休んでおいてね。」


「はぁ~私お腹空きました(笑)。」
かなりのスレンダーながら食欲旺盛なKMさん。
笑いが出る、そしてお腹が空く。
「これはいいことなんだよ」と言うと、不思議そうな顔をした。
笑いが出ると言うことは、まだ気持ちにゆとりがあると言うこと。もしくはゆとりが出てきたと言うこと。
そして空腹感を覚えると言うことは、完全に疲弊しきっていないということ。
完全にバテてしまうと、食欲すら失われてしまい、更にバテが重なってしまう。
これが「シャリバテ」のサイクルの一つなのだ。
そんな説明をしながら自分も一服をした。
「さて、(前劔の)門を登ろうか。」

いざ前劔の門へとトラバースして行くと、復路でもお目にかかることができた。

赤○の中にいるのが雷鳥。
おそらくは、往路で見かけた親子の雷鳥だと思う。


雪渓との境目あたりには雛も見ることができた。


ゆっくりと雷鳥を追って行くと、自分たちも雪渓との境目まで来ていた。
「せっかくだからここを歩いてみようか。」
AM君を誘い、雪渓を歩いた。

7月の真夏に雪渓を歩く。
何度も経験しているはずなのだがやっぱり気持ちがいい。
KMさんに「おいでおいで」してみたが「無理です」というジェスチャーが返ってきた。

さぁあまり遊んでばかりもいられない。
大した登りではないが、一応ここにもクサリは設置されている。

声はかけなかった。 もう大丈夫だろう。


AM君も後から続く。声かけは不要だ。

門を登り切り、前劔頂上の側面をトラバースしようとした時だった。

それは唐突な出来事だった。
袖まくりをしていた自分の腕と首筋が急に火照りだした。
そしてその火照りはかなりの暑さへと急変した。
「ん? なんだ急に・・・」
自分の腕を見ようと下を見たら、何と岩肌に自分の影が映っているではないか。
「えっ、これって・・・」
上を見上げた。
「・・・・・」

空は青かった。
まぎれもない7月の青空だった。

今日初めて見る青い空と白い雲。
言葉は出なかった。
ただただ空を見上げ、その眩しさに満足していた。

自分のすぐ上にKMさんがいた。
これはシャッターチャンスだ!
両手を挙げてのポーズをお願いした。

こういう時って、やっぱり女性でなきゃダメなんだなぁ・・・。
いくらモデルのようなカッコイイ男が登山の格好をしても決して様にはならない。
KMさん、モデル代は払えないけど、いい写真が撮れたよ! 
ありがとうね♪