通でがんす

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(旧ブログタイトル:通じゃのう)

通り御祭礼 還御行列(その1)

2015年10月11日 | 広島の話題
広島東照宮

通り御祭礼

還御行列






2015年(平成27年)10月10日、

広島東照宮に祀られた徳川家康没後400年ということで、

江戸時代、家康没後50年ごとに行われてきた「通り御祭礼」が、

200年ぶりに復活した。





最初に行われた寛文6年(1666年)は、

JR広島駅北口(新幹線口)側、

二葉の里(ふたばのさと)にある広島東照宮を出発して、

本通りを通り抜け、寺町の南側にある広瀬神社まで

約4キロメートルを行列が通るという、

大掛かりなものじゃったそうな。





今の時代、それだけの距離を歩くことはできんけぇ、

(道路の使用許可を取るだけでも大変じゃろうの)

広島東照宮から饒津神社(にぎつじんじゃ)まで

約400メートルを往復することにしたんじゃと。





往復じゃけぇ、

行きを渡御(とぎょ)行列、

帰りを還御(かんぎょ)行列と呼ぶ。





12時35分、予定より5分遅れて

鶴羽根神社前を出発した、帰り道にあたる還御行列を

3回に渡って紹介していこうと思うとります。





↓通り御祭礼については、こちら↓

「広島神輿行列「通り御祭礼」」広島東照宮








【高提燈、榊、神職】

行列は、スポンサー入りの看板とともに

粛々(しゅくしゅく)と行進していく。





神職というのは、

神輿(みこし)の御旅所(おたびしょ)の饒津神社の宮司さん。





御旅所というのは、神輿が途中で休憩する場所のこと。

今回は、広島東照宮を出て饒津神社で休んで帰ってくるので、

饒津神社が御旅所になるそうじゃ。







【御案内町年寄、警固御先手足軽】

御案内町年寄(ごあんないまちどしより)は、

城下町代表としての行列の先陣役。



警固御先手足軽(けいごおんさきてあしがる)は、

行列の先導・警護役。





手前に見えるのは、広島テレビの撮影部隊。







【町奉行】

馬に乗って登場した町奉行は、

通り御祭礼の総取締り役。







ここで、町奉行と石引台がすれ違う。





…すれ違う?





石引台は渡御行列の最後尾で、

町奉行は還御行列。

つまり、渡御行列が御旅所にたどり着く前に、

還御行列が出発したというわけ。





ここで、当日の様子を説明しとかにゃいけんじゃろう。





行きの渡御行列は、11時に広島東照宮を出発、

40分に饒津神社に到着。

帰りの還御行列は饒津神社を12時30分に出発、

14時に広島東照宮に戻ってくる、

…という予定じゃった。





それが、還御行列が出発する12時30分になっても、

渡御行列の最後尾にあたる石引台は、

広島東照宮の前におった。





…なぜか?





広島におってフラワーフェスティバルを見慣れとると、

行列いうのは、たいてい予定した時間通りに通って行く。





ところが、今回はお祭り。





獅子舞や雅楽、花田植が、行進の途中で演舞(えんぶ)をする。

演舞の間は、行列が止まる。

それで行列が遅れに遅れて、

こんなことになった、らしい。





さっきも書いたが、今回の通り御祭礼は、お祭。

人が集まって賑やかな中、屋台で一杯ひっかけて

やってきた行列をやんやの拍手で迎える、

…というくらいの気持ちで楽しむんがええんじゃなかろうか。





逆に、時計とにらめっこしながら

「予定通りに行列が来んじゃないか!」

というのが野暮というもんじゃろう。





それにしても、実行委員会の方は

気が気じゃなかったとは思うが…。







【遅速奉行、御弓・御鉄砲、御長柄】

遅速奉行(ちそくぶぎょう)は、

行列の進行を早くしたり遅くしたりする、コントロール役。

行列には、必要な役じゃの。



御弓(おんゆみ)・御鉄砲(おんてっぽう)は、

弓と鉄砲隊の武者行列。



御長柄(おんながえ)は、

長柄隊の武者行列。







【遅速奉行、御内陣の鉾持】

御内陣の鉾持(ごないじんのほこもち)は、

神輿行列の先導役。





なぜここに猿田彦(さるたひこ)が…?







【壬生の花田植】

壬生(みぶ)の花田植は、

北広島町の壬生に伝わる、

国の重要無形民俗文化財であり、

ユネスコ無形文化遺産でもある。





↓壬生の花田植については、こちら↓

「壬生の花田植」北広島町観光情報サイト







【麒麟獅子舞】

麒麟獅子舞(きりんじしまい)は、

広島東照宮に伝わる、麒麟をモチーフにした

獅子頭を使った獅子舞。







【遅速奉行、御庭払、杖衝】

御庭払(おにわばらい)は、

石引行列全体の先導役。



杖衝(つえつき)は、

石引行列の露払い役。





赤と青の鬼が、御庭払?







御庭払は白島碇太鼓保存会によるもの。

ほいじゃけぇ、背中には「碇」の文字が。





↓碇太鼓については、こちら↓

「【特集】はくしま散歩 第一回:碇神社と碇太鼓」白島商店会





撮影日:2015年10月10日





【参考文献】

『広島市被爆70周年記念事業 広島神輿行列「通り御祭礼」』
(広島神輿行列「通り御祭礼」実行委員会 2015年)






今日は、広島東照宮で200年ぶりに行われた通り御祭礼の還御行列について話をさせてもらいました。

あと2回ほどやりますけぇ、お付き合いください。

ほいじゃあ、またの。
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