常念が見える部屋から

ここから北アルプス常念岳が眺望できます。
季節の移ろいに写真を添えて発信します。

いも虫の味

2009年12月26日 | 季節の便り
忘年会で競り落としたシクラメン

ある種のカミキリムシの幼虫は枯れた材木を食べて成長する。
材木の表面をかじるのではなく、木材の内部にトンネルを掘り進む、掘ることが目的ではないのかもしれない、何故なら彼らにとって木材は食料なのである。
頑丈ななあごで堅い木を削り食べ、綿のように暖かな滓を排泄する。
排泄物が詰まったトンネル内は暖かく、幼虫はゆっくり成長を続けながら越冬することができる。エコの極め付けである。
越冬する虫たちの天敵は人間である。
時として越冬虫のゆりかごは、燃料用の薪として割られる。
「丸々と太った白い幼虫が寒い外に転がり出すと子供たちは喜びに歓声を上げた」と大原先生が言った。
先生は信州伊那谷のお生まれである。
私も木の虫は数え切れないほど口に入れたけれど、今風にいえば、規格外のとろけるチーズ、歓声を上げるほどの事はなかったように思う。
きっと伊那谷に生息する虫類は特別な味を備えていたのだろう。

コメント
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