或る「享楽的日記」伝

ごく普通の中年サラリーマンが、起業に向けた資格受験や、音楽、絵画などの趣味の日々を淡々と綴ります。

Kildalton Cross

2010-06-17 05:47:11 | 860 英国紀行
アイラ島での2日目で最終日は快晴。前日は雨が降ったり止んだりで時折強い風が吹く、いわゆる典型的なスコットランドの気候で苦労した。そのため天気が良いうちにと出かけたのが、おそらくこの島の観光名所では最大の目玉であるケルトクロス。

実は昨晩方針変更をしていて、予定としては残り5つの蒸留所巡りだったけど、製造工程を見学するツアーに参加するとなると、どう考えても時間的に無理。既に本命の御三家は終了したし、それならシングルモルトフリークならば邪道だけど、ツアーには参加せず表敬訪問にとどめ、空いた時間をアイラ島観光に費やそうと。なんか軟弱さが改めて露呈した格好。

8時に朝食を済ませ島の南南東の端へ。もともとアイラ島はかつてケルト人の島。ローマ帝国ができる前にヨーロッパ大陸に住んでいた先住民。侵略によって英国北部とアイルランド、それとスペイン北部のガリシア地方などの西方に追われたけど、今でもケルト文化圏の名残がある。その象徴のひとつが彼らの十字架で、それがケルトクロス。数あるクロスの中でも有名なのが、アイラ島に残っているキルダルトン・クロス(Kildalton Cross)。9世紀ぐらいに建てられたとされている。

前日に訪問したアードベッグの蒸留所を過ぎると、もう人家がほとんどない狭い山道が続く。分け入っても分け入っても森の中って感じで少々怖くなったのは確か。行き過ぎかなと疑心暗鬼になった頃、道端に標識が。右手の丘の上に何やら建物が見える。側道に入って少し登ると、石造りの教会跡の周辺にある墓標の中で、ひときわ目立っていたのがケルトクロス。

石にこびりついた苔が長い歳月の経過を感じさせる。想像していたより大きい。しばしそこで佇んでいたかな。なんかこの島の原点に触れたような気がして気持ちが昂ぶったけど。その後も車で島を周っていると、何箇所かでスタンディングストーンと呼ばれる高い石の塔に出会った。これらは紀元前4世紀ぐらいの新石器時代に造られたらしい。帰りのフェリーの中でケルトクロスのキーホルダーを売っていたので記念にと購入。結局アイラ島の歴史に関わるお土産は、これひとつだったような。


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