絵本のひきだし 林明子原画展
ひろしま美術館
絵本『はじめてのおつかい』
「今日、7月15日(土)から、「絵本のひきだし 林明子原画展」がひろしま美術館で開催されるんじゃね」
「絵本作家・林 明子(はやし あきこ)さんの代表作『はじめてのおつかい』『こんとあき』から最新作『ひよこさん』までの絵本原画のほか、『魔女の宅急便』の挿絵など、約200点の原画や資料が展示されるそうじゃ」
「チラシには『こんとあき』の絵が使われとるよ」
「林さんが初めて手がけた絵本『はじめてのおつかい』が発行されて40年とあるので、今日はこの絵本について話をしてみようと思う」
「この絵本は、筒井頼子(つつい よりこ)さんの作、絵が林さんで、福音館書店から1976年3月に出版されとるんじゃね」
↓「絵本のひきだし 林明子原画展」については、こちら↓
「絵本のひきだし 林明子原画展 特別展」ひろしま美術館
「この絵本より、同名のTV番組の方がよう知られとるんじゃないかね」
「TV番組『はじめてのおつかい』(日本テレビ系、1991年~)は、この絵本をもとに作られとるんじゃの」
「TVでは、おつかいを頼まれ、家を出て無事(?)おつかいを成功させて帰ってくるまでの、少し頼りないけど、意外にたくましい子どもたちの姿を見ることができるんよ」
「心配しながら家で待っとる親たちの姿もの」
「絵本では、主人公のみいちゃんに焦点を当てているので、お母さんは最初と最後しか出てこない」
「絵本『はじめてのおつかい』は、お母さんから牛乳買ってきてと頼まれた、5歳になるみいちゃんが、牛乳を買いに行って、家に帰ってくるまでの話なんじゃの」
「前半が家を出て店に着くまで、後半が店で牛乳を買って家に帰るまでじゃね」
「そう。この絵本は、店で牛乳を買うということだけで、物語の半分が費やされとるんじゃ」
「…というて、みいちゃんが買うもの(=牛乳)を忘れたり、いつも買いたいと思うとったおかしをついでに買っちゃったりするわけでも、もちろんないんよ」
「お母さんから頼まれたことで、みいちゃんの頭の中はいっぱいじゃけぇの」
「この本が出版された40年前は、ふつうの家の1階を店舗にして営業しとる店が、まだあったね」
「たいていはその家の人が店番をしとってんじゃが、店がヒマな時なんかは、家で用事をしとってのこともある」
「つまり、店に人がおってんないということがままあった」
「こういうときは、店の人を呼ばんといけんのじゃ」
「うちが小まい(=小さい)ころは、たいてい親か、姉妹や友だちと行くけぇ、そういう店に行って店の人を呼ぶのはなんとかなったんじゃけど」
「おつかいで牛乳を買いに行った、5歳のみいちゃん。でも、そこにお店の人はおってんなかった」
「店の前でひとりぼっち。5歳のみいちゃんにとっては、心細いことこの上ないじゃろうね」
「ここから、買い物よりも前の段階、店の人を呼ぶという、みいちゃんの大奮闘が始まるんじゃの」
「がんばれ、みいちゃん!」
「「ぎゅうにゅう ください」。うんと大きな声を出そうとして、それでもちっちゃな声しか出せなかったみいちゃん」
「わかるねぇ、その気持ち」
「当然、店の人は出てこない。2回目、「ぎゅうにゅう くださあい」と言ったみいちゃん」
「ぶるるる ぶるーん」
「このときは後ろを車が通り過ぎたので、みいちゃんの声は届かんかった」
「みいちゃん、どんどん不安になってきたじゃろうね」
「そんなときおじさんがあらわれ、店の人を呼び出し、タバコを買っていく」
「おぉ、すっげぇ! こんな簡単にお店の人を呼び出せたらいいなぁ、とみいちゃんは思うたじゃろう」
「店の人が目の前におるけぇ、「あのう…」とみいちゃんが言いかけたところで、ふたりの間におばさんが割って入ってくる」
「えぇ、図々しい!」
「おばさんはお店の人と話し込んだあと、パンを買って出ていく」
「ようやくみいちゃんの番じゃ」
「この機会を逃したら、店の人に声をかけられないかもしれない…、そう思ったみいちゃん。「ぎゅうにゅう くださあい!」と、自分でもびっくりするくらいの大きな声が出た」
「えらい、よう言えた!」
「みいちゃんにようやく気がついた店の人が「気がつかなくてごめんね」と謝ると、ずっと我慢していた涙がぽろり」
「このときのみいちゃんの表情がええよねぇ」
「この勇気があれば、今日も一日がんばって生きていこうって思えるよの」
「で、無事、牛乳をゲットしたみいちゃんの最上級の笑顔が、この絵本の表紙になっとるんよ」
↓絵本『はじめてのおつかい』については、こちら↓
「林明子 Q&A」絵本ナビ
「今日は、「絵本のひきだし 林明子原画展」にひっかけて、絵本『はじめてのおつかい』について話をさせてもらいました」
「ほいじゃあ、またの」
ひろしま美術館
絵本『はじめてのおつかい』
「今日、7月15日(土)から、「絵本のひきだし 林明子原画展」がひろしま美術館で開催されるんじゃね」
「絵本作家・林 明子(はやし あきこ)さんの代表作『はじめてのおつかい』『こんとあき』から最新作『ひよこさん』までの絵本原画のほか、『魔女の宅急便』の挿絵など、約200点の原画や資料が展示されるそうじゃ」
「チラシには『こんとあき』の絵が使われとるよ」
「林さんが初めて手がけた絵本『はじめてのおつかい』が発行されて40年とあるので、今日はこの絵本について話をしてみようと思う」
「この絵本は、筒井頼子(つつい よりこ)さんの作、絵が林さんで、福音館書店から1976年3月に出版されとるんじゃね」
↓「絵本のひきだし 林明子原画展」については、こちら↓
「絵本のひきだし 林明子原画展 特別展」ひろしま美術館
「この絵本より、同名のTV番組の方がよう知られとるんじゃないかね」
「TV番組『はじめてのおつかい』(日本テレビ系、1991年~)は、この絵本をもとに作られとるんじゃの」
「TVでは、おつかいを頼まれ、家を出て無事(?)おつかいを成功させて帰ってくるまでの、少し頼りないけど、意外にたくましい子どもたちの姿を見ることができるんよ」
「心配しながら家で待っとる親たちの姿もの」
「絵本では、主人公のみいちゃんに焦点を当てているので、お母さんは最初と最後しか出てこない」
「絵本『はじめてのおつかい』は、お母さんから牛乳買ってきてと頼まれた、5歳になるみいちゃんが、牛乳を買いに行って、家に帰ってくるまでの話なんじゃの」
「前半が家を出て店に着くまで、後半が店で牛乳を買って家に帰るまでじゃね」
「そう。この絵本は、店で牛乳を買うということだけで、物語の半分が費やされとるんじゃ」
「…というて、みいちゃんが買うもの(=牛乳)を忘れたり、いつも買いたいと思うとったおかしをついでに買っちゃったりするわけでも、もちろんないんよ」
「お母さんから頼まれたことで、みいちゃんの頭の中はいっぱいじゃけぇの」
「この本が出版された40年前は、ふつうの家の1階を店舗にして営業しとる店が、まだあったね」
「たいていはその家の人が店番をしとってんじゃが、店がヒマな時なんかは、家で用事をしとってのこともある」
「つまり、店に人がおってんないということがままあった」
「こういうときは、店の人を呼ばんといけんのじゃ」
「うちが小まい(=小さい)ころは、たいてい親か、姉妹や友だちと行くけぇ、そういう店に行って店の人を呼ぶのはなんとかなったんじゃけど」
「おつかいで牛乳を買いに行った、5歳のみいちゃん。でも、そこにお店の人はおってんなかった」
「店の前でひとりぼっち。5歳のみいちゃんにとっては、心細いことこの上ないじゃろうね」
「ここから、買い物よりも前の段階、店の人を呼ぶという、みいちゃんの大奮闘が始まるんじゃの」
「がんばれ、みいちゃん!」
「「ぎゅうにゅう ください」。うんと大きな声を出そうとして、それでもちっちゃな声しか出せなかったみいちゃん」
「わかるねぇ、その気持ち」
「当然、店の人は出てこない。2回目、「ぎゅうにゅう くださあい」と言ったみいちゃん」
「ぶるるる ぶるーん」
「このときは後ろを車が通り過ぎたので、みいちゃんの声は届かんかった」
「みいちゃん、どんどん不安になってきたじゃろうね」
「そんなときおじさんがあらわれ、店の人を呼び出し、タバコを買っていく」
「おぉ、すっげぇ! こんな簡単にお店の人を呼び出せたらいいなぁ、とみいちゃんは思うたじゃろう」
「店の人が目の前におるけぇ、「あのう…」とみいちゃんが言いかけたところで、ふたりの間におばさんが割って入ってくる」
「えぇ、図々しい!」
「おばさんはお店の人と話し込んだあと、パンを買って出ていく」
「ようやくみいちゃんの番じゃ」
「この機会を逃したら、店の人に声をかけられないかもしれない…、そう思ったみいちゃん。「ぎゅうにゅう くださあい!」と、自分でもびっくりするくらいの大きな声が出た」
「えらい、よう言えた!」
「みいちゃんにようやく気がついた店の人が「気がつかなくてごめんね」と謝ると、ずっと我慢していた涙がぽろり」
「このときのみいちゃんの表情がええよねぇ」
「この勇気があれば、今日も一日がんばって生きていこうって思えるよの」
「で、無事、牛乳をゲットしたみいちゃんの最上級の笑顔が、この絵本の表紙になっとるんよ」
↓絵本『はじめてのおつかい』については、こちら↓
「林明子 Q&A」絵本ナビ
「今日は、「絵本のひきだし 林明子原画展」にひっかけて、絵本『はじめてのおつかい』について話をさせてもらいました」
「ほいじゃあ、またの」
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