今年生まれたアマガエル
山の行き帰りにはいつも途中にある水神様の清水で喉を潤した。
泉は先のとがった石の隙間から湧き出して、青苔の生えた木樋を伝わって1メートルほどの高さから落下する。
蕗の葉っぱを器用に丸めて椀替わりに使う、水が喉を通る時ほのかなフキの移り香がした。
その頃 山は、春の山菜採り、盆の飾り花、キノコや山の果物を探した秋等々、遊びのフィールドだった。
昨日 本当に久しぶりに水神様を訪ねた。
畑は森林に変わり、間伐された材木が放置されている。
地表に緑の色彩はなく、荒涼たる風景が続いていた。
シンボルの三角石は倒れて、泉は間伐の丸太で覆い隠されて昔日の面影はない。
これは見過ごすわけにはゆかないと、丸太を取り除くと 泉の痕跡があらわれた。
倒れた三角石は素手ではどうしようもない、近々泉の復活作業を行いたいと思っている。
何しろ時間はたっぷりある。