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「ゴンドラの唄」はどんな歌詞だった?【改訂版】

2024年01月03日 | 音楽
「♪いのち短し 恋せよ乙女(おとめ)」

「なんね、その歌?」

「「ゴンドラの唄」いう歌じゃ」

「ほぉ」

「この歌は、黒澤明(くろさわ あきら)監督の映画『生きる』(1952年)で使われとったんよ」

「どのシーンで?」

「映画のラストで、志村喬(しむら たかし)演じる主人公が、雪の降る夜に公園のブランコに乗って、低くつぶやくように口ずさむのがこの歌なんじゃの」



「その『生きる』が、1月8日(月)にNHK総合で放送されるけぇ、歌いよったんじゃ」



↓映画『生きる』については、こちら↓

「黒澤 明 監督の傑作!今も世界中で愛される名作をお届け」NHKオンライン



↓「ゴンドラの唄」については、こちら↓

「生きる (Ikiru) 黒澤明 テーマ曲 -ゴンドラの唄-」YouTube





「今日は、「「ゴンドラの唄」はどんな歌詞だった?」についての話でがんす」





「「ゴンドラの唄」は1915(大正4)年、松井須磨子(まつい すまこ)の主演で上演された『その前夜』の劇中歌として作られたんじゃの」

「どんな歌詞なんかね?」



いのち短し 恋せよ乙女
あかき唇 褪(あ)せぬ間に
熱き血潮の 冷えぬ間に
明日(あす)の月日は ないものを

いのち短し 恋せよ乙女
いざ手をとりて かの舟に
いざ燃ゆる頬(ほ)を 君が頬(ほ)に
ここには誰れも 来ぬものを

いのち短し 恋せよ乙女
波にただよい 波のよに
君が柔わ手を 我が肩に
ここには人目も 無いものを

いのち短し 恋せよ乙女
黒髪の色 褪(あ)せぬ間に
心のほのお 消えぬ間に
今日はふたたび 来ぬものを

(「ゴンドラの唄」ウィキペディア)




「1915年いうけぇ、今から109年も前の歌じゃの」

「そのくらいむかしの歌じゃけぇ、ちょっと意味が分かりづらいところもあるよね」

「現代語訳があるけぇ、それを紹介してみようか」



いのちある時は短いのです 恋をなさいよ、お嬢さん
あなたの赤く艶々とした唇が 色褪せてしまわないうちに
あなたの肌の下を熱く流れる血潮が 冷え切ってしまわないうちに
明日の月日など あてにならないのですから

いのちある時は短いのです 恋をなさいよ、お嬢さん
さあ、手に手をとって あちらの小舟に乗り込みましょう
さあ、私の燃える頬を あなたの頬に触れさせてください
ここにはだれも 来やしませんから

いのちある時は短いのです 恋をなさいよ、お嬢さん
波の間に間にゆらゆらと 波のように揺れながら
あなたの柔らかな手を 私の肩にかけてください
ここには 人目はありませんから

いのちある時は短いのです 恋をなさいよ、お嬢さん
あなたの黒々とした髪が 色褪せてしまわないうちに
燃えたぎる心の炎が 消えてしまわないうちに
今日という日は 二度とやって来ないのですから

『甦る『ゴンドラの唄』─「いのち短し、恋せよ、少女」の誕生と変容─』山形大学 人文社会科学部






「以下、余談じゃ」


「山形大学の相沢直樹(あいざわ なおき)教授によると、「ゴンドラの唄」を作詞した吉井勇(よしい いさむ)の全集にも、底本が収録されていないそうじゃ」

「底本が収録されていないということは、初出が特定されていないということ?」

「ほいじゃけぇ、劇の脚本や当時の楽譜を参考に復元するしかなかったらしいの」

「ほぉ」

「それが、静岡県立大の細川光洋(ほそかわ みつひろ)教授の調査で、1915年4月1日発行の総合雑誌『新日本』であることがわかったそうじゃ」

「それはすごいね」



↓「ゴンドラの唄」の初出については、こちら↓

「恋せよ、少女(をとめ)こゝから 「ゴンドラの唄」初出判明 100年越しの謎解ける」東京新聞 TOKYO Web 2021年12月9日





「今日は、「「ゴンドラの唄」はどんな歌詞だった?」について話をさせてもろうたでがんす」

「ほいじゃあ、またの」


(文中、敬称略)

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