或る「享楽的日記」伝

ごく普通の中年サラリーマンが、起業に向けた資格受験や、音楽、絵画などの趣味の日々を淡々と綴ります。

LAST LOVE

2008-02-14 06:23:08 | 350 映画
観たらダメだろうな、幻滅するだろうなと悪い予感がしながら結局レンタルDVDを借りてしまったのが、田村正和主演の映画「ラストラブ」(2007年)。ジャズのサックスプレイヤーという設定だからどうしても。彼にとっては14年ぶりの映画出演らしい。TVの古畑任三郎役で馴染みがあるからか、喋り方といい黒のロングコートといい、どうしても古畑のイメージとかぶったのは確か。

NYで活躍していた主人公が妻の急死をきっかけにジャズをやめ帰国。旅行代理店のサラリーマンとして生活する中で偶然ヒロイン役の伊東美咲と知り合う。そして人生最後の恋に落ちるというラブストーリー。正直言って田村のファンならストーリーや相手役なんて関係ないとは思うけど。それに舞台がNYという設定もあってそれなりに楽しめるだろうなあ、カミさんみたく。

自分はどうもダメだった。いくつかどうしても妥協できない点があって。まずは田村の年齢。もう還暦を過ぎているのに相手役が伊東。愛人関係ならまだしもストレートな恋愛関係とは。これはかなり辛い。つくづく感じたのは、若い子とそれなりにどうのこうのを目指すのなら、やはり50歳半ばぐらいまでが限界だなあと。この映画も10年前に撮っておけば良かったのに。

次が音楽。主人公のテーマ曲が"Begin the begin”はないだろうと。老人相手のダンスパーティーじゃないんだから。もう少し粋なスタンダードナンバーとかがあるんじゃないの。それとピアノトリオに彼のテナーサックスという設定ならまだしも、なんでトランペットやサックスが他に何本もあるような大規模編成にしたんだろう。もろバイショウ的な雰囲気がムンムン。

驚いたのが田村にテナーサックスの指導をしたのが稲垣次郎だったということ。いや懐かしい。記憶にあるのは1970年代に彼がリーダーを務めていた「ソウルメディア」というファンクバンド。ピアノの今田勝とかギターの川崎燎といった”手練れ”を擁してブイブイと。ドラムスの猪俣猛が率いる「サウンドリミテッド」と双璧だったような。もう二人共かなりのご老人。月日は流れます。

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