常念が見える部屋から

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巨人伝説 デーラ・ボッチ

2010年08月17日 | 季節の便り


昔、デーラ・ボッチという雲つく大男がいた。

鉢伏山山頂付近に直径100メートルを超す足型の窪地があって、デーラ・ボッチの足跡だと伝えられている。

もしこの足跡が本物であったら、身長は700メートルを優に越えていただろうと想像できる。スカイツリーの完成時とほぼ同じ身長である。

山頂に据えられた「鳴雷神」の大きな石碑と、デーラの巨大足跡が鉢伏山のシンボル的存在であった。

子供の時、父親に付いて登った山頂は、見渡す限り高山植物が咲き乱れる草原で、そう見えなくもない足型の、巨大な窪地は浅く水を湛えていたように思う。

現在 鉢伏山は山頂まで森林が浸食し草原の趣は大きく変わっていた。

草原に草を求めた生活様式が一変し、林業振興のため手っ取り早い落葉松を植樹したのだろう。

しかし植樹された落葉松は、絶え間ない強風に晒され、歪性化し、この地での造林が失敗であったことを明確に物語っていた。

往時の記憶をたよりに歩いてみたが、この高原でデーラの窪地を探し出すことはできなかった。

この鉢伏山の南西に、草競馬で知られる高ボッチ高原がある。

鉢伏山のボッチの足あとと、この高原の名前の由来に縁が偲ばれる。



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