晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

別所探訪(60) 西浜別所-7 6/15

2014-06-15 | 別所探訪

2014.6.15(日)曇り

 小分け地名の別所が小字別所の中のどこに位置するかは重要な問題であった。奥野さんの田んぼがベッソというところだというのは貴重な証言である。ベッソと言うところは現地を確認したわけではないが、奥野さんの便りで、小字岩ノ下にある。小字岩ノ下にはベッソ、別所の小分け地名は無いが、東隣の小字福本に別所前という小分け地名がある。となるとベッソという地名はセブンイレブンから藤波園に行く道の東部分にあり、その東の小字福本に別所前という小分け地名が存在するとすればつじつまが合ってくる。ベッソと別所は同一のものだと思うので地続きに考えると、小字別所の中の別所(ベッソと思われる)は小字別所の東部分に存在すると考えられる。
 小字別所の中の小分け地名山崎は小字岩ノ下、小字山崎にも存在する。ということはそれら三つの小字に共通する部分に山崎という古い地名が存在していたと考えられる。山崎山(307m)の山名由来はこの山崎かも知れない。
P1030160
 

 
修正を加えて、小分け地名予想図が出来上がった、奥野さんに確認してもらって、再度マキノを訪れたい。

 同様に小分け地名岩ノ下は小字別所と小字岩ノ下に共通するので、藤波園の辺りから左の尾根に向かった辺りかと予想しているのだが、小字岩ノ下には夫婦岩という地名があり、この岩の下方が小分け地名岩ノ下と考えるのが妥当である。
 小字別所の中で谷地形は一ヶ所だけなので藤波園の奥の谷を柳谷と考えるのも妥当だと思う。また、御墓は現実に石塔のある穴虫との境にある尾根上の一部だろう。
 そうすると本来の別所は小字岩ノ下の東端から小字別所の東側だろうと想像できる。しかしこの景色を見ても別所とはなんぞやという答えは出てこない。特別な遺跡があるようでもないし、単なる山としか思えないだろう。
 
【今日のじょん】敷地内に侵入する鹿のことを書いてきたが、連日現れており、昼間は追われるので夜に侵入するようになった。センサライトが点灯して目撃されることもあるが、最近では巧妙になってセンサの届かないところでウロウロしている。音も立てないし、じょんも鹿には鈍感だし、その形跡すらつかめないのだが、先日から三日かかって、剪定したネムノキの葉を食べ尽くしてしまった。ユスラウメとタニウツギの新芽を食べられたぐらいで特段被害はないのだが、やがてなんでも食われだすとやばいので要対策となっている。P1030148 P1030152
P1030157  



13日、14日、15日の様子。

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別所探訪(59) 西浜別所ー6 6/14

2014-06-15 | 別所探訪

2014.6.14(土)曇り

 角川日本地名事典滋賀県の小字一覧は小字とその中の小分け地名が記されており、大変便利なのだか調査の際には苦労することが多い。
 例えば最近の例では草津市馬場町を訪ねた時のことである。馬場町穴虫には小分け地名、穴虫、植カケ田、馬場とあり、穴虫、植カケ田の位置はすぐに聞き取りで判明するのだが(植カケ田は仕掛田とみなす)馬場は「全体が馬場町なの」ということになり、確定できない。つまり町名馬場町は小字穴虫の小分け地名の馬場から来ていると思われるのだが、地元の人の意識としては馬場といえば町名となって、本来の意味をなす馬場は意識の中から消えてしまうようだ。
 小字名と小分け地名が複雑に入り組んでいる西浜では話は余計複雑となる。同じ小分け地名が、小字を越えて付定されているということは理解できないこととなるからだ。だから、「穴虫の福本はどこですか?」と聞いても、「福本というのは小字の福本のことで穴虫とは別」などという答えになってくるのだ。
 しかし複数の小字に存在する小分け地名が小字が出来る前の一定の地域だと気付くと、今ではどこの地域か解らなくなっている小分け地名の位置が解ってくる。
 小字の地図をコピーして、小分け地名を書き込んでいく。小字穴虫の凹の字を逆さにしたような奇妙な形も耕地の有り様からそうなったことが理解できる。小分け地名は耕地や居住地以前の利用状態から付けられた地名なのだろう。きれいに書き上げて奥野さんに確認してもらおう。
P1030159
 

小分け地名を理屈に合うように並べると、字配置図とは違った地名の配置が見えてくる。
その前に位置がはっきりしている地名があるので、書いておきたい。
一つは御墓(みはか)である。御墓は小字別所の小分け地名だが、R161号線を西浜に入ると藤波園の入口にセブンイレブンが出来ている。更に東に進んで北の田んぼの中を農道が走っている。農道が山裾にあたる辺りから、尾根に向かって山道があり尾根にあがるあたりに石塔があるそうだ。航空写真を見ると尾根上にはげた部分があり、その辺りらしい。奥野さんの言によると、三つの墓があるので三墓だと思っていたということである。なお、この石塔は近世のものと言うことだ。御墓は訪問可能なので次回登ってみたい。
 御墓はミハカ、つまり埋墓かという予想をしたが、この状況を考えると単純に墓があるから御墓と考えてよいのではないだろうか。そう考えるとこの地名は新しいものと思われる。
P1020890
 

 
藤波園の最奥からつづく地形は、小字別所唯一の谷地形で、柳谷というのがこれにあたると思うのだが、柳が生えるような地形でなく、一体何を示すのだろうか。
 今一つは奥野さんの耕作地であるベッソである。セブンイレブンから少し北に入った田んぼの部分で、小字福本になるのではないだろうか。もちろんベッソとは別所のことだが、小字福本には別所前という小分け地名がある。
 このベッソこそ本来の別所につづくもので、藤波園から東に見える尾根の一帯が別所と考えられる。つづく


【今日のじょん】忠の井堰が完成したので、じょんと見に行く。
一年前の景色がよみがえってきたが、願わくばオオサンショウウオが帰ってこないかと思うばかりである。

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