或る「享楽的日記」伝

ごく普通の中年サラリーマンが、起業に向けた資格受験や、音楽、絵画などの趣味の日々を淡々と綴ります。

The Nearness of You

2008-11-21 06:24:07 | 200 ジャズ
少し前の土曜日、診断士の講習会のついでに広島市街にある大型家電店へ久しぶりに立ち寄ってみた。ここの売場面積はおそらく中四国で最大の規模。さすがに秋葉原のビックカメラには負けるけど。あそこはケタ違いだから。横目もふらずに直行したのが高級オーディオのフロア。郊外店との品揃えの違いは、こういうマニアックなものが顕著。オーディオはその中でも群を抜いている。

フロアに着くと、とりあえず視聴室へ。せっかくだから音を聴かないと。今使っている装置に別に不満がある訳ではないけど、たまにはね。部屋に入るとJBLから流れていたのがスタンダードの名曲"The Nearness of you”。曲はすぐに分かったけど、ビリー・ホリデイに似た線の細いしゃがれ声の女性ヴォーカルは誰なんだろう?。他に誰もいなかったのでCDプレーヤーの周囲をごそごそ探したらジャケットを発見。レディ・キムの「Everything must change」(2005年)。そうか、これが彼女なのかと。

実は少し前に広島でライブがあったけど、あまりに入場料が高いので断念したことがあって。早速CDを購入したけど、やはりこの曲が一番素晴らしかった。しかし渋い曲だなあ、特にバラードだと最高。同じ曲をと棚を捜して見つけたのが、以前にも紹介したマイケル・ブレッカーの「The ballad book」(2001年)。他の古いのはなかったかなと、少し時間をかけたら出てきた。

白人女性歌手の大御所、ヘレン・メリルの「The nearness of you」(1957年)と、いぶし銀の黒人ピアニスト、レッドガーランドの「The nearness of you」(1961年)。両者共にこの曲がアルバムタイトルになっている。ジャケの白人と黒人の女性のコントラストが面白い。こういう機会でもないとなかなかと言い訳しながら久しぶり聴いてみると、これが案外良かったりして。

特にガーランドには改めて感服。シングルトーンでこれだけ聴かせるピアニストはざらにはいない。彼の右手の間というのは神ががっている。これはもう日本人がどうあがいてもダメ、流れている血のなせる業。このアルバムには他にもバラードの名曲が目白押し。これからの季節に部屋を暖かくしてシングルモルトをしっとりと飲む時なんかには最高なんじゃないかな。

Everything must changeEverything must change

Helen MerrillHelen Merrill  Red GarlandRed Garland