「生命ある限り」

　曽野　綾子著　　桃源社発行　　昭和５３年
昭和４1年８月から、「旅行読売」に、毎月1編ずつ連載された７０余編の短編集。
旅を中心に、そこで出会った様々な生と死が書かれている。

「乾いた花」の中で、曽野氏は次のように書いている。
”小説家は真実を書くために、事実をめちゃめちゃに並べかえ歪めてしまう”
全ての編は、「私」という一人称で書かれているが、
曽野氏が経験されたことばかりではなくて、フィクションであろう。

　「処刑の朝」
エレンズ夫人は、かっての恋人オザワ・キイチが、マニラのモンテンルパに
囚人として収容されていることを知る。戦争で現地人を殺したとの罪状である。
キイチが明日処刑されることを知った時、早朝大統領官邸行き、
大統領に会いたいと粘った。粘った末に大統領は起きた。
オザワは私の恋人でした。死んだと思って私はエレンズと結婚したのです。………………
オザワは音楽と動物の好きな口数の少ない学者です。
決して人を殺したりしていません。彼を釈放してください。
その代わり、私は二度と彼に会いません
彼は釈放され、思いがけず駐在員としてマニラにやってきた時、妻子を連れていた。
これと同じ表現は、「極北の光」にあった。
光子が、手放したわが子の病気を治してくださいと、神に祈るときである。
二度と子供には会いませんので、子供を助けてくださいと祈り、
オーロラの見える極北のホテルで、終生働くことになる。

　エレンズ夫人は、日本食が大好きである。
オザワは出世し、近々マニラに来るとの事を聞き、
茗荷の根を持ってきて欲しいとの伝言である。
エレンズ夫人の待っていたのは、キイチではなくて、茗荷の根ではないだろうか。

サクユリ

　カサブランカによく似ているが、サクユリである。
一日中蒸し暑く、”辛抱堪らん”という日であった。
「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」
凛と立った姿から、清楚な日本美人を想像する。

ねじれ花

　梅雨の晴れ間、洗濯物は処理したが、湿度は高い。
孫達は、夏休み。早速朝寝が始まった。
ゆっくり眠った後には、お友達を呼んでお遊び。変化があってうらやましい。

　役所から、健康保険証が届く。嬉しいような、哀しいような。
医療費が一割負担になり、出費を抑えることが出来るのは嬉しい。
しかし、その優遇処置があるということは、低所得で高齢という哀しさがある。
また、ＪＲやバスなど交通機関を使って外出し、
ボケ防止や体力低下を防ごうとの親切から、年間約６千円ぐらいの補助が出る。
これも喜ぶべきことか、悲しむべきことか！

　草原に咲く、小さな花である。花の形から”ねじれ花”とついた。
”ネジバナ””ねじれ草”とも呼ばれ、ラン科に属する。
ねじれ方は、左巻き右巻きと色々である。、
花言葉は、 「思慕」「秘密の思い出」。

チャーミーリップ

　木立ベゴニアである。今年も元気に咲いた。
１０号鉢で育てているベゴニアは、高さ１ｍになるものもある。
毎年挿し芽をして更新すると、冬を元気で過ごし春を迎えることが出来る。
今頃挿し芽をしても、十分冬越しできる。
花は濃いピンク色である。葉も艶々していて、鑑賞用にもなる。

　ベゴニアは、雨の日のじめじめも、暑くて、強い太陽光も嫌い。
強い太陽光にあうと、葉焼けをして、見苦しくなる。
午前中だけ日が当り、風がそよそよ吹き、雨や夜露に濡れない場所が好き。
気に入らないと、いつの間にか姿を消す。結構わがままな植物である。




　朝顔は、丈夫な植物である。種を蒔いたのではないのに、芽が出て花が咲いた。
昨年こぼれ落ちた種が芽を出したのである。
強い太陽光も、毎日の雨にもビクともしない。
しっかり花開いている。丈夫で育て易いこと、この上なし。

ウソッ！

　N金融の外交員２人が、我が家を訪れる。
年金を入れてくれるようにとの話である。今年金を入れている金融機関から、
N金融に入れ替えてくれとの頼みである。

　その時、N金融にある私の貯金通帳の中身を打ち出して、持って来ている。

　電気、ガス等の引き落としがあるので、２ヶ月に一回入金している。
それを見て、
「そのように面倒なことをしなくても、
この通帳に年金を入れると良いではないですか」との意見。
またお金不足で通帳がマイナスになっているのを見て、
「マイナスになると、金利が高くつくので、
ぜひ年金を入れてプラスにしてください」とも言った。

　なんの断りもなしに、通帳の中身をコピーしても良いのか？
このコピーを紛失したらどうなるのだ。
通帳にお金があろうとなかろうと、迷惑はかけない積りだが。
個人情報とは、たかが住所や電話番号だけのことなのか？


　これが普通なのか？
カチンと頭に来た自分がおかしいのか？
通帳にお金が無いことを知られたので、ひがんでいるだけなのか？
人の通帳を打ち出して、いつでもどこにでも持ち出していると、
何かが起こりそうで不安である。
N金融からの引き落としも少しずつ減らし、最終的には無にしよう。



　”サクユリ”である。花は大型で、強い芳香を持つ。

ジジ・ババのお喋り

　小中学校同級生のジジ５人、ババ３人が集まり、お喋り会をする。
話題の一番は、健康問題。人間ドッグ、血液検査にと話が進む。
いき着くところは、ピン・ピン・コロリ！

　密かにジジとババの食べっぷりを観察する。ビールを飲むのはジジ３人。
あとはウーロン茶で、お相手をする。
ババ３人は、全て出されたものは綺麗に食べた。ご飯もしっかり食べた。
ジジは、食べる量が少ない。全部平らげたのは、０人である。
次回は、量を少し減らす。ご飯などは大余り。また冷凍である。

　食べられることは元気のバロメーター。
ババが長生きする秘密はそんなところにもありそうである。



野菜作りは、ババの仕事になっている家が多い。
ジジも作って、作る喜びを味わうと元気になる。
我が家の野菜も今日は元気。鹿やカラスの被害からも、守られている。

さらに元気！

　”ミリオンキッス・ロマンス”再度の登場である。
咲き始めたばかりのときに紹介をしたが、今回はさらに大きくなり花数も多く、
見事である。当分楽しませてくれる。



　香水の材料となる”ヘリオトロープ”である。ベゴニアではない。
花に触りながら、鼻を近づけると芳香を放つ。

お喋り

　朝から蒸し暑い。回覧板を持って行くと、「お久しぶり」からお喋りが始まる。
近所だから、１週間も会わなければ、「お久しぶり」である。
田圃や稲の話、鹿やカラスの話、はぐれ猿の話、豆の蒔き時の話等々。
そこに買い物帰りの人が通る。この人も取り込んで、またひとしきり喋る。
これを井戸端会議というのであろう。３０分以上お喋りをした後、
「草取りをするので、今日も忙しいね」で解散となる。
能率は上がらないけど、いつも忙しい忙しいと言っている。
能率が上がらないから、忙しい。「忙しい」と言っている時は、まだ元気なのだ。
仕事をしなければいけないと思っているのだ。

　中学生二人が、遊びに来た。Hの友達である。「田舎だなー」と言っている。
家の中ばかりではなく外で遊ぶことになった。
友達：「公園で遊ぼうよ」
H　 ：「公園なんかないよ」
友達：「公園がないの？　ど田舎だなー！」


　我が家の漬物桶を棲家としている睡蓮である。本年も沢山花を付けている。
葉伝いに蟻まで蜜取りに遠征している。

トマト

　雨にも負けず、蒸し暑さにも負けず、
鹿や猪にも、狸にも、からすにも負けず、今日まで耐えてきた。
このまま夏を乗り切りたいと思う野菜達である。



　キュウリはつる性だから、上に上にと伸び、カラス避けの網も役に立たない。
いち早くそれに気付いたカラスは、またキュウリを盗って遊んでいる。
黒いマルチの上に、しっかり足跡を残している。
動かぬ証拠だけれども、捕まえることも、警察に突き出すことも出来ない。

竹原町並み保存地区

　K氏の水彩画である。竹原でのスケッチを完成させた。

ニッカウイスキィー創始者の生家。竹鶴酒造。



頼山陽ゆかりの地付近