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眼科用巨大電磁石

2010年08月30日 | 来し方
茗荷 朝の食欲増進に重宝している。
子供のころは食べたくない野菜の筆頭だった。






k式巨大電磁石

昔 労働環境が整わない鉄工場で金属加工に従事していると、切削中の切屑が目に飛び込む事故が多かったという。

洗浄するだけで取り出せた軽症状から、鋭利な金属片が眼球に突き刺ささり、手術で除去する重傷例までがあった。

鉄片除去の一法として、磁石に吸着する方法も考案されたが、磁力が弱くそれほど普及はしなかった。

患者の苦痛を軽減するため、強力な磁石の出現を待ち望み、ついに自ら巨大電磁石の製作に挑む医師が現れた。

鉄の芯に電線を巻付け、電流を流せば電磁石は簡単に作ることができる。

又発生する磁力は、理論上電線を鉄心に巻く回数と流す電流によって、際限なく強力な電磁石が作れることになる。

試行錯誤の末、出来上がった電磁石は重量が20キロを越えた、仰臥する患者の眼球に接近させ、保持することは不可能に近い。

大型三脚の頂点から左右にアームを伸ばし先端に電磁石を取り付け、反対側にバランス用鉄塊を固定する天秤型で決着した。

実物を見たような記憶もあるが定かではない、当社が全国に向けて発売した最初の医療機器であり、「k式巨大電磁石」と考案者の名前を冠に付けて数台を売ったという。

どの程度の治療効果が得られたのか詳しいことは判らない。

コメント
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