通でがんす

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草の想い(くさのおもい)

2020年08月02日 | 音楽
深夜23時から朝5時までの6時間、
1年365日放送されている
NHK『ラジオ深夜便』。

先日、7月18日の午前3時台
「メディアの音楽」は、映画監督の
故・大林宣彦(おおばやし のぶひこ)さん
の特集じゃった。





広島県尾道市出身の大林監督は、
今年4月10日に82歳で亡くなられました。

そして、同じ4月10日に封切り予定で、
20年ぶりに尾道市でロケをした
映画『海辺の映画館-キネマの玉手箱』は、
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて
公開が延期。

この日の特集は、映画『海辺の映画館』が
7月31日に公開されることを受けてのもの。





この日紹介された歌のひとつに、
大林宣彦 & FRIENDSの「草の想い」
があった。



今日は、この「草の想い」について
話をしていくでがんす。





↓NHK『ラジオ深夜便』については、こちら↓

「ラジオ深夜便 - NHK」





↓映画『海辺の映画館-キネマの玉手箱』については、こちら↓

「映画「海辺の映画館ーキネマの玉手箱」公式サイト」







(大林宣彦 & FRIENDS「草の想い」NECアベニュー 1991年3月)


「草の想い」は、
今から29年前の1991年5月に公開された
映画『ふたり』のエンディングに流れる歌。

映画をご覧になった方なら、
「あぁ、あの歌ね」とわかっていただける
と思います。





この曲はもともと、
映画のメインテーマとして
音楽監督の久石 譲(ひさいし じょう)さん
が作られたもの。

その曲に、大林監督が
一晩で言葉を紡(つむ)ぎあげて
作られたのが、この歌。



昔ひとの心に 言葉ひとつ生れて
伝えてねこの声を 草の想い




歌っているのは、
先に紹介したとおり、
「大林宣彦 & FRIENDS」。

大林監督と久石さんによる、
男性ふたりのデュエットという、
異色の組み合わせ。

わしが久石さんの歌声を聞いたのは、
この時が初めてじゃった。



これは、大林監督の妻で、
プロデューサーの大林恭子さんの
提案によるもの。

「「ふたり」という映画なのだから、
「ふたり」で歌えばいいじゃない」





↓大林宣彦 & FRIENDS「草の想い」は、こちら↓

「草の想い~ふたり・愛のテーマ 大林宣彦、久石譲」YouTube







(中嶋朋子「草の想い」パイオニアLDC 1991年4月)


「草の想い」は、大林監督のほかにも、
映画で姉の北尾千津子役を演じた
中嶋朋子(なかじま ともこ)さんの
バージョンもあります。

このCDは、
今はなきタカノ橋サロンシネマで行われた
映画『ふたり』の試写会で、
抽選でいただいたものと記憶しとる。





↓中嶋朋子さん「草の想い」は、こちら↓

「◆ 草の想い 「 ふたり」 ~ 中嶋朋子」YouTube





↓サロンシネマ(現在はタカノ橋から八丁堀に移転)は、こちら↓

広島の映画館サロンシネマ、八丁座





…ここまで話をしてきて気になるのが、
当時、アイドル歌手として活躍し、
妹の実加役を演じた
石田ひかりさんが歌う「草の想い」は
ないの? ってこと。





さかのぼってみると…、

映画『ふたり』(1991年)は、
大林監督の「新・尾道三部作」の第1作。

その前の「尾道三部作」の
第2作『時をかける少女』
(1983年7月公開 東映)では、
原田知世(はらだ ともよ)さんが
エンディングで歌った
「時をかける少女」が大ヒット。



時をかける少女 愛は輝く舟
過去も未来も星座も越えるから 抱きとめて

(作詞:松任谷由実)




第3作『さびしんぼう』
(1985年4月公開 東宝)では、
映画の全編に流れた
ショパンの「別れの曲」に詞をつけた、
富田靖子(とみた やすこ)さんが歌う
「さびしんぼう」が
エンディングで使われた。



サヨナラ……
あなたに出逢えて嬉しかった
どこかでもう一度逢えるって 約束して

(作詞:売野雅勇)




…その流れでいくと、
石田ひかりさんが「草の想い」を歌っても
不思議ではない。

というか、歌って当然じゃん!



彼女がこの『ふたり』において
女優誕生の責務をきちんと果たしたので、
『ふたり』をアイドル映画になどしない
という、いわばご褒美として、
女優石田ひかりは唄わないことになった。

その結果、監督自らが”父親代わり”に
この物語の心の想いを伝える言葉を、
語り、唄うことになった。

「Blog. 映画『ふたり』(1991) 久石譲インタビュー 劇場用パンフレットより」久石譲ファンサイト 響きはじめの部屋




こういう理由で、石田ひかりさんは
「草の想い」を歌わないことになった
そうじゃ。



ぎゃくに、『北の国から』
(1981年から フジテレビ)
で蛍役を演じてきた女優の中嶋朋子さんが、
ごほうびという形で
「草の想い」を歌うことになった。

そして、「わたし、いないの」という歌も
プレゼントされ、CDにも収録されている。



そして、歌うことをしぶる大林監督に、
プロデューサーである恭子さんが
「「ふたり」で歌えば」と言ったことで、
大林宣彦 & FRIENDSの「草の想い」が
生まれた。

…というのは、先に紹介したとおりじゃ。





以下、余談。



本作がデビュー作となった
中江有里(なかえ ゆり)さんも、
「草の想い」をYouTubeに
アップされていました。

ピアノの伴奏だけで歌う
中江さんの歌声もえかったので、
是非,聞いてみてください。





↓中江有里さん「草の想い」は、こちら↓

「In memory of Nobuhiko Obayashi ~ 草の想い」YouTube





今日は、今から29年前に公開された
映画『ふたり』の主題歌
「草の想い」について、
大林宣彦 & FRIENDS、
中嶋朋子さん、
中江有里さんの
3つのバージョンについて
話をさせてもろうたでがんす。



ほいじゃ、またの。

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