常念が見える部屋から

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季節の移ろいに写真を添えて発信します。

夏山の吸血鬼

2010年08月18日 | 季節の便り


ウスユキソウ


鉢伏登山の為、終点で車を降りると、スズメバチの模様をした大型虻(アブ)が数匹、物の気配を察知してか、どこからともなく集まって来た。

羽音を立て体の周りを飛びながら隙を窺っている。

羽音が止った時が要注意、体のどこかに止まって吸血を始めるからである。

彼女達(血液を吸うのはメスだけ)は薄手の衣服を貫通させる鋭い針管を持っている。

一瞬 針を刺される痛みが走る、人は手という便利な器官をつかって、全方位に対応できるから救われる。

かって 山の放牧場に放された牛馬は彼女達の攻撃から身を守る術を知らない。

虻は、牛馬の尻尾と後足での、防衛行動が及ばない部所を知っていて、そこに群がって吸血する。

中には腹部が透けて赤く見えるほど血を吸い過ぎて、飛べずに地面を這っているものもいる。

いつか 何かに集中していて、虻が止まったことに気付かずにいたことがある、違和感に目を大腿に移すと、ズボンに潜るような姿勢で大きな虻が一心に吸血していた。

平手で叩きつぶすとやぶけた腹部から鮮血がほとばしってズボンを赤く染めた。

暫くして、穿刺された部位が赤く腫れあがり、痛痒い後遺症に相当期間悩まされた。

 

コメント
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