2013.2.26(火)晴れ
沖縄の地名は難解である。まるで外国語で、その意味するところが解らない。しかし沖縄の方言や転訛のしかたを学ぶと本土の地名を紐解くのと同様に解ってくる。ただし日本の古語であって、本土では消えてしまっている言葉もいくつか見受けられる。常々沖縄方言や地名は日本語のガラパゴス、ロストワールドだと言っているのだが、まさにそのとおりであることが本書にも書かれている。
そういう意味で地名を研究する場合、沖縄の地名について知識を持っていることが重要だと考えている。
沖縄地名の入門として本書を選んだのだが、実はかなり難解であった。
「地名を歩く」南島地名研究センター編著 1991年10月発行 古書
沖縄地名で最初に興味を持ったのは東平安名崎である。知らない人に呼んでもらうと”ひがしへいあんなさき”となるかもしれないが、”あがりへんなざき”が正解なようである。地元では”ぴゃうなざき”だそうだ。宮古島の東南にひょろひょろと突き出た岬で、幅は15m、長さは2Kmもあり、島一番の風光明媚なところである。宮古島トライアスロンではこの岬を自転車で往復し、だれの心にも残る風景だろう。
ではなんで”あがりぴゃうなざき”なんだろう。東西南北は地名の基礎である。沖縄では、あがり、いり、ふぇー、にしとなる。あがり、いりは日が上がる、入るでわかりやすい。南のふぇーは南風のことをはえというのと同様である。北をにしというのはよく解らないが、西と北との混同で混乱しているようである。
宮古島には北西にもうひとつ平安名崎があり、西平安名崎(にしへんなざき)と呼ばれている。初めて宮古島に行ったときには「東(あがり)平安名崎に対して西(いり)平安名崎ですよ」と説明された。その時はなるほどと思ったのだが、今では西平安名崎は北平安名崎(にしへんなざき)であって、いりへんなざきは西という文字から来た呼び方なのではないかと思っている。
西平安名崎は決して西に位置するものではなく、北に位置するものである。やはり西は北で西平安名崎は北(にし)平安名崎だという説もあるそうで、その説を信頼したい。北をにしというのでかなり混乱が生じている。
方角はともかく平安名崎(ぴゃうなざき)はなにかというと、ぴゃう=パウ=蛇ということだ。両平安名崎とも細くてくねくねとうねって海に突き出ている。
なぜパウが蛇かというと説明が無い。それが本書の辛いところだが、”這う”からだろうかなどと勝手に考えて楽しんでいる。つづく
【作業日誌 2/26】
ウッドデッキ階段作製
【晴徨雨読】155日目(2007.2.26)奥~瀬嵩
山原(やんばる)の東海岸沿いを走りに走る一日だった。道中タナガーグムイなる所に寄る。例によって道路上の看板に誘われてゆくのだが、やんばるの自然の残った、特に植物群落が有名らしい。ところが実に気味悪いところで、ジャングルの中の崖をロープに頼って降りていかなければならない。タナガーとは手長海老のことで、グムイは池、泉、水路などをいうそうだ。
写真では明るく見えるが陰気なところで、事故も何度となく起こっているそうで、背筋がぞくぞくする所だった。
【今日のじょん】:今年もイノシシがやってきた。足跡が鹿とはちょっと違う、寸胴で蹄が開いている。谷から上がって隣家に向かっている。被害は無し。