或る「享楽的日記」伝

ごく普通の中年サラリーマンが、起業に向けた資格受験や、音楽、絵画などの趣味の日々を淡々と綴ります。

石橋美術館

2009-10-01 06:35:38 | 300 絵画
九州プチ旅行の初日は、午前中に福岡市美術館を訪ね、足早に次の福岡県立美術館へ。ところが受付の女性と話が噛み合わない。県展をやっていて全館の展示室を使っていることが判ったのは少し経ってから。つまり常設展もなかったということ。これにはガックリ。この美術館の場所が荷物を預かってもらったホテルのすぐ傍だったのがせめてもの救いだった。

それで予定を変更し、早めの昼食をとって久留米へ。西鉄天神駅から大牟田線の特急を利用して約30分。車窓からのどかな田園風景を眺めていると突如としてビル群が見えてきた。その中心にある西鉄久留米駅から歩いて約10分。地図でみると美術館を含めた敷地はかなりの広さで、どんなところか興味深々だった。現地でパンフレットを見てようやく全貌が明らかに。

ここは石橋文化センターと呼ばれ、昭和31年に株式会社ブリヂストンの創立25周年を記念して、創業者石橋正二郎氏が郷土久留米市に寄贈したもの。対象としては石橋美術館、石橋文化ホール、石橋文化会館、日本庭園等があり、この他に市民図書館等も併設されていた。端的に言えば、大きな文化ゾーン。寄贈したにしてもスケールがやけにデカいなあと。

石橋美術館に足を踏み入れると、これが都会の一流美術館の佇まい。ちょうど「ランキングで楽しむ石橋美術館」という企画展をやっていて代表的な人気作品が多数展示されていた。特に地元久留米の出身である青木繁と坂本繁二郎のコレクションが充実していた。彼らは小学校時代の同級生で仲良しだったとか。青木は放浪生活の末に28歳で他界。心身共に病んでいたのだろうなあ。

2枚あった佐伯祐三以外では藤島武二の「屋島よりの遠望」と安井曾太郎の「レモンとメロン」が気に入り、堪能して退館したけど、時間に余裕があったので敷地内を散歩。花壇にはコスモス、ケイトウ、センニチコウ、彼岸花が咲き乱れ美しかった。あまりの心地よさにベンチでついうとうと。ゆったりとしていて癒される、そんな感じ。とても幸せな時間だった。

屋島からの遠望(1923年)レモンとメロン(1955年)



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2 コメント

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Unknown (とど)
2009-10-01 19:56:30
「レモンとメロン」のさばさばとした色使いがハッと目を引かれますね。凄く印象的。
「屋島からの遠望」も、ずっと見入っていたくなる優しい絵ですね。
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良かったなあ。 (ハンコック)
2009-10-02 06:30:40
藤島武二の作品はどこの美術館でみてもハズレが少なくて、筆遣いが洗練されていて上手だなあといつも思う。この作品はエメラルドグリーンの色使いが良かったかな。

安井曾太郎は最晩年の作品で、これもすこぶる出来が良かった。そんなに有名じゃないけど、彼の代表作だと思う。どっちの作品も画像にすると魅力が半減してしまうのが残念だよね。
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